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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

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                  あっぱれ長屋のプラス話 第111号   

                       〜 感謝の励み 〜       
                                    2009. 5. 2




  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   おめでた屋の小僧で、どう造さんとおはぎさんの一人息子、
   茶さじ郎ちゃんです。
  
  茶さじ郎
   こんにちは。
   前回はおとっつぁん、
   いえ父がお世話になりました。
  
  くるり
   こちらこそ。
   相変わらず、できた子供だこと。

  茶さじ郎
   とんでもないです。
   至らぬことだらけですのに、
   くるりさんには、
   いつもそうやって、
   ほめていただき恐縮しております。
   でも、おめでた屋のご隠居からは、
   くるりさんにほめていただいたところで、
   大してえらいことにはならない、
   と言われてます。
    
  くるり
   ご隠居にお伝えくださいませ。
   「子供には、間違ったことを吹き込まないでください」
   と。
  
  茶さじ郎
   でも、他の人にほめられた時でも、
   同じことを言われるのですが。
   人様からほめていただくのは、
   その人が心に感じてしてくださること。
   いわばその人の器量であって、
   自分に器量があるからだと勘違いして、
   えらいと思うなって。
   これって、間違ってるんですか?
  
  くるり
   もう一つ、ご隠居にお伝えくださいませ。
   「先ほどの言葉はなかったことにしてくださいませ。
    器量のあるくるりより」
   と。
   でも、ほめてもらえることが、
   相手の器量だけっていうのは、
   ちょっと厳しすぎるような。
   本人の器量があるからこそ、
   ほめられた方も自分の持っている力を認識して、
   励みや自信にも繋げていかれるのだし。

  茶さじ郎
   「自分でも人様のお役にたつことができた。
    これからも頑張ろう」
   という思いですよね。
   でも、ご隠居さんは、
   そういう励みは、
   驕りにも繋がるからよくないと
   おっしゃいますよ。

  くるり
   そこは、気をつければいいこと。   
   だって、茶さじ郎ちゃんも、
   ほめられたら嬉しくて励みになるでしょ。
   
  茶さじ郎
   はい。
   ほめていただいて、
   気分を悪くする人はいません。
  
  くるり
   ほら、ごらんなさい。
   ご隠居さんには、今度言っておいてあげる。

  茶さじ郎
   ですが、ご隠居のおっしゃるとおりだったのです。
   お恥ずかしいことに、
   そうして励みにしていた私の中には、
   気がつかないうちに、
   驕りが生まれていました。
   ただ励みにしてきたつもりでいたのに、
   恐ろしいものです。
   それを気づかせてくれたのが、
   私の下に入った新しい小僧さんでした。
  
  くるり
   へえ、茶さじ郎ちゃんも、
   先輩になったんだ。
    
  茶さじ郎
   でも、私などより、
   その小僧さんはずっとえらいのですよ。
   事情があって、
   店の誰よりも幼い年で店に来て、
   異郷の地の他人の中で、
   奉公に励んでいるのです。  
   私など、たまにしか帰れなくても、
   実家は一応すぐ近くだし、
   道で親に出会うこともあります。
   おめでた屋も、生まれた時から馴染んできた店です。
   奉公に出てるといっても、
   店で働く誰よりも恵まれた環境です。
   そんなに条件が揃っていても、
   情けないことに、
   奉公にあがった当初は、
   家に帰りたかったし、
   仕事の厳しさも大変でした。
   それを思うと
   どれだけ心細い思いをしているかと思うのです。
    
  くるり    
   そういう話は泣けてくる。
  
  茶さじ郎 
   でも、その小僧さん、
   頑張りやさんで、
   小さいながらに一生懸命やってます。
   ただ、夜になるとやはり寂しいようで、
   布団の中で泣いているんです。
   しかも、皆を起こさないように、
   声を押し殺して泣いているものですから、
   私も声をかけてあげていいものやらどうやら…。
   そんな気を使わなくてもいいのに、と思います。
   
  くるり
   そんな話を聞かされたら、
   ますます泣けるじゃないの…なんてけなげな…
   うっ、うっ、わーん!!!わーん!!!
  
