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               あっぱれ長屋のプラス話 第110号   

                〜 思いを通して見えるもの 〜       
                                      2009. 3. 29   
    



   くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   易者らしからぬ易者の
   どう造さんです。
   どう造さん、
   一度聞いてみようと思ってたんだけど、
   易者が変人だと、
   お客さんも変人が多い?
  
  どう造
   そんな質問に、
   どう答えろというのだ?
   まあ、変人ではないが、
   いろんな人がいるのは確かだ。
   悪い結果に喜ぶ人もいれば、
   いい結果に落ち込む人もいる。

  くるり
   やっぱり変人が多そうだ。

  どう造
   くるりだって、
   そうなる場合はある。
   人間は、
   自分の思いを通してものごとを受け取るもの。
   そうすると、必ずしも、
   普通のいい悪いで受け取るとは限らなくなる。
   たとえば、
   悪い卦が出たら、普通はがっかりするが、
   この間は、四大難卦の一つというほどの悪い卦が出て、
   とても喜んだ人がいた。
   最悪の卦が出たなら、これ以上は悪くならないって思ったそうだ。

  くるり
   じゃあ、その人の場合、
   いい卦が出たら、
   落ち込むところだったね。

  どう造
   いや、そういう人は、
   前向きな思いを通して見てるから、
   前向きにしか見えない。
   いい卦だったら、
   それはそれで、喜んだろう。
   その逆なのが、
   家業を継ぐのに、
   自分が向いているかどうかを見てほしいとやってきた、
   商家の跡取り息子だったな。
   出た卦は、
   家業にも向いているし、
   家を継げば発展するといういいものだったが、
   ひどく落ち込んだ。

  くるり
   なんで?

  どう造
   実は、家業を継ぎたくないと思ってたんだ。
   易でもそんな結果が出て、
   運命にがんじがらめにされてしまったとでも、
   感じたんだろう。
   
  くるり
   そういう時は、
   あまり私の占いは信じなくて大丈夫って、
   言ってあげれば?
  
  どう造
   こら。
   この男に出た卦はな、
   向いてないと思っている男に、
   大きな可能性があることを、
   教えてくれているものだ。
   だが、継ぎたくないという思いが前にあるから、
   そうは受け取れない。
   
  くるり
   その人にとっては、
   向いていないと出た方がいい卦なんだね。
   だけど、もしそう出ても、
   「占いでも向いてないと出たから継がない」、
   ってのは、なお救いようがない気がする。
   
  どう造
   最初の男と逆で、
   後ろ向きの思いを通して見るから、
   後ろ向きにしか見えなくなる。
   だから、そういうことになるんだ。
   だが、占ってみる気になったのは、
   どこかに、
   自分が継がないと店はどうなるという思いもあって、
   迷う心があるゆえだ。
   まさにそれこそが、
   卦が示している、家業を繁栄させられる力の源だ。

  くるり
   確かに、決心がついていれば、
   むしろ占いはしないね。

  どう造
   迷うということは、
   片方の選択肢も捨てきれない気持ちがあるからで、
   そこを忘れてはいけない。
   一方の思いが強いと、
   なかなかそこに気がつくことがむずかしいがな。
   その男も、
   「いくらいいと言われても、
    大凶運にしか感じられない。」
   と頭を抱えちまった。
  
  くるり
   その人、そんな状態で、
   本当に商売を繁盛させられるの?
   どう造さんの占いが、はずれてるんじゃないの?
  
  どう造
   いや、問題は卦にはない。
   あるとしたら、男のほうだ。
  
  くるり
   えらい自信だね。
  
  どう造
   だって、そうだろう。
   継ぎたくないという思いが、
   後ろ向きな捉え方にさせている限りは、
   問題は卦ではなく、男にあるのは確かだ。
   
  くるり
   それにしても 
   私から見ると贅沢な悩みだと思うな。
   仕事がなくて苦労するより、
   最初から継ぐべき立派な家業があることは、
   幸せじゃない。
   生まれながらに仕事が用意されてると思えばいいのに。
  
  どう造
   だから、俺も言ったよ。
   「おまえさまは、
    そのありがたみを不幸と思っているが、
    貧しい人たちから見たら、
    とても幸せなことなのですぞ。」
 
