
あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義



バックナンバー総覧へ |
メルマガ登録はのほ本屋から

あっぱれ長屋のプラス話 第48号
〜比べたって意味がない訳〜
2005. 6. 7

くるり
みなさん、こんにちは。
今日のお江戸あっぱれ長屋のお客様は、
茶屋をやってるおなかさんです。
なか
こんにちは!!
くるり、元気だった?
くるり
あいかわらず、いつ見ても、
迫力あるなあ。
怖いものなしって感じで。
なか
そんな強そうな女に見えるっての?
くるり
いや、見かけではなくて、
おなかさんて、生きる力に満ち溢れているというか、
どんな逆境にもめげない強さを、
感じるんだよね。
なか
つまり、見かけはおしとやかだし、美人だし、
色っぽいんだけど、
芯の強さを感じる、一本筋の通った聡明な女ってことだね。
くるり
なんで、そんなに言葉が増えるんですか。
勝手に、脚色しないでください。
ほんと、おなかさんて、くよくよしたり、
落ち込んだりすることなさそうだよね。
なか
そんなことはないよ。
私だって、みんなが次々と嫁入りしていくのに、
自分は将来の目処すら立たないで、
落ち込んでたときはあったよ。
くるり
えー、おなかさんが?
絶対に、絶対に、ぜーったいに、想像できない!
なか
想像できるって言われるよりはいいけれど、
そこまで、強く断言されるのもなんだかね…。
でね、そういうときは、人間って、
つい神頼みをしたくなるもんだ。
だから、私も神社に、お参りに行ったよ。
「神様、私はこれまで、一生懸命生きてきました。
人から後ろ指をさされるようなことも、
これっぽっちもしていません。
なのに、私の人生、ちっとも開けません。
このツケは、どうしてくれるんですか。
これまでのお賽銭返せー!」
くるり
それじゃ、神様にお願いするんじゃなくて、
脅してるよ。
なか
でもね、よく考えてみれば、
神様は、人間とは違う高い次元にいるんだよね。
だから、心のよりどころとして見守ってくれる存在であって、
お金を払えばお願いを聞いてくれる存在だったら、
商売してるのとおんなじになってしまうんだって、
ふと気がついたんだよ。
それなら、やっぱり頼るのは自分しかいない!
そう悟った。
くるり
神様も、おなかさんに脅されて、よっぽど怖かったんだね。
だから、そういう悟りを授けてくれたんだよ、きっと。
なか
人は素直になれば、
真実が見えるだけのことだよ。
だいたい、苦しい時の神頼みってのは、
神様に責任を全部ゆだねる形であってはいけないんだよ。
自分も頑張りますから、見守ってください、
そういう姿勢になってこそ、神様も助けてくれるんだってば。
くるり
そこのところを勘違いするから、
苦しい時の神頼みで、
怪しい宗教なんかにひっかかって、
お賽銭どころか、財産騙しとられたりしちゃうんだね。
その点、おなかさんは、
絶対、絶対、ぜったーい、騙されないよね!
なか
すぐ騙されそうだって言われるよりはいいけれど、
そこまで断言されるのもなんだかね…。
くるり
だって、財産がないもん。
なか
そういうことかいな。
くるり
でも、自分が苦しいときって、人が皆、自分より幸せに見えるよね。
なか
それは、あたりまえ。
自分が、陰気の域に入ってしまうから、
まわりのほうが明るく見えるんだよ。
だから、陰にこもるって言うの。
繊細な私も、そうだったね。
くるり
江戸の繊細って、けっこう図太いんだね。
なか
なにか、おっしゃいまして?
くるり
いえいえ。
なか
陰にこもってしまうと、さらに落ち込んで、
ますます暗いところへ入っていってしまう。
そして、自分を卑下するようになる。
そうすると、ますます力が出せなくなる。
そして、暗闇から出ようとする気力がなくなる。
くるり
うんうん、いつかご隠居が似たようなこと言ってた。
なか
だけど、私は気がついたんだよ。
そもそも、人と比べるってのは、
まったく意味がないことだと。
くるり
そりゃ、みんなわかってるよ。
わかっていても、つい比べてしまうのが人情。
なか
そうだね。
だから、つい比べちまう。
ところが、問題は、その比べ方に、大きな落とし穴があることだ。
自分の悪いところと、相手のいいところを比べてしまうんだよ。
たとえば、嫁げば嫁いだなりの、幸せと苦労がある、
嫁がなければ、嫁がないなりの、幸せと苦労がある、
なのに、人と比べて落ち込む時ってのは、
相手の幸せと、自分の苦労を比べてるんだよね。
くるり
そうかそうか。
確かに、素敵な旦那様がいていいなあ、というとこは見ても、
お姑さんや親戚付き合いの苦労というところは見ないな。
なか
そういうこと。
仕事だってそうだよ。
成功者をうらやましがるけど、その裏にある苦労と努力、
そういう大変な部分には、目をやらないんだ。
富くじに当たった人をうらやましがりながら、
自分では、富くじを買ったこともないような状態ね。
そんな全然意味のない比べ方をして、
あの人は幸せだけど、私は…って落ちこむなんて、
馬鹿らしいことじゃないか。
そう、気がついたら、人と比べるってことが、
いかに意味のないことかがわかったんだよ。
くるり
よく、
「人は人それぞれなんだから、比べても意味がない」
ってことは言うけれど、
おなかさんの言う理由でも、意味ないことなんだね。
でも、その場合、
幸せと幸せを比べても、
人の方が良かったら?
苦労と苦労を比べても、
人の方が良かったら?
なか
あのね、そういう比べ方をしているうちは、
たとえ、自分がどんなに幸せになっても、
人のほうが幸せだと思い続けてしまうんだよ。
自分の幸せをみつけられる人こそ、
本当の幸せをつかめるんだ。
くるり
そうか。
おなかさんは、そうして自分の人生に幸せを見出して、
ちょっとやそっとでは、絶対、絶対、ぜったーいにめげない、
本当の図太い女になったんだ。
なか
すぐめげる女って言われるよりはいいけれど、
そういう言い方も、なんだかねえええ…。
(発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)
前←失恋や希望を失ってる時向き編 | 失恋や希望を失ってる時向き編→次 |
ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。 |
|
バックナンバー総覧へ |
|
1 気分がのらない時向き一覧 | 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧 |
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 | 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧 |
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 | 6 幸せになりたい時向き一覧 |
メルマガ登録はのほ本屋から |
このページのTOPへ |
![]() |
![]() |