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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

失恋や希望を失ってる時向き編  





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              あっぱれ長屋のプラス話 第105号   

              〜 失うから得られる、得るから失える 〜       
                                  2008. 10. 7        


  

  くるり
   みなさん、こんにちは…。 
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は…

  ぼた衛門
   なんだ、その陰気くさい声は。
   みなさん、こんにちは!
   おめでた屋の隠居で、大家の棚ぼた衛門です!
   みなさん、くるりには内緒で、
   こっそりお教えしますがね、
   どうやらくるりは、また失恋したみたいですぞ。
   これで、何回目、
   いや、何十回目、いや何百回目かな?
   でも、立ち直りは早いからご心配なく。
   もはや恒例行事みたいなものですから。
  
  くるり
   ご隠居さん、私に内緒のわりには、
   良く聞こえてるんですけど。
   私のまん前で言ってるんですから、
   それも当たり前ですけど。
  
  ぼた衛門
   あ、ほんとだ。
  
  くるり
   ったく、わざとらしいんだから!
  
  ぼた衛門
   ご機嫌も悪いから、
   お金でも損してるようです。
   きっと貢いだのかもしれません。
  
  くるり
   私に、貢ぐほどのお金があるように見えます?
  
  ぼた衛門
   それもそうじゃな。
  
  くるり
   あっさり納得されるのも、なんか複雑だ。
   だけど、なんで私が失恋したって、
   わかるんですか。
  
  ぼた衛門
   くるりが元気のない時は、
   失恋か食べ物がない時、
   ご機嫌の悪い時は、
   お金で損したか、
   食べ物がない時、
   と決まっておる。
  
  くるり
   私は、もてない守銭奴の食いしん坊か。 
  
  ぼた衛門
   わしゃ、そんなひどい言い方はしとらん。
   おまえが自分で言ったんだ。
   知ーらんぞ、知ーらんぞ。
  
  くるり
   だ、だめだ。
   今日はこのじっさまに、立ち向かう元気がない。
  
  ぼた衛門
   なんだ、つまらん。
   まあ、そうしょげるな。  
   誰だって、
   何かを失えば悲しいものじゃ。
   だがな、失うものがあれば、
   必ず代わりに得ているものもある。
   そこに目を向けるのが、元気になれる秘訣じゃ。
  
  くるり
   だけど、今回はどう考えても   
   得たもののほうが少なくて、
   とっかかりがつかめないの。
   
  ぼた衛門
   そんなに得るものが少ない恋なら、
   失ったほうがいいと思うぞ。
  
  くるり
   ま、まあ、理屈ではそうですけど。 
  
  ぼた衛門
   だがな、本来は得るものと失うもの、
   どちらかだけが多くなるということはないんじゃ。
   お金を失うことで、物を手に入れるように、
   何かを失えば、何かを得る、
   何かを得れば、何かを失う、
   それだけのことで、
   その時に、どちらかだけが多くなるということはない。
   
  くるり
   そうかなあ。
   売買だって、
   安く買えたとか、高く買わされたとか、
   必ずしも見合う取引になるとは限らないし。
  
  ぼた衛門
   確かに、値だけで見れば、
   釣り合わない場合もある。
   だが、高い買い物には、
   苦い経験もついてくるから、再びその値で買う失敗はしない。
   逆に、安い買い物では、
   次からそれ以下の価格でないと、喜びが減る。
   目に見えないところで、釣り合いがとれている。
   
  くるり
   目にみえない部分を考慮したとしても、
   公平なものばかりとは、
   思えないけどなあ。
   
  ぼた衛門
   それは、思いの差だ。
   自分が価値を感じられれば、
   たとえ、どんなに高く売りつけられようが、
   なくなったお金を惜しいとは思わない。
   だが、気に入らなかったら、
   どんなに安く買えたとしても、
   払ったお金が惜しくなる。
   思いの差で、
   得たものと失ったもの、
   見ている場所が変わる。
   どちらかだけが多いと感じるのは、
   その差に過ぎぬ。
  
  くるり
   じゃあ、どちらのものが、
   どれだけたくさん見えているかの差だけ?
  
  ぼた衛門
   そうじゃよ。
   わしは元商人じゃから、
   売買を例にしたが、   
   失うことと得ることは、
   いつか易者のどう造が言っていた、
   陰陽の話にも通じることで、
   どちらを見るかというようなもんだ。
    
  くるり
   だけど、商売は、
   出るも入るも同じでは、
   儲けにならないでしょ。
   仕入れた値段に利益をのせて売り、
   得るもののほうが多くなってこそ商売になる。
    
  ぼた衛門
   儲けというのは、支払いの源となるものじゃないか。
   たとえ、手元に残すにしても、
   それは何かあったとき使うため。
   つまり、使うことを前提にしたもの。
   絶対に出さないということなら、
   出さなくてはならない時でも出さないわけだ。
   そうなると、ただのけち。
   だから代わりに、人徳が失われる。
   
  くるり
   けちな人は、お金を失うくらいなら、
   人徳失うくらい、屁でもないって思うよ。

  ぼた衛門
   見えるものしか見ないのは、
   心を殺す哀れでおろかな行為だぞ。
   気がついた時には、心が干からびとるわ。
   だからこそ、見えないものがどれだけ見えるかで、
   心の健康度が変わってくるんだ。
   得たら、それを活かして失うことで、
   新たなものを得る。
   失ったら、それを活かして得ることで、
   新たなものを得る。
   そうやって、人間も商売も、
   大きくなっていけるのじゃ。
   
