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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

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               あっぱれ長屋のプラス話 第27号

                〜ただものではない人になる秘訣〜      
                                   2004. 7. 9




  くるり
   今日のお江戸あっぱれ長屋のお客さまは、
   大工のたて太郎さんです。
  
  たて太郎
   ちは!今日は、おいら、お話を一つするよ。
  
  くるり
   どーぞ。
  
  たて太郎
   「あるところに毎日、道を掃除している人がいました。
   まわりの人たちは、つくづく感心してましたが、
   本人にしてみればそれが自然と日課になっていて、
   別になんでもないことでした。」
  
  くるり
   まあ、奇特な人。
   そこを通るときは、
   感謝の気持ちで汚すのはやめようと思っちゃうね。
  
  たて太郎
   「もう一人、同じように毎日掃除している人がいました。
   でも、その人は誰も道を掃除しないから、
   仕方なくやってんだよって思いながらやっていました。
   そもそもその人に、そんな義務はないのです。
   勝手にやって勝手に誰もやってくれないって怒ってるので、
   周りの人は、だったらやめればいいと言いました。
   でも、やめると道が汚い。
   その人にとってそれは気になって仕方ありません。
   そこでまたむかつきながら掃除していました。」
  
  くるり
   変な奴だね。
   そこを通るときは、気を使いそうだよ。
   だけど、天下の公道をなんで気を使って
   通らなくちゃいけないのよ。
   よーし、ここにわざとごみを捨てていってやる。
  
  たて太郎
   おめえもやな性格だね。
 
  くるり
   たとえばの話よ。
 
  たて太郎
   ともかく、この二人は毎日無償奉仕で、
   道を掃除していることには変わりねえ。
   でも前者は感謝され、後者は反感をかう。
  
  くるり
   やっぱり、やるなら素直な気持ちでやらなくてはね。 
  
  たて太郎
   「あるとき、殿さまが、毎日掃除しているこの二人の話を聞いて、
   ご褒美をくれることになりました。
   ところが、好きでやってた人は、困ってしまいました。
   自分はただやりたいからやっていただけなのに」
  
  くるり
   そういうときは、素直にもらっときゃいいの。
   もう一人は?
  
  たて太郎
   「むかつきながらもやっててよかったな。
   これで私の苦労が報われた。
   これからは、もっと素直な心でやれる。」
  
  くるり
   なんだ、いい人になったんだ。
  
  たて太郎
   この人だって、根は悪い人じゃないから、
   続けられたんだよ。
   いわば、そういう部分に対する褒美かもしれねえな。
  
  くるり
   好きでやってた人は、別にいいことをしている意識はないから、
   褒美にとまどい、
   やらされてると思ってる人は、褒美で報われたんだね。
   わかった、その辺を上手に見極めときゃあ、人の扱い方が、
   うまくなるって話だね。
  
  たて太郎
   そういうことじゃあねえ。
   「二人は褒美をもらいました。
   ところが好きでやってた人は、いい人であるだけに、
   好きでやってただけなのにと、申し訳なく思えて仕方ありません。
   こんなことはじめなければ、褒美なんてこともなかったしと、
   だんだん道を掃除するのが負担になってきました。
   でも、褒美をもらった以上は、やめるわけにもいきません。
   そうして、鬱々とした心で掃除するようになりました。」
  
  くるり
   どうしたら、そういう発想に行くかなあ。
  
  たて太郎
   「逆に、一方の人は、認められたと励みができて、
   張り切って掃除するようになりました。」
  
  くるり
   その先が、わかった。
   「それを見た周りの人は、こう思いました。
   あの人は褒美をもらったとたん、いい加減に掃除してるよ。
   褒美が目当てでやってたんだね。
   それに引き換え、嫌々やってるように見えた人は、本当はいい人だったんだ。
   今度は、偽善者のほうへごみを捨てよう。」
  
  たて太郎
   おめえこそ、どうしたら、そういう発想にいくんだ?
  
  くるり
   たとえばの話よ。
   じゃあ、最初から好きでやってた人には
   褒美をあげなければよかったじゃない。
  
  たて太郎
   でも、一人にはあげて一人にはあげねえなんてことしたら、
   殿さまの人気が落ちる。
  
  くるり
   殿さまは人気取りのために、褒美を出すんかい。
   でも、一人には害になり、一人には益になった。 
   差し引きゼロだから、いいのか。
  
  たて太郎
   おめえの発想は本当にわからねーよ。
  
  くるり
   じゃあ、二人のためにはどうしたら良かったの?
  