  茶さじ郎
   くるりさんの場合は、もっと気を使ってほしいと思います。
   ちょっとうるさすぎるんですが。
   幼くして、そんな気遣いをする小僧さんですから、
   番頭さんやお客さんにほめていただく機会も多いです。

  くるり
   おめでた屋の小僧って、
   できた子ばかりなのね。
   でもわかった。
   そこで、茶さじ郎ちゃんとしては、
   妬みが生まれて、
   つい後輩いじめをしてしまったと。
    
  茶さじ郎
   人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。   
   兄弟のいない私は、
   弟みたいに思ってるのですから、
   いじめるわけがないでしょう。
   ただ、その小僧さんがほめられることが増えてくると、
   心が波立つようになってきたのは確かなんです。
   小さいからよけいほめていただけるのだ、
   などと考えている自分に気がついた時には、
   ぞっとしました。
   頭では、彼のほうがえらいと思っているのにですよ。
   そこで初めて自分の中に、
   自分がほめられて当たり前という意識、
   自分は人より優秀な子供という驕りが生まれていることに
   気がついたのです。
    
  くるり
   なんだか、小僧は小僧でも、
   お寺の小僧さんと話している気分になってきた。
  
  茶さじ郎
   それをご隠居は見抜いていたのですね。  
   「自分の中の驕りに気がついたか」と言われました。
   そして、
   驕りが生まれてしまったのは、
   先ほどの考え方、
   つまり、自分の力を認識して励みにしていたからだ
   とおっしゃいました。
   
  くるり
   だったら、どうせよと言うの?
   
  茶さじ郎
   励みに変えるなら、
   喜びそのものからではなく、
   その喜びをいただいたことに感謝する気持ちから、
   励みにしなさいということです。
   ほめていただいて、
   気分を悪くする人がいないのは、
   嬉しくさせてもらったからですね。
   そのことへの感謝です。
   
  くるり
   でも嬉しくさせてもらえたのは、
   自分がその人にしてあげたことに対する
   お礼みたいなものでしょ?
   それに対してまた感謝せよと?
   
  茶さじ郎
   自分のしたことが自分の器量なら、
   それに感じ入ってくれたのは相手の器量。
   お礼みたいなものを求めるというなら、
   そうして器量で応えていただいたことが、
   お礼ではないですか。
   それで済んでいるのに、
   さらに、ほめていただくという、
   こちらの励みになる力をいただくのですから、
   感謝を示すのは当然です。
   でも、くるりさんの器量って、
   案外小さいんですね。
   ご隠居が、
   ほめてもらっても大したことないというのは、
   そっちの意味だったのかなあ。
  
  くるり
   違いますから。
   
  茶さじ郎
   喜びを励みにすると、   
   自分の中の喜びを求めることになります。
   ここにも驕りを生む危険が生じます。
   一方、
   喜びをいただいた感謝の気持ちを励みにしたときは、
   その思いは、
   ほめていただいた人、
   そういう人に出会えたこと、
   など、外に向いて広がっていきます。
   だから、驕りが生まれる余地がありません。 
   
  くるり 
   感謝の気持ちなら、還元するという意識も高まる。
  
  茶さじ郎   
   また、生まれる自信の質も違います。

  くるり
   自信の質なら、
   自分の力を認識するほうが、
   効果あるでしょう。

  茶さじ郎
   ですが、それだと機会が増えるほど、
   驕りも出やすくなるし、
   また、驕りが出てしまったら効果はなくなってしまいます。

  くるり
   それも裏返せば、それだけ自信がつけられる証拠だよ。

  茶さじ郎 
   でも、感謝から生まれた励みでは、
   もっと上等の自信がつくのです。

  くるり
   そうかなあ。

  茶さじ郎  
   感謝することは、
   心が豊かになることです。
   その豊かな心で持つ自信ですから、
   驕りになりえません。  
   しかも、機会が増えるほど、
   感謝の泉は枯れにくくなり、
   心はさらに豊かになります。
   そうすると、
   ますます驕りから離れていくことになります。