  くるり
   利益が拡大すれば、
   消費も拡大して景気が良くなるのと一緒だね。
   利益を得ても、
   消費しないで貯め込んだら、
   景気は良くならない。
   もっとも、今の世の中は、  
   利益も消費も縮小方向なんだけど。
   私も同じ…。
  
  ぼた衛門
   あ、ますます暗くなってしまった。  
   あのな、くるり、
   商売をして売れなかったとき、

  くるり
   どうせ、私は売れ残り。

  ぼた衛門
   あ、もっと暗くなってしまった。
   みなさん、一度暗くなると、
   このように、何事も暗く受け取ってしまうものです。
   こういう人間には、ならないようにしましょう。

  くるり
   いい見本になるように、
   もっと暗くなります。
   元気を失って、素直さを得たくるりです。

  ぼた衛門
   どちらも、失っても得てもいない気がするが。        
   あのな、売れなかっ…いや、
   仕入れに払った額を回収できなかった時、
   自分に原因があった、
   と思う商人と、
   お客さんに原因があった
   と思う商人、どちらが成功するかな?
    
  くるり
   もちろん、自分だと思える商人でしょ。
   さっきご隠居が言った、
   「失ったら活かして得る」ことができるもの。
  
  ぼた衛門
   そうだな。
   そこにもう少し付け足すが、
   自分に原因があると思えば、
   自分が動けばいいことになる。
   その時に、動き方を示してくれるのが、
   失ったことで得たものだ。
   だから自然に、得ているものを見ることになる。
   それで、失って得ることに成功しやすくなるんだな。
   逆に相手のせいにしたら
   相手を動かさなくてはならないことになる。
   これは容易なことではない。
   しかも、自分は被害者の側になるから、
   失った部分だけはさらによく見え、
   得たものはますます見えなくなる。
   だから、相手のせいにすると、
   恨みがあるばかりで、
   動けなくなるんじゃ。 
   失恋の時も、同じじゃ。
  
  くるり
   でも、失恋では、自分に原因があったと思ったら、
   逆に自信をなくすか、見当はずれの頑張りをして、
   ますます泥沼にはまることもありそうだよ。  

  ぼた衛門
   それは、失ったものを見ている動き方じゃないか。
   商人だってそんな動き方をしたら、
   どんづまりになるのは一緒じゃ。
   せっかく正しい立ち位置に来ながら、
   得たものが見えないのは、
   思いが、得たものを見る目を曇らせるからだ。 
   そしてなぜ、そんな思いに簡単に邪魔をされるのかといえば、
   失ったままの自分を容認している部分が、
   どこかにあるんだ。
   だから、本当に自分を変えようと思いきれていない。
   
  くるり
   きついなあ。
   でも、得たものに目を向けても、
   傷ついた経験とか、つらい思いとか、
   いらないものばかりだし。
   
  ぼた衛門
   いくら見えても、
   いらないものと思っていれば、
   得たものとして見られるわけがない。
   それは、まだ失ったものに目が向いている証拠。
   失恋するほどいい女になるというのは、
   くるりがいらないと思っているものも、
   得たものとして活かすからじゃ。
   何回失恋しても、
   おまえがいい女にならんのは、ここの違いだ。
  
  くるり
   ご丁寧に、駄目押しありがとうございます。
  
  ぼた衛門
   どういたしまして。
   だいたい他にも、
   新たな可能性とか、人を見る目とか、
   明るいものはいくらでもあるわい。
   とにかく、得たものを活かせるようになれば、
   得ているものが、芋づる式に見えるようになってくる。
  
  くるり
   そうなれば、気分も前向きになれるけどねえ。
       
  ぼた衛門
   失恋に限ったことではないが、 
   失意の中で、感情に流されず、
   自分が得たものは何かを冷静に分析するっていうのは、
   むずかしいかもしれん。
   人間じゃから、悲しいのは仕方ない。
   が、それをひきずってしまう時ほど、
   客観的に考えることで、
   悲しみを忘れる時間を作ることが必要なんじゃ。
   
  くるり
   ご隠居らしい、逆転の発想。
  
  ぼた衛門
   …う〜む。
   いつものくるりなら、
   「さすが、へそまがりのご隠居」
   くらい言いそうなもんだが、
   やはり本調子でないかなあ。
   
  くるり
   そんなところで、判断しないでください。

  ぼた衛門
   ともかく、
   たとえ感情に振り回されて見えない時でも、
   失ったことで見えるようになってるものは必ずあることだけは、
   絶対に忘れるな。
   それだけでも、立ち直りの早さは違うから。 

  くるり
   商売では勘定を残すな、
   別れた時は感情を残すな、だね。
   あー、感情も勘定も残されてしまった私は最悪だ。
  
  ぼた衛門
   え?
   感情はともかく、勘定も残っているって、
   まさか、本当にお金を貢いだのか?
  
  くるり
   貢ぐつもりはなかったんだけど、
   貢いだことになってしまったんだもん。
   なけなしのお金なのに。

  ぼた衛門
   そりゃまた、
   馬鹿なことをしたもんじゃ!
 
  くるり
   本当に馬鹿なことをしてしまった。
   あの時、焼き芋代なんか、貸さなきゃ良かった。
   返してもらいそこなった…。
  
  ぼた衛門 
   みなさん、くるりは十分元気です。
   そして、失恋記録もまだまだ伸びそうです。
   
  
  
  
  
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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