  たて太郎
   褒美ってのはな、あくまで殿様側から見た感謝の表し方なんだよ。
   それでは褒美を出して終わりだ。
   
  くるり
   でも、殿様からの褒美ってのは、殿様にしかできないことなんだから、
   ふつうとは違う価値があるでしょ。
  
  たて太郎
   褒美をくれる殿様なんて、話のわかる殿様だ。
   でも、気持ちは正反対かもしれねえが、二人は褒美目当てでしてたのでは
   ないことだけは確かなんだぜ。
   だから、好きでやってた人はとまどったし、
   不満を抱えながら掃除してた人も、
   褒美をもらった当初は張り切れるが、
   時間がたつうちに、また同じ不満はわいてくる。
  
  くるり
   じゃあ、殿様は褒美の出し損?
   
  たて太郎
   もし、殿様が二人の目線で考えていたら、
   殿様ならではのもう一つの感謝の表し方があることに気がつくんだな。
   二人がいつまでも素直に喜べる方法が。
   
  くるり
   どんな方法?
  
  たて太郎
   それはな、一日でもいいから、掃除を手伝ってあげることだよ。
  
  くるり
   ありえない。
   
  たて太郎 
   そこよ。
   そのありえない殿様が手伝ったとなれば、人々の意識も変わる。
   殿様まで感謝してやってるのに、自分たちは知らんふりでいいのだろうか。
   
  くるり
   なるほど、殿様にしかできない方法だ。
   で、みんなが手伝うきっかけになるわけか。
  
  たて太郎
   そうなると、好きでやってる人も素直に嬉しく感じるだろうし、
   嫌々やってる人も不満がなくなる。
   殿様にとっても、感謝の気持ちは表せるし、
   ちょっと器の違う殿様だって領民の人気も上がる。
   しかも、みんなができるときに掃除を手伝うようになれば、
   感謝の連鎖反応もおきる。
   そうしたら、おめえみてえに偽善者だとかなんとか
   勝手なこと言うやつもいねえ。
  
  くるり
   すいません。 
   でも、そうなると今度はあいつが余分なこと始めたから、
   手伝わなきゃならないって思う人が出てくるよ。
   
  たて太郎
   そう思うんだったら、やらなきゃいいだけじゃねえか。
   偽善でする感謝なんか、いらねえんだよ。
   褒美が出たとなったら、今度は褒美目当ての偽善者が
   出てくることもありうるんだ。
  
  くるり
   でも、どうせなら褒美もくれたほうがいいなあ。
  
  たて太郎
   褒美にこだわるなら、下心ありありじゃねえか。 
   感謝の思いを物で表すってのも、
   その人に喜んでもらいたい気持ちの表れには違いねえ。
   だがそれは、自分は感謝のできる人間だから、いいことしたんだみたいな
   自己満足で終わっちまうこともある。
   だから、時として、相手をとまどわせるだけのものに
   なってしまうこともあるんだな。
   
  くるり
   そう考えたら素直に感謝できなくなっちゃうじゃない。
  
  たて太郎
   そりゃ、どんな形にせよ、
   感謝の気持ちを伝えることは、いいことだよ。
   褒美を出すというのも、殿様にしてみりゃ上等の感謝の表し方だ。
   でも、相手の立場に立って考えてみることができれば、
   とおりいっぺんのやり方以外のものも見えてくる。

  くるり
   そうか、なんでもまず相手の側に立って考えてみることで、
   見えない部分が見えてくるんだ。
   それって、感謝以外のことでも、使えるね。

  たて太郎
   そりゃそうさ。
   相手の立場に立つってことは、基本だからな。
   人間関係でも商売でも、とにかくなんでも使えるんだ。
   それを見失ってるから、21世紀はゆがんできてんじゃねーの?
   
  くるり
   でもなんだかこれでは、私と殿さまだけが馬鹿で、
   たて太郎だけがまともな形だよ。
  
  たて太郎
   あたりめえだろ。
   おいらは、本当はこういう思慮深い男なんよ。
   ただ、おめえの立場になって、おめえの馬鹿が目立たないように
   合わせてやってるだけ。
   感謝してくれ。
  
  くるり
   それじゃあ、その感謝の気持を相手の気持になって表すとするか。
   うーんと、バカをカバうバカの気持ねえ…
  
  たて太郎
   さいなら。

 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)


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