あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義
気分がのらない時向き編
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あっぱれ長屋のプラス話 第33号
〜嫌いな人に嫌いな自分〜
2004.10. 1
くるり
今日のお江戸あっぱれ長屋のお客さんは、
おなか茶屋のおなかさんです。
なか
今日は相性と縁の話だよ。
くるり
おなかさんには一番関係のない話みたいだ。
なか
あん?
くるり
ごめんなさい、もう言いません!
なか
あんたは私に対しては、そうやって素直に謝れる。
これが、もし相手がくるりの嫌いな人だったら、
そんなふうに言える?
くるり
「相性なんて、あーたにはまーったく関係のない話で、
ござーますわね。ほーっほっほっ!」
なか
やっぱり、やな性格だね。
くるり
わー、ごめんなさい。
そんなことはもうしません。
なか
っていうことは、これまではしてたと?
くるり
いえ、そんなことは決してありません。
ただ、おなかさんに睨まれると謝らずにいられなくなるだけです。
なか
みんなが誤解するようなことを、
お言いでないよ。
くるり
わー、ごめんなさい。
なか
わかってない…。
くるり
きっと、おなかさんと私の相性は、
常に私が呑まれてしまうということなんだよ。
なか
そうじゃないってば。
あんたは私を好きだから、素直にいい面を出して謝れるのよ。
くるり
は?
なか
だって、もし私が嫌いだったら、
さっきの皮肉を浴びせて喜んでいる、
嫌な面を出しているはずだよ。
くるり
たとえ嫌いだったとしても、
おなかさんには、そんなことは怖くてできないってば…。
なか
口に出しても出さなくても、
心の中でそう思えば、おんなじこと。
人間は、嫌いな人に対しては、
冷たくてひどい態度が平気でとれるもの。
つまり、自分の嫌な部分をさらけ出す。
だから、嫌いな人の前だと、自分の嫌な部分がたくさん出てくるんだ。
くるり
それで、よけいその人のことが嫌いになるのかなあ。
なか
反対に好きな人の前では、自分のいいところがたくさん出てくるね。
というか、いいところを出そうとするよね。
恋愛感情なんかある場合は、とくに。
くるり
そうか、相性のいい人は、好きな人、
相性の悪い人は、嫌いな人。
つまり、好きになるということ自体が、相性がいいという証拠。
なか
そんな単純なものでもないでしょ。
正確には、相性のいい人ってのは、
自分のいい部分が、どんどん引き出されてくる人。
嫌いな人でも、あいつには負けたくないって、頑張れるような相手なら、
相性が悪いとは言えないじゃない。
問題は自分がその人に対して、嫌な面を出してしまうことだけで。
くるり
それは、向こうも嫌な面を出してくるからだよ。
なか
だから、いい面を出せば、向こうもいい面を出してくるんじゃないの。
もし、好きな人にいいとこ見せても、それが身についてないものであれば、
自分がつらくなってくる。
いくら好きでも、自分がどこか無理している相手が、
相性がいいとはいえないでしょ。
人間はいい面と悪い面を持っているもの。
だから、いいほうだけとか悪いほうだけしか見せないっていうのは、
不自然な状態。
相性のいい関係ってのは、お互いのいいところが育ち、
悪いところは補い合う関係。
くるり
私の素直なところと、おなかさんのしたたかなところ、
私の気弱なところと、おなかさんのこわいところが、
ちょうど育ち補い合う関係になっているみたいなもんだね。
なか
なんかおっしゃってます?
くるり
わー、うそうそ。
なか
物でもそうでしょ。
体に合うものを食べたら、体調がよくなる。
合わないものを食べると、おなかをこわしたり、じん麻疹が出たりする。
着物も人によって、似合うものと似合わないものがある。
すべて相性があるんだ。
くるり
そうは言っても、物は自分の意思でなんとかなるかもしれないけど、
人は、相性のいい人のなかだけでは暮らせないからね。
なか
つまりそこは相性ではなくて、縁なんだね。
相性より重要な縁。
くるり
ほんとますます、おなかさんに関係のない話に入っていくね。
なか
怖がるわりには、言いたいこと言ってるよ。
くるり
でも、その縁を良くも悪くもするのも相性でしょ。
なか
でも、縁がなければ、相性がいくら良かろうが、悪かろうが関係ない。
くるり
そうか。
でも、どうせ悪い相性なら、縁がなければいいよね。
なか
縁があるということは、それをいい縁に変えられる可能性が
あるってことよ。
最初の話で、くるりが皮肉を浴びせた人が、
むっとするんじゃなくて、「ハハハ、そうだね」って笑ったら、
くるりはどうする?
くやしくて、もっと辛らつなことを言うかい?
くるり
うーん、そうするとますます嫌な自分が、出てくるよね。
敵のほうが一段上手だった、恥ずかしいって思うかな。
なか
そこだよ。
嫌な自分が出るってことに気がついたね。
それから、くるりのいい部分が出たよね。
だから、くるりの素直な心が出せた。
もし、そこでくるりが感情的に、嫌な部分を出したとしたら、
相性を悪くしているのは、くるりということになる。
くるり
そっか…。
じゃあ、逆に向こうが、憎たらしいこと言ったら、
相性を悪くしてるのは向こうだから、
こっちもそのままでいいんだねー、キャハハ。
なか
心情としては嫌いな人の前では、
不快感を感じるから、とげとげしくなってしまう。
それを我慢して、できた人間として対処しようとすれば、
くるりみたいなのは、すっごい無理が生じてつらいから、
ますますその人が嫌いになってしまうだろうね。
くるり
それとなく、私、けなされてますか?
なか
それとなくじゃなくて、思いっきり。
だからね、くるりにそんな無理せよとは言わないよ。
嫌いな感情を、簡単には一掃できるものではないからね。
ただね、自分の嫌なところを出さないようにする心がけを持つ、
それだけ守ればいいんだよ。
くるり
たとえば、相手が頭にくるようなことを言ってきたら?
なか
それに対して、自分も罵れば、嫌な部分を出してしまってるよね。
それは、不快な相手を意識してるからだ。
そこで、自分の嫌な部分を出さないことに意識を向けてみる。
すると、嫌な部分を出している相手に同調してしまうから、
自分の嫌な部分が出てしまうんだなって見えてくる。
嫌いな相手なのに、同調しているというのもおかしな話。
ということは、自分はその嫌な部分に、釣られなければいいだけ。
すると、相手が何を言っても、気にならなくて、
くるりのほうが、「ハハハ、そうだね」って言えるようになる。
くるり
対象を相手から、自分に移すんだ。
この人は嫌い、この人の言うこともやることも嫌い、
それがまた憎たらしいこと言うから、なお嫌い、
そう思うと不快感が増幅するけど、
そんなことに意識を向けるのではなく、
ただ自分の嫌な部分を出さない、
ってことだけを意識するようにする。
なか
そうすると、嫌いな人を利用して、
自分を高めているようなもんだから、
相性の悪さもいい結果となってくる。
すると、自然と関係もよくなって、
縁も良くなってくる。
すると、感情も良くなってくるってこと。
くるり
おなかさんは、実践できてるの?
なか
私は客商売でしょ。
やっぱり最初は嫌な客もいるよ。
でも、いつもその心構えだけは、守ってる。
おかげで、どんなに嫌な客でも、
無茶は言わなくなるね。
もうすべて難なく、このとびっきりの笑顔で応対できますわ。
くるり
そりゃみんな、おとなしくなるわけだ。
(発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)
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