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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編  





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                あっぱれ長屋のプラス話 第104号   

                 〜 出る膿より出てる場所 〜       
                                 2008. 9. 5



 
  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   浪人の親又天之太助さんの愛妻おとくさん…
   のはずなんですが…あれーまだ来ていない。

  とく
   来ております。
   ちょっと待ってくださいね。
   重たくて、動くのが大変なんです。

  くるり
   わっ!なんで鎧兜などつけてるの〜!
   しかも、私にとって恐怖の記憶しかない薙刀まで持ってきて。
   あの筋金入りの義母上に感化されて、
   ついに武家に復活?
   
  とく
   違います。
   21世紀には、
   通りすがりの赤の他人を殺そうとする、
   通り魔というのがいるそうではないですか。
   それを知ったうちのだんなさまが、
   21世紀は危ないから、これからは武装していけと。
   
  くるり
   いくらなんでも、
   その格好は大げさすぎる。
     
  とく
   私もそう思うのですけれど、
   天之太助さまったら、
   おまえに何かあったら大変だから、
   着ていかなくてはだめだって言って、
   聞かないのですもの。
   
  くるり
   愛されてますねー。
   ごちそうさま。
  
  とく
   ええ、幸せです。
  
  くるり
   自分で言っといてなんですが、
   なんかむかつく。
  
  とく
   あら、ご気分を害してしまいました?
   申し訳ないことをいたしました。     

  くるり
   あのー、本気で言ってるわけではないですから、
   そんなまじめに受け取らないでください。
   ここは、冗談として受け流してもらわないと。
   だいたい、本気でむかついてたら、
   面と向かって、そんなふうに言えません。
   そもそも、私がそんなことで、
   嫉妬したりひがんだりするような
   人間だと思って?
    
  とく
   それは、わかりません。

  くるり
   本気でむかついてきた。
   
  とく
   あら、本気でむかついた時も、
   面とむかって言ってます。

  くるり
   それとこれとは別。

  とく
   別ではありませんよ。
   根がないにしろ、あるにしろ、
   種があるから、
   そういう言葉が出てくるのです。

  くるり
   あのね、腹に種なんてないことがわかるほど、
   気を許しあえる間柄だから、
   冗談で使えるんだよ。
   そうか!
   おとくさんは、
   私にそこまで気を許してないわけだ。
   いじいじ…。

  とく
   そんなことないですよ。
   ただ、人に対して、悪い感情を表す言葉を向けることは、
   たとえ冗談でも抵抗を持つのが、本来の感覚のはず。
   だから、冗談としては受け取れなかっただけです。
   だから今、くるりさんが、
   本当にいじけてないことは、
   よくわかっております。
   
  くるり
   それはどうも。

  とく
   くるりさんは、冗談で使ったと思ってますけど、
   正しくは、むかっときた気持ちを、
   冗談めかして使うことで、蹴散らしたのです。
     
  くるり
   だから種はあるというの?

  とく
   そうです。   
   それが、発芽してしまうと、
   心を破壊しながら、膿を出させ、
   それを栄養に成長していきます。     
   根性を捻じ曲まげながら、
   枝葉を伸ばし、
   根もしっかり張っていく。
   そうなったら最後、
   ひねくれ、いじけ、意地悪になり、
   ますます嫌な女になっていきます。  

  くるり
   私には、そんな嫉妬やひがみの種はありません。
   
  とく
   いいえ、気づいてないだけで、
   自分にない幸せを妬む気持ちがあるのです。

  くるり
   おとくさんの言ってることのほうが、
   よっぽど毒があります。

  とく
   ほら、そう感じるのは、
   種が心を破壊しはじめていて、しみるからです。
   
  くるり
   どうあっても、種を持たせたいようだ。
   私がそんな、
   膿を出す女に見えます?
   
  とく
   くるりさんは、底が抜けているから、
   膿が出てきても、冗談めかしてごまかすことで、
   発散させてしまうのですよ。
   
  くるり
   それを言うなら、底が抜けてるからではなく、
   いい性格だからと言ってください。
   それに、たとえ膿が出ても、
   発散できてしまうなら、問題ないじゃない。
   腹にないってことでは同じなんだから。

  とく
   いいえ。
   問題なのは、
   出てきた膿をどう始末するかではなく、
   なぜ膿が出てくるのかということです。
   実際に膿んだ時にあてはめてみてくださいませ。
   出てきた膿はふき取るけれど、
   膿んでいる部分の手当てを放置するなんてことがありますか。
   くるりさんが、種があることを認めたがらないのも、
   同じことですよ。
 
  くるり
   軽い冗談で言っただけなのに、
   ひがみの種があることにされてしまった。
   そうだ!
   さっきの冗談は、聞かなかったことにしましょうよ!

