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              あっぱれ長屋のプラス話 第113号   

                 〜 泣いて始まる人生の秘密 〜       
                                    2009. 7. 12
   

  

  くるり
   皆さん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   大工のたて太郎です。
    
  たて太郎
   あのなあ、前から一度言おうと思ってたんだけど、
   なんで、おいらだけ、
   いつも呼び捨てなの? 
   最初だけだぞ。
   たて太郎さんと言ったのは。
    
  くるり
   そういえばそうだね。
   なんで?
    
  たて太郎
   それをおいらが聞いてるの!
   なんだか、ちょっと泣けてくらあ。  
  
  くるり
   泣くことないじゃない。
   それだけ私がたて太郎に、
   親近感を持ってるってことよ、きっと。
  
  たて太郎
   そんなこと言われたら、
   それはそれで泣けてくらあ。

  くるり    
   たて太郎にしては殊勝だこと。

  たて太郎
   がっかりして。

  くるり
   そう来るとは思っていても、腹がたつ。
   だけどね、言霊というのがあるんだから、
   冗談でも簡単に、
   泣けてくるなんて言うもんではないよ。
     
  たて太郎
   なら、言い直そうか。
   そんなこと言われたら、
   おかしくて笑えてくらあ。
    
  くるり
   なお腹がたつ。
    
  たて太郎
   でもな、泣くのは悪いことっていうのは、
   ちょっと違うぞ。
   そもそも人間、
   生まれてきて最初にすることが、
   泣くことじゃねえか。
   泣かねえことには、人生が始まらねえようになっている。 
     
  くるり
   それは、肺に空気を入れて、呼吸を開始するためなんだよ。
   悲しいから泣くわけじゃないもの。
    
  たて太郎
   上っ面しか見てねえな。
   人生の始まりにおいて、体の仕組みが
   そうなっていることを、
   もっとふか〜く考えてみな。
   これから生きていく人生では、
   悲しいことやつらいことで泣くこともあるだろう。
   だが泣くことでおまえの人生が始まったように、
   泣いた時には必ず、新しい何かが始まっている。
   打ちひしがれることなく、
   それを信じて前に進めという、
   ありがてえ神様のはなむけだと思わねえか。
 
  くるり
   今日は、たて太郎さんと呼ぼうかな。
   
  たて太郎
   赤子は、その後も泣くことで、
   必要なものを手に入れ、成長していく。
   それだって、
   泣いてこそ手に入るものがあるのが人生だよ、
   という教えだ。 
      
  くるり
   生まれたとたんに始まる、
   体を成長させる仕組みの中に、
   生きるのに大切な、心のあり方が織り込まれているとはね。
   人生の中で泣く時って、
   終わりの意味だったり、
   何かを失った時のほうが多いと思ってたけど、
   それでいくと、全く逆だと言うことになる?
     
  たて太郎
   そういうこった。   
   泣くことのねえ人生なんてのが、
   ありえねえのは、
   それが必要なことだからだ。 
   でも、ちっとばかし荒療治だから、
   痛みに負けずに乗り切れる秘訣を、
   人生の初めに、教えてくれている。
    
  くるり
   でも、赤ん坊の時のことなんて、みんな忘れてしまうもの。
   だから、なかなか泣くことを前向きには捉えられないんだよ。
      
  たて太郎
   忘れていると思ってるだけで、
   育った以上はその教えは備わっている。
   だから、
   泣くことで始まるもの、手に入るものは、
   きっちりいただけるようにしておかなくては損だぞ。
   悲しみや痛みだけを受け取るなんて、
   大馬鹿者のするこった。
   
  くるり
   でも、できれば避けたい。

  たて太郎
   おめえが避けたいのは、  
   泣くことではなくて、
   心が傷つくことだろ。

  くるり
   そうだよ。
   心が傷つくから泣ける。
   だから、泣くようなことは嫌なんじゃない。

  たて太郎
   その前に、なぜ傷つくと泣くのかわかるか?
   心を癒して治す行為だからだ。
   つまり、笑うことと一緒だ。
   だけど、そういう時に笑えと言っても、
   むずかしいから、泣いて癒す。  

