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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 気分がのらない時向き編  





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             あっぱれ長屋のプラス話 第51号   

               〜心はいつでも笑いたい〜           
                                   2005. 7. 20 
   



  くるり 
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   占い師のどう造さんです。
  
  どう造
   こんちは!
   今日はな、客待ちの時間を利用して、
   また話を考えてきたんで、
   それをしようと思う。
  
  くるり
   客待ち時間は、たっぷりあるからね。
 
  どう造
   おめえはいつも、一言余分。いいか、いくぞ。
   ある村に、男が住んでいました。
   男は無愛想で、
   いつも苦虫をかみつぶしたような顔をしていたので、
   村人たちもあまり近寄りませんでした。
   そうなると、男は、村八分にされたような気がして、
   ますますおもしろくありません。
   その日もふてくされて、森の奥の川にやってきました。
   すると、突然一陣の風が吹き、
   男は思わず目をつぶってしまいました。
   風が収まって、男が目をあけると、
   目の前に、不機嫌な怖そうな顔をした、
   嫌な感じの男がいました。
   しかし、そう思ったのは、
   川面に映った自分の顔でした。
   不思議なことに川の流れがとまって、
   静かな湖面のようになっていたのです。
   何がなんだかわからないまま、
   男は自分の顔をまたのぞきこみました。
   すると、川面に移った男が、突然話し出しました。
  
  くるり  
   夏だから怪談?
  
  どう造
   違うって。
   「おまえは、村八分にされたように思ってふてくされてるが、
   今見たような男に、おまえも近寄りたいとは思わないだろう。
   だが、これがお前のいつもの顔だ。」
   それから、川面の男は、
   にこっと笑顔になりました。
   すると、男の顔も笑顔になりました。
   「この笑顔でいれば、村人の態度も変わるし、
   おまえのどんよりした気持ちも晴れるはずだ。」
   男は、その顔を見て言いました。
   「俺のふてくされ顔は、生まれつきも同然だ。
   今さら、こんな顔ができるか!」
   でも、男の顔は、笑顔のままで、
   変えようとしても、戻りません。
   怒ってみても、笑顔では、その気持ちも盛り上がりません。
   何がなんだかわからないまま、
   仕方なく男は笑顔のまま、村に帰りました。
   うってかわって、楽しそうな笑顔になった男に、
   最初はびっくりした村人たちでしたが、
   やがて、みんなも打ち解け、親しく声をかけるようになりました。
   男も、楽しい気分で、毎日を過ごせるようになったので、
   ますます笑顔になることができました。
   やはり笑顔が一番だと、男は思いました。
  
  くるり  
   あのね、笑顔が一番って話は、これまでもあったよ。
   
  どう造
   いや、これだけで、話は終わらない。
   これだけでは、不朽の名作にならないからな。
  
  くるり  
   そんな名作の気配は、みじんも感じられないけど。
 
  どう造
   しかし、男の顔は、いつも笑顔のままでしたから、
   村でお弔いがあったときは、ひんしゅくをかい、
   落ち込んだ人の話を聞いているときは、帰ってくれと言われ、
   道を、笑いながら一人で歩いている姿を見た村人たちの間では、
   ただ、頭がおかしくなっただけだったのでは、
   という噂になりました。
   人々は、また男を避けるようになりました。
  
  くるり 
   ますます、名作から離れていくなあ。  

  どう造  
   男は、また森の中の川にやってきて叫びました。
   「いくら笑顔が一番いいといっても、
   それだけでは困るんだよ。
   俺の顔をもとどおり、感情の出る顔にしてくれよ!」
   と笑顔で怒りながら叫びました。
   するとまた風がさーと吹いて、
   川の流れが止まり、水面が静かになりました。
   そして、怒っている男の顔が水面に映りました。
   水面の男はこういいました。
   「私はおまえの心の顔だ。
   今、おまえは感情の出る顔にしてくれと言った。
   それこそが、私がずっと思っていたことだ。
   私の顔とお前の顔は、本来そうして、
   一致してなければいけない。
   だが、おまえはいつも私を押し込めて、
   違う表情をしてきた。
   これまで出たくても、出してもらえなかった、
   私の怨念が、おまえの顔を笑顔のままにしたのだ〜。」
  
  くるり
   やっぱり怪談かな。
 
  どう造
   水面の男は続けました。
   「心と顔の表情が一致していないというのは、
   本来、まともな状態ではないのだ。
   心もゆがむ、信用もなくす、不都合もおきる、
   心とうらはらの顔の表情が、
   どれほどおかしなことなのか、
   これでわかったろう。」
  