  くるり 
   ほめられればほめられるほど、
   良くなる。
      
  茶さじ郎
   それに、まだいいことがあります。
   感謝から励みに変えるということは、
   ほめる側の器量も十二分に生かされます。

  くるり
   茶さじ郎ちゃんをほめる私の器量も?

  茶さじ郎
   もちろんです。
   私が、くるりさんからほめていただき、
   それをどういう形であれ、励みにしている分には、
   くるりさんも嬉しく思ってくださるでしょう。
   でも、そこから驕りを生んでしまったとなれば、
   せっかくほめてくださったくるりさんの器量をも無にし、
   恩を仇にしてしまうことになります。

  くるり
   それは困る。
     
  茶さじ郎
   そうですよね。
   私が感謝から励みにすれば、
   くるりさんにとっても、
   仇にされる心配はない上に、
   より強く感謝されることになるのです。
   
  くるり
   より感謝してもらえるなら、
   そっちのほうがいいわ。

  茶さじ郎
   どこで納得してるんですか。
   それと、ご隠居さん曰く、
   ほめられる側の器量をいうなら、
   立派な行為ができたことより、
   ほめられたことを、
   そういう形で生かせるか否かに、
   真の器量があると思いなさいとのことです。

  くるり
   はい、わかりました。     
   新しい小僧さんにも、
   驕りが出る前に教えとけば?
      
  茶さじ郎
   その小僧さんは、
   教えられなくても自然にやっています。
   人間、苦労するほど磨かれるというのは、
   本当ですね。
   そこも、完全に私のほうが劣っていたのに、
   もうお恥ずかしい限りです。
   くるりさんはじめ、ほめていただいた方たちの器量をも仇にし、
   申し訳ないことをいたしました。
   
  くるり
   私も仇にしないように気をつけよう。
   もっとも、ほめてもらえることがあまりない。
        
  茶さじ郎
   そう思って、 
   お詫びに私が、いつもほめていただくくるりさんを、
   ほめてさしあげたいと思いました。

  くるり
   「そう思って」は余分です。

  茶さじ郎
   すみません。
   馬鹿正直なところに、
   機微というものがよくわからないもので。
   こうした子供の部分もたくさんあるのに、
   本当に驕ってました。
   よくよく反省しなくては。

  くるり
   反省はいいから、
   早くほめて。  

  茶さじ郎
   そんなに誰にもほめてもらえないんですか。
   でも、すみません。
   そういう私も、
   思ったよりむずかしくて…。
   私をほめてくださることを、
   私がほめたらわざとらしくなってしまいます。 
   でも、それをはずしたら、
   後には、何も浮かんでこないのです。
   私には、人をほめる器量すらないのかと、
   がっかりして、ご隠居に相談してみたら、
   「おまえが、くるりをほめるには、
    十年早い」
   と言われました。

  くるり
   あら、ご隠居ったら、照れるじゃないの。

  茶さじ郎
   くるりさん、お願いですから、
   気持ち悪い顔しないでください。
   それから、こう教えてくれました。
   「くるりをほめるには器量というより、
    勇気が必要になる。
    だから、まだおまえにはちょっと無理だ。」と。
   ですから、もっと勇気が持てるようになったら、
   きっとほめてさしあげたいと…
   あのー、くるりさん。
   今度は顔が怖いです。
   ただでさえ迫力ある顔なのに、
   そんな変な顔ばかり見せられたら、
   うなされて、私も夜泣いてしまう…。
  
               
 


 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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