メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 気分がのらない時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から




 
               あっぱれ長屋のプラス話 第97号   

                  〜 目の前の使命 〜       
                                  2008. 3. 2  
   



   くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   浪人天さんの奥さん、おとくさんです。
   ねえ、おとくさん、
   人間って心のままに自由に生きられるのが一番幸せでしょ。
   でも実際は世の中のしがらみに捕まって、
   なかなか思うように生きられない。
   それで人生をつまらなく感じてる人も多いと思う。
  
  とく
   まあ、今日はいきなりどうされました?
   最初からむずかしそうな話題をふってくるなんて。
  
  くるり
   働きたくなければ働かなくていいです。
   お金は必要ない世にしたので、
   趣味として働きたい人だけ働いてください。
   そして心のままに、
   好きなことをして、自由に生きてください。
   そういう世になって、
   みんなが自分のしたいことをして生きられるようになれば、
   究極の幸せな世になるのではないかなあ。
  
  とく
   早い話が、遊んで暮らしたいということですね。
  
  くるり
   なんで見抜かれる。
  
  とく
   もし仮にそういう世の中になったとしましょう。
   でも、稼ぐ必要がなくなったから遊ぼうというのは、
   くるりさんだけではありません。
   遊ぶ人ばかりになったら、どうやって楽しく遊ばせてもらうのですか。
   旅に出ても、まともに泊まれるところがありません。
   食事をしようとしても、お店もなかなかありません。
   くるりさんたちには欠かせない乗物も動きません。
   すべて、趣味や暇つぶしでやってくれる人の気分まかせ。
 
  くるり
   乗り物は、21世紀には、
   自分で動かすことができる乗物もありますから、
   それを活用してなんとかなるでしょう。
  
  とく
   燃料が必要なものは、どうしますか。 
   また、乗り物を作る人も、
   趣味で作る人だけしかいなくなりますから、
   簡単に手に入らなくなりますね。
   壊れてしまったら、
   私達と同じく歩くか、
   馬でも飼うしかないですよ。
   自分で作るとしても、
   材料は自分で調達できるものだけ。
   乗物だけではなく、生活のすべてがそんな調子になるのです。
   働く人のいない社会では、
   気分でやってくれる人だけに頼らざるを得ません。
  
  くるり
   それも困る。
   
  とく
   遊んで楽しく暮らせるというのは、
   そのために働いてくれる人がいてこそ、
   成り立つものです。
   みんなが遊ぶほうだけ選ぶ状態になった社会で、
   まともに楽しむことができますか。
  
  くるり
   楽しむ前に、人間社会そのものが壊れてしまう。
  
  とく
   そうですよ。
   95号のときに、うちのだんな様が、
   三太さんという人の話をしていきましたでしょう。
  
  くるり
   あの話では、
   私も、何か世の中のために貢献できることをしなくては!
   とつくづく思いました。
  
  とく
   ならどうして、
   たった2号で「遊んで暮らしたい」になってるんでしょうね。

  くるり
   えへ!

  とく
   いつかあったように、義母上が薙刀持ってみえるかも。

  くるり
   え!天さんの、あのお母さんが?

  とく
   冗談です。
   でも、これからは、
   毎回、義母上にいらしていただいたほうがいいかしら。

  くるり
   こ、ここに来られるのは、長屋の住人だけですからね。
   それ以外は掟破りということを、
   絶対に、必ず、心して、どんなことがあってもお忘れなく!
    
  とく
   そんなに念を入れなくても大丈夫です。
   安心なさい。
   ともかく、三太さんのように、     
   人が他の人のために行動する姿は美しいものですよね。
   なぜなら、それが本来の人間の姿だからです。
   いわば、みんなで輪になって、
   背中を流し合ってる形が人間社会なのです。
    
  くるり
   前号でおなかさんが話してくれた、
   回る法則がここにもあるんだ。
  
  とく
   そのとおりです。
   人様のために動き、
   人様からもお世話を受ける。
   そうやって助け合って成り立っているのが、
   人間社会です。
  
  くるり
   みんなで努力し、みんなで楽しむ。
   世の中は、持ちつ持たれつ、お互い様。
   三太さんが親方から言われた、
   「恩返しは世の中に」
   ということでもあるよね。
   とはいえ、私は世の中に恩返しできるほどのことは、
   何もできません。
  
  とく
   そんなことはないですよ。
   今まで、くるりさんがしてきた仕事だって、
   社会に貢献していることに変わりありません。
  
  くるり
   それもあって、働くことが必要なの?
  
