メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 気分がのらない時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から




 
                あっぱれ長屋のプラス話 第79号   

                〜 人が悪くなれば喧嘩しない 〜       
                                    2007. 2. 15    




  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   大工のたて太郎さんです。
   そういえばね、77号でおなかさんが、
   たて太郎のことをほめてたよ。
    
  たて太郎
   お、何をほめてくれたんだ?
  
  くるり
   道をふさいで歩いている人たちに、
   「ごめんよ、ちょっと通してくんな。」
   って声をかけて、抜けていったって。
  
  たて太郎
   それだけのことで?
  
  くるり
   通れないからっていらいらする前に、
   声をかけて、それを未然に解決し、
   相手にも迷惑かけてるのを、
   さりげなく気づかさせてるって。

  たて太郎
   そんなところを見られていたとはなあ。
   ま、おいらとしては当たり前のことだけどよ。
   
  くるり
   たて太郎でも、
   自然体でやってるって言い方だったけどね。

  たて太郎
   あ、そ。

  くるり
   でも、後から考えたら、
   江戸では、道をふさいで歩くことは、
   非常識なふるまいなんだから、
   そんな人たちが、本当にいたのかなあ?
   って思うんだけど。
   でも、おなかさんが作り話するくらいなら、
   たて太郎がしたことにするわけないしなあとか…。
    
  たて太郎
   何が言いたい?
   確かに、道いっぱいに広がって歩くのは、
   非常識なふるまいだから、
   子供の頃から、厳しく注意される。
   江戸では、自分が歩く道は三分、
   あとの七分は、あけるのが決まり。
   だけど、人通りの少ない道で、
   娘っ子たちが、話に夢中になってついうっかり、
   って時に、おいらがたまたま来ちまったんだなあ。
  
  くるり
   なるほど。
   いらいらして怒鳴らなかったのは、
   相手が娘さんたちだったからだ。
  
  たて太郎
   ちがわい!
  
  くるり
   でも、年頃の娘さんたちなら、
   なお、そんな、はしたないことはしてはならないんじゃないの?
  
  たて太郎
   だから、みんながかわるがわる、
   おいらに詫びてくれたよ。
  
  くるり
   おなかさんって、優しいとこあるなあ。
   その後、たて太郎が鼻の下伸ばしていたことは、 
   黙っててくれたんだね。
  
  たて太郎
   そんなことになってねえから、言わなかっただけに
   決まってるだろ!
   だいたい、今日はそんな話をしに来たんじゃねえや。
   
  くるり
   わ、赤くなってる!
   で、なんの話をしに来たの?
  
  たて太郎
   忘れちまったじゃねえか!
  
  くるり
   じゃこの話続けよっと。
   だって、もし相手が娘さんたちじゃなかったら、
   たて太郎なら、
   「邪魔じゃねえか、どきやがれ!
   この常識知らずが!」
   と言うと思うんだよね。
  
  たて太郎
   昔の喧嘩っ早いおいらなら、
   そう言っちまったかもしんねえ。
   短気なのは、おめえと一緒だ。
  
  くるり
   一言余分なのも一緒みたいだ。
  
  たて太郎
   だが、喧嘩は、
   勝っても負けても、
   不愉快な重い気持ちを抱え込むことになる。
   なぜなら、喧嘩ってのは、
   一方が発した嫌な気を、
   もう片方が受け取ってくれるから成立するもんだ。
   つまり、喧嘩をするということは、
   腹の立つ相手とお手々つないで、
   一緒に嫌な気持ちを共有して増幅させる行為だ。
   対立しているようで、
   実は運命共同体になっている。
  
  くるり
   だから、喧嘩するほど仲がいいって言うのかもね。
   でも、良くそこまで悟ったね。
  
  たて太郎
   って、ご隠居に叱られたんだ。
  
  くるり
   なんだ、ご隠居の受け売りか。
  
  たて太郎
   お、ご隠居で、今日話そうとしてたことを思い出した。
   前号で、ご隠居が、
   人を仏の化身と敬って、自分のできることをしてたら、
   自分が仏と呼ばれるようになってた、
   という話をしたそうだな。
  
  くるり
   そうだよ。
  
  たて太郎
   おいらの場合は、
   人を悪くして、さらに自分の気持ちのことしか考えないようにしたら、
   幸せになったという話をしようと思ったんだ。
  
  くるり
   それのどこが、いい話なんだってば。
  
  たて太郎
   まあ、黙って最後まで聞けって。
   要は、その喧嘩の話なんだけどな、
   喧嘩をして、ご隠居にさっきのことを言われたとき、
   おいらはこう思った。
   そうか、自分の貴重な時間で、
   喧嘩を買ってやって、
   わざわざ、相手の不愉快な気分につきあうばかりか、
   自分もその不愉快な気分の渦中に入ってやる。
   つまりおいらは人が良すぎるんだ!
  
  くるり
   どういう思考回路してるんだろ。
  
  たて太郎
   そこで、おいらは人がいいのも、
   ほどほどにすることにした。
   それに、売るにせよ、買うにせよ、
   喧嘩して、嬉しい楽しいなんて気分にはならねえ。
   たとえ勝って、一時的にはすっきりしたとしても、
   それはまた必ず、嫌な気持ち、不愉快な思いに変わる。
   そこでおいらは、自分の気持ちのことしか考えねえことにした。
   つまり、自分が不愉快な思いになるようなことには、
   一切かかわらねえ。
   
  くるり
   へえ、それで、
   喧嘩を自然と回避できる行動ができるようになったってわけ?
  