  くるり  
   わかった。

  どう造
   おめえが返事してどうするよ。
   「心の私は長い間笑いたいと思っていた。
   笑って、みんなと楽しくやりたいと思っていた。
   なのに、おまえはくだらない体裁にこだわって、
   いつも仏頂面のままで、
   私をいつも憂鬱な状態にした。
   人間、悲しむべきときも、怒るべきときもある。
   そのときは、心の私も同じだ。
   でも、悲しい顔、怒る顔がずっと続くと、
   心の私も、ずっと悲しみや怒りの中にいなくてはならない。
   だからいいかげん笑顔になって、
   私の笑顔への思いを表してくれたらと、
   ずっと思っていた。
   これからは、心の私の本当の思いを、
   素直に表情に出してくれ。」
  
  くるり 
   でもそれは、男に問題があったことだから、
   男が笑えば済むことだったけど、
   自分自身ではどうにもならないことで、
   憂鬱な気分にさせられてる時は、
   心だって笑いたいって気分にはならないでしょ。

  どう造
   だから、男の心が言ってたろう。
   心はな、暗い感情にずっと漬けられてるのは、
   苦手なわけさ。
   原因がどっちにあろうが、解決してようがしてなかろうが、
   明るい気分を求めてることは、間違いねえ。
   そうだろが。
   暗い状態でも、心を明るく持てってのは、
   そういう心を、まず救い出してやることなんだ。
   そして、それを顔の表情に表してやれば、
   心もさらに元気づく。
   心が元気になれば、勇気も出る。
   勇気が出れば、強くなる。
   強くなれば、事態を打開できるってことよ。

  くるり  
   でも、人間社会は、
   いろいろ心とうらはらの表情に
   しなくてはいけないこともあるし、
   時に、それが潤滑油になったりもするもんで
   むずかしいこともあるよねえ。

  どう造
   だけど、そのために心に負担をかけて、
   自分の中で問題をどんどん大きくしちまうようなら、
   つらいだろ。
   心と顔の表情が違うというのは、
   異常事態だと思え。
   心の表情を素直に顔に表せる人間に、
   悪い奴はいねえ。
   反対に、心の中で何考えてんだかわかんねえ奴に、
   自分の心をさらけだせるか?
  
  くるり    
   でも、あまり心の思いを出しすぎると、
   今度は感情的になるってこともおきるよ。
  
  どう造
   感情的というのは、自分が心にふりまわされちまってる状態。
   感情を表情に素直に表せるというのは、
   自分と心が対等な状態。
   その関係を築くには、普段から、
   心の思いを大切にしてやることだよ。
   無理に押さえ込んでばかりだと、
   心が反乱おこすってわけ。
  
  くるり
   そうすると、風をまきおこしたり、
   川の流れを止めちゃったり、
   超常現象を起こすの?
  
  どう造
   おめえ、本当に起きるかどうか、
   やってみようって思ってるだろ。
   おめえの場合は、すぐ顔に出るもんな。
   だけど、もちろん、そんなことは起きねえよ。
   ただ、心が押し込められた状態なら、
   心の中で風がまきおこり、
   流れも止まるってこと。
   実は、こういうところにまで、
   こだわりをちりばめて考えたのよ。
  
  くるり  
   そう?
   今、思いついたって、顔に出てるけど。
  
  どう造
   ばれたか。
  
  くるり  
   どう造さんも、心の思いがすぐ顔に出て、
   わかりやすいね。
   これくらいわかりやすいと、
   心との葛藤はおきようがないね。
   
  どう造
   だから、楽ちん。
   心の反乱よりもっと深刻になると、
   心が機能しなくなるんだな。
   そうなると、無表情になるんだよ。
   これは、怪談より怖いぜ。
   ところが、21世紀を眺めてみると、
   そういう表情に乏しい奴が多い。
  
  くるり  
   私は大丈夫だね?
  
  どう造
   おめえみたいに、顔の表情をいくらごまかしても、
   ごまかしきれねえやつはいねえよ。
  
  くるり  
   でも、そんな私でも、純情可憐で内気だから、
   恋心だけは、素直に顔に表せなくて、
   押し込めちゃうんだよ。
   だから、なかなか、うまくいかないんだ。
  
  どう造
   いや、それは出しても、
   うまくいかないのは同じだと思うけどな。
  
  くるり  
   またまた〜、そんなご冗談を。
  
  どう造
   と顔は笑っているが、
   心は怒っている。
   顔と心が違う状態は危険だから、
   とっとと帰ろ。

 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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