あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義
やる気を流し込みたい時向き編 
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あっぱれ長屋のプラス話 第22号
〜 不可能を可能にする１０割の法則 〜
2004. 4.30
くるり
みなさん、こんにちは。
ＧＷに入りましたが、いかがお過ごしですか。
忘れた頃に届く隔週発刊のメルマガなのに、今回はもう来たの？
と思われました？
だって、世の中、新幹線も飛行機も旅行客でいっぱいだというのに、
私はどこへも行かれないんですもん。
つまらん、つまらんとわめいていたら、
発行人のいろはさんが、じゃあＧＷ特別号を出すかってことになって、
今回お届けすることになりました。
天之太助
くるり、ぐだぐだ言ってないで、
「今日のあっぱれ長屋の住人は、浪人の親又天之太助、通称天さんです」
っていう、いつもの最初の紹介、あれを早くしてくれ。
くるり
です。
天之太助
はしょるな。
くるり
天さんも、だいぶ庶民化して、せっかちになってきたもんだ。
天之太助
江戸っ子は短気でせっかちだけど、
でも、２１世紀人は、もっと短気でせっかちだと思うがな。
まあ、そうなってしまうのも無理ないけどな。
くるり
どうして？
天之太助
まず、我々の時代は、京へ行くのに半月くらいかかる。
行って帰るだけでもひと月位は、みておかなくてはならない。
くるり
今は江戸から京なんて、日帰りも可能だもんね。
でも、半月かかってたことが一刻ちょっとでできるって便利でしょ。
天之太助
確かに、それで効率は良くなったが、
その速さに人間も合わせないといけなくなってしまうんだな。
だから世の中が便利で速くなるほど、人間もせかせかして
余裕がなくなってくる。
江戸だったら、それ相当の日数がかかるという心積もりで、
の〜んびり構えていられるが、２１世紀ではそんなことはしていられない。
くるり
時間をかけないのが、当たり前の時代だからね。
で、どんどんせっかちになって、疲れ果てて短気になって、
いらいらしたり切れたりしてるのが現代人か。
江戸っ子の短気でせっかちとは、えらい違うね。
天之太助
しかしな、京までの時間にもびっくりだが、
空を巨大な物体が何百人も人を乗せて飛んでいたり、
どんなに遠く離れていても、顔をみて話ができたり、
江戸では絶対にありえなかったことが、
２１世紀には当たり前になっているんだもんな。
拙者はつくづく思ったよ。
世の中に不可能なことは、本当はなにひとつないんだなって。
くるり
いやいや、何をおっしゃいますの。
まだまだ、不可能なことはたくさんござーますわよ。
天之太助
いんにゃ！
くるり
「いんにゃ」って、
天さん、江戸育ちでしょ。
天之太助
すまんすまん。
参勤交代でやってきたどこかの勤番武士が使ってたのを小耳にはさんで、
気にいっちゃったら、うつってしまった。
くるり
まったく、すぐ影響受けてうつっちゃうんだから。
不可能なことはないと言えば、前にもへじさんが、
「できない」は正確にいうと、
「（今までの経験や知識から考えて）たぶんできないだろう」
ということにすぎないんだって、言ってたね。
天之太助
そうそう。
せっかちになった人間は、可能性が少ないと、
可能性はないと早とちりしてしまうんだな。
くるり
でも、可能性が少ないものに、
貴重な時間をかけてらんないよ。
天之太助
だから、せっかちなんだ。
いいか。
不可能と言われていたことを、あせらずこつこつと可能にしてきたから、
今の２１世紀の暮らしがあるのだぞ。
それが人類の歴史なんだ。
そして、人類の歴史は人生の集まりだ。
だから、人生も不可能を可能にしていくものなんだよ。
くるり
でも、それをやりとげるのは、特別な人だけだよ。
天之太助
特別な人だからやりとげられるのではなくて、
そういう人たちは、やりとげられる方法を知ってるからできるの。
それを知りたいか？
くるり
知りたーい。
天之太助
まず、「できる」の判断基準を確率で言うとな、
可能性が９〜１０割で「できる」
７〜８割で「たぶんできる」
５〜６割で「なんともいえない」
３〜４割で「たぶんできない」
１〜２割で「できない」
とされる。
くるり
いんにゃ！
天之太助
うつってる。
くるり
私なら５割以下で「できない」だよ。
天之太助
そりゃ、あきらめ早すぎだ。
でも、確かに人によって基準は違うかもしれない。
だが、どう区分するかは関係ないんだ。
要は、それを「できる」の確率に引き上げてしまえばいいんだ。
くるり
簡単におっしゃいますけど、
それができれば、苦労しないよ。
天之太助
そんなのは簡単だ。
可能性が何割だろうと、
最初から可能性の部分しか見てなければ、
可能性はいつも１０割。
くるり
なんか、詐欺にあったみたいな気がする…。
天之太助
そうか？
だってくるり、もし好きになった人と一緒になりたーい思ったら、
可能性が低くても、その部分に目が行ってしまうんじゃないの？
くるり
うん！
それなら、虫眼鏡で探さないといけないような可能性でも、
そこに目がいくねえ。
天之太助
要は焦点のあわせ方だ。
その焦点をきゅっと絞るのが熱意なんだな。
くるり
でもね、たとえ最初は焦点が合っても、うまくいかないと
その熱意を持続させられないじゃない。
天之太助
では、焦点が絞りきれずに、広がってしまったとしよう。
その状態では、可能性以外の部分が見えてきてしまう。
そうなると、人間弱気になって、やっぱり無理かもって思ってしまうな。
でも、可能性のお宝をみつける人はそこで見方を変えることができる。
くるり
また。詐欺みたいな論理？
天之太助
「失敗は成功のもと」ってやつよ。
失敗を成功とは別物として見ないで、
成功の一部分として見る。
そうすれば、できない部分が多くても、いつでも可能性は１０割。
くるり
そう考えれば、いくら失敗してもこれは成功の一部だということで、
めげないわけだ。
天之太助
不可能だと言われていることを実現する人というのは、
必ずこれらの方法をとっているんだよ。
くるり
でも、やっぱり大変そうだし、私にはできないな。
天之太助
そういうものにこそ、大きなお宝が隠れているんだぞ。
くるりだって、不可能だと思っていた人と一緒になれたらいいとは思わぬか。
くるり
おっし！やるぞ！
天之太助
けど、恋愛の場合は相手あってのことだから、
くるり一人の頑張りではどうにもならないこともあるかもな。
くるり
持ち上げといて、落とすかい。
天之太助
でも、可能性がまるでないということもありえんのだから、
何もしないであきらめることもあるまい。
くるり
いったい、どうすりゃいいの。
天之太助
前におはぎさんが言ってたろう。
迷ったら、どっちが後悔しないかで決めるって。
くるり
そうだったね、うーん…。
だめだ。よく考えたら、やっぱり今すぐにはできない。
天之太助
それで、後悔しないのか？
今できないと言ってたら、いつするんだ！
考えすぎは良くない。
いいか、確率は関係ないんだぞ。
要は、不可能部分と可能部分のどちらをとるかに過ぎないんだ。
くるり
そうじゃないよ。
よーく考えたら、今はそう思えるような好きな人がいなかったんだよ。
天之太助
もっと早く気がつけ。
くるり
まあまあ、そんなせっかちなことおっしゃらずに。
天之太助
せっかちなのは、どっちだよ。
（発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。）
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