  たて太郎 
   あの娘っ子らの時だって、
   もしおいらがいらいらして怒鳴ったら、
   自分が悪いことを棚にあげ、
   反感が生まれ、反省が消えてしまうってこともある。
  
  くるり
   とかなんとか言ってるけど、
   本当は娘さんたちには、嫌われたくないんでしょ。
   ナアニアイツチョームカツクキモイウザイ…
   今なら、こうなる。
  
  たて太郎
   そんな、わけのわからねえ呪文言うのか。
   おめえらのほうが、古風だね。
   いいか、悪い波長は悪い波長を呼び覚まし、
   いい波長はいい波長を呼び覚ます。
   おいらが、いい波長を出したから、
   相手もいい波長で受け取ることができた。
   人間どうしって、そういうもんだ。
   気の波長が合えば、
   良くも悪くも、それが増幅する。
  
  くるり
   その、娘さんたちとの波長が、
   もっと増幅してくれたらよかったね。
   
  たて太郎
   そうなんだよ、
   って、そんなことはどうでもいいの!
   あのな、病気だったら、
   うつされまいと思っても、
   うつることがある。
   でも、悪い気は流行り病とは違う。
   うつされたら困ると思えば、
   受け取らなければうつらねえもんなんだ。
   自分が不愉快になりたくないための行動が、
   人も不愉快にさせない行動になって、
   いい結果を呼び寄せる。
   
  くるり
   穏やかな気分でいられるということが、
   自分にとって、一番大切なことだもんね。
   でも、相手がその娘さんたちみたいな人だったらいいけど、
   もし、自分の悪いことを棚にあげて、
   不愉快な態度をしてくる人だったら?
   それでも、受け取らないことができる?
  
  たて太郎
   波長を合わせなければ、受け取ろうったって、
   受け取れねえ。
   それに、いい気と悪い気では、
   いい気のほうが強いんだ。
   ただ、問題なのは、悪い気はうつりやすく、
   いい気は、うつるのに時間がかかるってことだ。
   だからこそ、いい気を出し続けることが、大切なんだ。
  
  くるり
   そこなんだよ。
   そこで、ついのせられて、なにを!ってことに
   なってしまうんだ。
  
  たて太郎
   おめえ、ひょっとして、
   おいらより喧嘩っぱやいんじゃねえの?
  
  くるり
   人がいいって、言ってくれませんこと?
  
  たて太郎
   そういうときは、おいらはこう考える。
   今は非が向こうにあるのに、
   おいらが同じようにしたら、
   おいらにも非ができる。
   せっかく優位だったのが、同等になっちまう。
   そう考えたら、むずかしいことではなくなった。
  
  くるり
   それって、どうよ。
   ちっとも立派な考え方じゃないよ。
  
  たて太郎
   いいじゃねえか。
   そりゃ、聖人君子みてえに立派な考え方と人間ができたうえで、
   喧嘩をしねえようになれれば、
   それにこしたことはねえ。
   でも、そこから入ろうとしたら、なかなか大変だ。
   おいらはおいらができるやり方で、
   とりあえず、喧嘩をしねえ人間になることができた。
   まず結果を形にして、その自信の積み重ねで、
   後から中を埋めていく場合もありってことだ。
   なんでも、自分の損得で考えてしまうのは、
   人間の悪い性だ。
   でも、うまく利用すれば、役に立つものにもなる。
  
  くるり
   喧嘩することを、
   自己中心の損得で考えたことで、
   たて太郎は喧嘩をやめました。
   
  たて太郎
   とりあえずは、そういうことよ。
     
  くるり
   でも、血の気が多くて喧嘩っぱやいのが、
   江戸っ子って感じだけどなあ。
  
  たて太郎
   江戸っ子の中にだって、
   おいらみたいに、
   いつも穏やかで、静かに笑みをたたえている、
   やさしい好青年というのがいてもいいだろ。
  
  くるり
   一番、遠い人だと思うけど。
  
  たて太郎
   何とでも言え。
   とにかくおいらは、
   売られた喧嘩を、
   絶対買わねえ男になれたんだ。
   でも、くるりが相手だと、
   ただでさえ、腹がたってくる顔で、 
   腹のたつことを言うから、
   心して気をつけなければならねえのよ。
   可愛い娘っ子なら、どんなこと言われても、
   大丈夫なんだがな。 
     
  くるり
   もしもし、たて太郎さん、
   あのね…
   買うことをやめたなら、
   売ることもやめんかい!!
       
  たて太郎  
   お、出ました、くるりの短気が!
   でもね、
   くるりが買ってくれなきゃ、売れないのよー。
   だから、まずは買うことだけやめればいいのよー。

  くるり
   的を得ているだけに、何も言えない。  
   よく、わかった。   

  たて太郎
   やったねー。

  くるり
   もう一つ、よくわかったことがある。    
   たて太郎という人間は、もとから充分、
   人が悪い。
      
 
    
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


前←気分がのらない時向き編 気分がのらない時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