  くるり
   どうせ私は貧しい人。
  
  どう造
   大事なのはここだ。
   同じことでも、くるりは幸せなこと、
   男は不幸なことととるように、
   幸不幸というものも、
   現象ではなく、
   受け取り方で決まるものだ。
   だから、どんないいことでも、
   不幸だと思えば、その瞬間に不幸になり、
   どんな悪いことでも、
   幸せだと思えば、その瞬間に幸せになる。
   運不運も同じ。
   不運だと思った時に不運となり、
   幸運だと思った時に幸運になる。
   だからそれを男にも言ったよ。
   「おまえさまは、
    幸運を大凶運と受け取ったわけだから
    確かに大凶運となりました。」
   と。

  くるり
   脅してる。

  どう造
   いや、本当のことを言ったまでだ。
   さっきも言ったように、
   人間というものは、
   現象そのものでいい悪いを判断しているようでいて、
   実際は、自分の思いを通した受け取り方で判断している。
   そして、その場合は、
   思いを通して見えるものしか見えない。
   だからこそ、逆に、
   そこをきちんと頭に入れておけば、
   うまく使うこともできるし、
   間違った使い方を防ぐこともできるんだ。   
   
  くるり
   ということは、
   凶運と思わない人間には、
   一生凶運は来ないってことでもあるね。
  
  どう造
   当然だ。
   たとえば、石ころの表と裏がわかるか?
   
  くるり
   そんなの、わからないよ。
  
  どう造
   わからないのは、そもそもどちらが表とか裏とか、
   決まってないからだ。
   それを見た人が、 
   表だと思ったほうが表になり、
   裏と思ったほうが裏になる。
   だから、表としか考えられなければ、
   どこも表に見え、
   裏としか考えられなければ、
   どこも裏に見える。
  
  くるり 
   だから、その人、
   卦も裏目に出ちゃったんだね。

  どう造
   正確には、裏目にしてしまった、だ。

  くるり
   じゃあ、その人は、
   凶運にしたまま帰っていったの?
  
  どう造
   いや、落ち込んだままのお客さんを、
   そのまま、はい終わりにして帰しては、
   このどう造の易者としての名がすたる。
  
  くるり
   へえ、いいところあるね。
  
  どう造
   悪い卦のときは、
   当たらなくても、
   はずれるように導いてもらったおかげ、とか、
   はずれて良かったということにしてもらえる。
   が、いい卦の時は、
   なんとしても、前向きに考えて、
   出た卦のとおりになってもらわねえと、
   すべて当たらないことにされてしまうからな。
  
  くるり
   そういう理由で、
   使命感に燃える易者ってのは、
   どう造さんだけだと思うよ。
  
  どう造
   ともかく、運の極意を教えた。
   すなわち、「凶運は強運」。
  
  くるり
   こじつけみたいな気もするけど。   
  
  どう造
   いや、凶運というのは、
   見方を変えれば、
   それだけの苦労に耐えられる強運ということになる。
   だからこそ、乗り越えてもいかれるんだ。
  
  くるり
   負けちゃう人もいるよ。
  
  どう造
   それこそ、凶運と思ってるからだ。
   この男の場合も、
   継ぎたくないという思いが、
   強運を凶運にしてるじゃねえの。
   人は、希望に合えばいい卦、
   合わないと悪い卦と考えてしまいがちだけど、
   易はそんなに浅いものではない。
   
  くるり
   単に、将来の自分がどうなるかってことではなく、
   今の自分をどう見つめることで、
   将来がどう変わるかをみてもらってると思わなきゃいけないんだね。
  
  どう造
   だから、
   あたりはずれよりも
   今の気持ちをどう整理していくかが、
   重要なんだ。
   
  くるり
   さりげなく、
   あたりはずれにこだわるなと
   言っている。
   
  どう造
   変な思いを通して見ないでくれる?
   もし、くるりが客として来たなら、
   間違いなく
   変な受け取り方をする客だな。 
   
  くるり
   そんなことはないよ。
   私は、お金を払って見てもらう時は、
   まっさらな気持ちで、素直に受け入れるもん。
   たとえどう造さんであっても、そうするよ。
   だって、信じられないということは、
   無駄金を払うことになるじゃない。
   見料の元をとる受け止め方くらいはしなくちゃ。
  
  どう造
   そういう考えで信じるお客は、
   くるりだけだと思うぞ。
  
   
 


    (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)



     

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