  くるり
   それで、
   嬉しい時や、感動した時にも泣けるんだ。
 
  たて太郎
   傷つくから泣くのであって、
   泣くから心が傷つくわけではねえ。
   まずここを、間違えてはいけねえ。
   一生懸命癒してくれているのに、悪者扱いするな。
   涙は、落ち込ませる敵ではなく、
   助けてくれている味方なんだ。
 
  くるり
   そうとわかれば、安心して泣いていい気がしてきた。
   泣けば泣くほど、早く立ち直れそうな気もする。   
   でも、いつまでも引きずって、
   泣き暮らしてしまうこともあるよ。

  たて太郎
   それはな、泣くことで心を癒す効果が大きいからこそだ。
   居心地が良くて涙から抜け出せなくなるんだ。
   だが、それが嫌で、泣くことを忌み嫌うというのは、
   もっとつらさを増す行為だぞ。
   
  くるり
   たとえ、涙におぼれさせても、
   泣かしたいわけ?
 
  たて太郎
   人聞きの悪い言い方するな。
   おぼれないために、例のはなむけがあるんじゃねえか。
   この涙は、何か別のいいことが始まった印、
   何かいいものが手に入った印。
   すると、とことん涙にひたっても、
   おぼれちまうことはまずなくなる。
   
  くるり
   でも、問題は、
   必ず何かいいことが始まったり、
   いいことを手に入れてるとは限らないと思うんですけど。
    
  たて太郎
   泣く人に悪人はいねえってことを見ても、
   泣くことは、そもそも悪いものとは無縁なんだ。
   
  くるり
   そういえばそうだね。
   むしろ大悪人でも、
   泣く姿を見たら、
   人間らしい心があることを感じられて、いい人に思える。

  たて太郎
   泣くことは心が生きている人間の証だからだ。
   泣くことを嫌って、
   心を苛んでいる感情を、
   うまく吐き出せないと、
   傷も広がって、心が壊れていく。
   そうなれば、もっとつらく苦しい思いを抱えることになる。
   やがて涙も出せなくなるほど、心が干からびた時、
   悪人にもなれてしまうんじゃねえか。
   おいら、悪人になったことがねえから、
   よくわからねえけど。

  くるり
   人は悪いけど。

  たて太郎
   なんか言ったか。
   だから泣けるということは、
   心に回復する力がある証。
   その力を生かせば、必ず手に入れたものに気がつける。
   おいら、これだけは断言する。
   涙は、いいものに結びつく新しい始まりの知らせ。
   だから、つらい時は安心して泣け。
   希望を持って泣け。
   きっとそれを見つけられる。

  くるり   
   激しく泣く赤ん坊ほど、
   丈夫な体の子に育つのと同じで、
   心が傷ついたときに、激しく泣けるほど、
   丈夫な心に育つということかな。

  たて太郎
   泣くことは、
   恥ずべきことでも、忌み嫌うことでも、
   恐れることでもねえんだよ。
   必ずそこには、有意義なものがあるとわかっていれば、
   絶対に前より良くなれる。
    
  くるり
   ということは、
   私に呼び捨てにされて泣いても、
   たて太郎ならこう思えるわけだ。
   『たて太郎は、涙の中から、
    「呼び捨てにされないような人間になろう!」
    という、すばらしい気づきを得たのでありました。
    そうして、くるりさんを恩人とあがめたのであります。
    めでたし、めでたし!』
  
  たて太郎  
   だから、おめえは上っ面しか見てねえって言うんだ。
   おいらが今話しているうちに得た気づきは、もっと深いぞ。
   つまりは、こういうこった。
   『くるりに文句言う前に、
    よく考えてみたら、
    おいらもくるりさんなんて呼んでねえ。
    しかも、呼び捨てどころか、おめえですますことが多い。
    ということはお互い様だ。』

  くるり
   なるほど、深いところに気づいてる。
   そこで反省したわけね。
   よしよし。

  たて太郎
   『いや、ちょっと待てよ。
    もっとよく考えてみると、
    名前さえなかなか呼んでもらえねえほうが、
    もっと情けなくねえか?
    こうして、大笑いの中から気づきを得たたて太郎でしたが、
    自分よりはるかに気の毒なくるりを思うと、
    今度はかわいそうで、美しい涙がとまらないのです。
    どうやらたて太郎は、
    一段と優しさを増した若者に成長しているようです。
    めでたし、めでたし!』

  くるり
   怒るときも思いっきり怒っていいのかな?   
   
   
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)





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