  とく
   一度出した言葉は、取り消せません。   
   観念なさいませ。
   そうやって、膿んでいる場所があることを無視しているうちに、
   ますますひどくなっていくことだってあるのです。
   膿がどんどん増えてくれば、
   膿んでいる箇所も見えにくくなるので、
   ますます膿しか目に入らなくなります。
   しかも、膿の始末も、
   自分だけではしきれなくなる。
   そこで、人の着物でも拭こうとするのです。
   それだけの膿になれば、
   心もかなり破壊され、苦しさも感じてますから、
   苦し紛れの短絡的な行動にもなるわけです。
  
  くるり
   それで、意地悪したり、攻撃したりして人にあたるんだ。
  
  とく      
   でも、そんなことをして
   たとえ一時的にはすっきりしたように感じたとしても、
   苦痛は治りませんでしょ。
   それは、本質からはずれた処置だからです。

  くるり
   解消どころか、痛みをよけいに意識した行動だものね。   
   もがけばもがくほど、あり地獄にはまっていくようなものだ。
 
  とく
   21世紀の通り魔さんは、その典型的な例ですわね。
     
  くるり
   通り魔に「さん」はいりません。
  
  とく
   引くことの「さん」。
  
  くるり
   そんな直し方、嫌です。
  
  とく
   一度出した言葉は取り消せませんから。

  くるり
   無理してません?
   そういえば、通り魔と言えば、
   江戸にだって、
   辻斬りという通り魔がいるよね。 
   夜に待ち伏せして、人を襲う卑怯者が。

  とく
   はい。
   21世紀の通り魔と同じように、
   憂さ晴らし的な場合もありますけど、
   刀の切れ味や腕を試すためとか、
   千人斬れば悪病が治るとか、
   そんな動機が多いでしょうか。

  くるり
   えー!
   そっちのほうが、
   もっとひどくありません?
   それに比べたら、
   21世紀のほうが安心です。 
   さあ、その武装はやめましょう。
   心の武装もいけないけど、  
   体の武装もよくないよ。
   おとくさんは、言葉を引く。
   私は、そのいでたちに引く。
   
  とく
   これは、天之太助さまの愛情です。
   武装と言っても、これからも二人で困難と戦える気持ちがわいてくる、
   愛の武装です。
   それに辻斬りが多く出たのは江戸時代も前期までの話ですし、
   もちろん厳罰行為ですから、
   私の暮らしている時代には、
   そうはいません。
   21世紀のほうが、怖いことには変わりありません。

  くるり
   その格好で、うろうろされる方が、
   よほど怖いんですけど。
   それに、膿んでいる場所どころか、
   出ている膿にも気がついていない江戸の通り魔に比べると、
   21世紀の通り魔は、
   膿には気がついているんだから、
   まだましだよ。      
  
  とく
   膿に気がついていようが、なかろうが、  
   人に危害を与えたら、
   悪いのはどちらも同じですけど。
  
  くるり
   そうでした。

  とく
   でも、人に危害を与えたら悪い、
   与えてないならいい、
   というわけでもありません。
   私は、
   21世紀に汚い言葉や悪意ある言い方が、
   通常の会話や冗談でも使われるようになってきたのは、
   無意識に心の膿を始末している人が
   多くなっているからだと思うのです。
   それが証拠に、心がきれいで健康な人だったら、
   たとえ冗談でも、人の言動に対して、
   「むかつく」なんて言い方は出てきませんわね。
   
  くるり
   私の立場はどうなる。
   
  とく
   芽吹いたとたんに、
   処分できているうちはいいけれど、
   何かの事情で、抜けなくなり、
   成長して実までつけてしまう可能性だってあるのです。
   
  くるり
   その実がなった時、破滅を呼ぶ実となるんだね。
   
  とく
   そうです。まさに「身の破滅」です。

  くるり
   あ、私が言おうとしたことを。

  とく
   でもね、最初からいきなりそうなる人はいません。
   破滅の実を実らせてしまうまでには、
   必ずそれなりの期間があるのです。
   だからこそ、膿の出所を早めに見つけときましょう。
         
  くるり
   膿っていうのは、
   体の抵抗力が
   悪いものと戦った残骸なんだよ。
   それが出てきているということは、
   治そうとする力が働いている証でしょ。
   ということは、 
   膿の量は、苦悩の大きさではなく、
   戦える力の大きさという見方もできるよ。

  とく
   まあ、いいことをおっしゃいますね。  
   そこに気がつけば、
   人にあたる事で膿の始末をするようなぶざまなことをしなくても、
   自分で、あり地獄から這い上がれる力になりますよ。
   もがいている自分に、
   苦しみと立ち向かう武装がされていることに気がつけば、
   勇気百倍です。
   自ら、あり地獄にはまっていくような行動は、
   しないようになれますね。

  くるり
   私の膿が、少ないということも、
   ちょっとの戦う力ですんでいるってことだ。
   そう考えたら、積極的に、
   膿の出所を追及してやろうという気になってきた。
 
  とく
   その調子!
   しかし、ちょっとむかついてきました。
   気分、わるっ…

  くるり
   な、なんてことを。
   せっかく、まとめたところで、
   今日の話をすべてぶちこわすとは。
   わっ、薙刀を向けないでってば!

  とく
   あら、ごめんなさい。
   重たいし、暑いしで、
   胸がむかついて、気分が悪くなってきました…。
   

  


 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)

    
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