  とく
   別に働くことばかりではありません。
   この場合の仕事とは、
   自分がやらなくてはいけない物事すべてです。
   お金につながるものかどうかとは、
   別次元の話です。
   たとえ、家事や勉学など、
   家族や自分のためのことであっても、
   それはまわりまわって、社会貢献になっていくものです。
   だから、きちんと目の前の仕事をこなしていくことが、
   お役目を果たして社会に貢献していることになるのです。
   自分がやらなくてはならないものは、
   自分以外の誰もできないものだからこそ、
   自分がやるようになる状態で来るのです。

  くるり   
   ということは、自分がやらねばならない事を、
   嫌々やる、
   いいかげんにやる、
   文句言いながらやる、というのは、
   誰かに背中を洗ってもらってるのに、
   前の人の背中をきちんと洗っていないようなものなんだ。

  とく
   そうです。
   権利ばかり主張して、
   義務を果たしてないということです。

  くるり
   じゃあ、義務も果たさない代わりに、
   権利もいらないという場合は?  
   今は、自分は背中を洗ってもらわなくても結構だから、
   前の人の背中も洗わない、
   って人も、けっこういるけど。
    
  とく
   ふっ!笑止千万!
   そんなのは、ごまかし、言い訳です。
   おろかものめが。
   
  くるり
   お、おとくさん、
   その言い方、天さんのお母上みたいだから、
   やめてくださいって。
    
  とく
   あら、ごめんなさい。
   知らず知らずのうちに、影響を受けてるのかしら。 
   いいですか。
   生まれてきた以上は、
   人の世話にならないで生まれ育つことは、
   ありえません。
   
  くるり
   つまり、人間である以上、
   背中洗いの輪からは、はずれられない。
  
  とく
   そうです。
   人間という字そのものが、表わしてるじゃないですか。
   人に間という字がつく。
   間は、一人じゃ作れません。  
   江戸では、「じんかん」と読ませます。
   それはまた、世間そのものをさす言葉でもあります。
   まさに背中洗いの輪ですよ。
   人と人があって、初めて人間になれる。
   ですから、人は一人では人間になれないのです。
    
  くるり
   やりたくないなあと思うときは、
   役に立つことをしてると思うことだね。
   しかも、これは自分にしかできないこと、
   いや、むしろ自分しかやってはいけないことなんだと。
 
  とく
   そうすると使命感が出てきますでしょ。
   世に多大な貢献をすることは偉業を果たすことであって、
   それはなかなか大変かもしれませんけれど、
   使命を果たすことは、人間の基本ですから、
   誰でもできることです。
   それでもどうしても、できないのなら、
   洗える背中を見つけることです。
   重要なのは、
   ともかく輪を断ち切らないで、
   誰かのために背中を洗うこと。
   だから、自分が洗えそうな背中を見つけて、
   場所変えすることまでは禁じられていません。
   人に洗ってもらいながら、
   自分は洗ってないことが問題なのです。
   
  くるり
   じゃあ、嫌なら気軽に場所変えしてもいいんだ。
   
  とく
   くるりさんには、一言、言っときましょう。
   前の人の背中を洗う行為、つまり社会への貢献は、
   自分ができることでしかできないからこそ、
   場所変えも許されるのです。
   でもそれは、
   「したくてもできないもの」という場合であって、
   「できるけどしたくないもの」とは違います。
   そこだけは、ゆめゆめ勘違いしてはなりませぬ!
 
  くるり
   また天さんの母上みたいな言い方する。
   おとくさんも、
   元は武家の娘だから仕方ないけど、
   そういう言葉を聞くと、
   天さんの母上が来たんじゃないかって、
   びくびくするから、やめてください。  
 
  とく
   あら、本当に私、お義母様の影響を受けてるみたいね。
   町人となった私の目指すのは、べらんめえ調なのに。
    
  くるり
   いや、そこまで目指さなくてもいいとは思いますが、
   天さんの母上はもっと目指さなくていいと思います。
   
  とく
   江戸では、武家言葉と町人が語る江戸弁、
   ここへ来ると、
   江戸人らしさは残しながらも、
   21世紀風の言葉使い、
   しかも、21世紀の日本語には、
   異国の言葉も入ってくるから、
   それも覚えなくてはならないとあって、
   混乱してるようね。
   それにしても、
   くるりさんは、なかなか馬鹿から抜けられませんね。
  
  くるり
   薙刀こそないけど、
   おとくさんも、
   いきなり、強烈に来るもんだ。

  とく
   あ、間違えました。
   馬と鹿ではなくて、
   虎と馬でした。
   義母上に薙刀で追い掛け回された時の、
   「とらうま」から抜けられませんね。
     
  くるり
   おとくさん、混乱が増すようですから、
   異国の言葉までは、目指さなくていいでしょう。
  
  とく
   大丈夫です。
   今のは、くるりさんの顔を見ていたから、
   つい間違えただけですもの。
   
  くるり
   誰ぞおらぬか。
   私にも薙刀を持って参れ。  
         



     
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)



前←気分がのらない時向き編 気分がのらない時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