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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編  





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                あっぱれ長屋のプラス話 第117号   

                    〜 時は七掛け 〜   
                                     2010. 1. 5
   



  もへじ
   皆さん、あけましておめでとうございます。
   男っぷりのいい噺家、
   へのへの亭もへじです。
   え?くるりはどうしたのかって?
   心配してくださるとは恐縮です。
   実は、まだ寝てるんですわ。
   以前、おなか茶屋のおなかに叩き起こされた教訓は、
   すっかり忘れているようで。
   とっくに年も明けてるというのに、
   よだれたらして、困ったもんです。
   けれど、よく考えてみれば、
   くるりは別にいなくてもいいんです。
   むしろ、こうして皆様と直接お話する形にしたほうが、
   すっきりさわやか。
   ですので、今年からはくるりは省略することにして、
   このまま起こさないことにします。
     
  くるり
   そういうわけにはまいりません。
    
  もへじ
   しまった、へそまがりのくるりは、
   起こさないと言えば起きちまう。
    
  くるり
   いいえ、私が起きたのは、
   へそまがりなわけではなく、
   曲者が寝室に忍び込んでいると感じた、
   うら若き女性の勘です!
   もへじさんったら、私の美しい寝姿を見て、
   よだれたらしてたんでしょ。
   ほんと失礼でやらしー!
    
  もへじ
   どっと力が抜ける…。
   これだから起こしたくなかったんだ。
   そもそも、くるりの場合は寝姿というより根姿だ。
   よだれたらしてるのも、
   おめえのほうだし。
   さらには、
   はるばる江戸の時空からやってくる客をほったらかして、
   いつまでも寝てるなんざ、
   失礼千万なのはどっちでえ。
    
  くるり
   だって、発行人が忙しそうだから、
   しばらくは安心して寝てても大丈夫そうだったんだもの。
   もしかして、もう年も明けたの?
    
  もへじ
   年明けも知らないなんて、
   いったいいつから寝てるんだ。
   おめえは冬眠に入った熊か。

  くるり
   ねむり姫と呼んで。

  もへじ
   ねむり姫だかけむり姫だか知んねえが、
   よだれ姫なことだけは確かだ。
   とっとと顔を洗ってくるこった。
    
  くるり
   さすがに、ちょっと寝すぎたかな。
    
  もへじ
   ちょっとどころですむか。
   さて皆様、こうなったら、
   くるりが戻る前に、
   少しでも早く話を始めて、
   わずかでも清々しい時間を味わいましょう。
   今日は、あっしの師匠の話です。
    
  くるり
   あ、前にも話が出た、
   へのへの亭へのかっぱ師匠だね。
    
  もへじ
   冬眠の熊の次は、
   猫の顔洗いか。
   いくらなんでも早すぎる。
    
  くるり
   小顔なんです。
    
  もへじ
   清々しい時間ばかりか、あっしの気力も吸い取られていく…。
   頑張れもへじ!えい!
   気合を入れ直しましたところで続けます。
   そのあっしの師匠なんですが、
   全く悩んだりくよくよしない人で、常に前向きなんですな。
   普通なら、怒ったり泣いたりするようなことがあっても、
   ひきずりませんし、 
   悪口や愚痴なども決して言いません。
   芸だけじゃなく、人間としても
   尊敬できる素晴らしいお人なんです。
    
  くるり 
   それは、師匠だから、取り繕ってるだけで、
   内面では無理してるよ、きっと。
     
  もへじ
   なんか今、どす黒いもんが飛んだようですが、
   お気になさらずに。
   あっしはほとほと感心して、
   ある時、
   「師匠、どうしていつもそのような心境で
    いられるのでしょうか」
   と聞いたことがありました。
   すると師匠はこんな話をしてくれました。
    
  くるり
   へえ、そうか。
    
  もへじ
   まだ話してねえ。
   あ、また寝てる。
    
  くるり
   起きてます。
    
  もへじ
   本当にへそまがりだ。
   でもね、みなさん、
   くるりは寝すぎとしても、
   寝ない人間はいません。
   師匠が言うのはそこなんです。
   人間、一日の約三分の一程度は寝ている。
   ということは、一生の三分の一は、
   寝てることになる。
   つまり、百歳まで元気でいられて、
   ようやく実質人生七十年いくかどうかということになる。
    
  くるり
   百歳まで生きていられる人は限られるから、
   普通の人はなお短いんだね。
   寿命90歳なら実質60年、60歳なら実質40年か。
    
  もへじ
   勘定しやすい数字ばかりあげるところが、
   くるりらしい。
   ともかくも、自分の寿命がいくつまでにせよ、
   与えられてる人生時間は、
   七掛けと考えなくてはならない。
   そう気がついた時、
   師匠は人生の時間がとてもかけがえのないものに
   思えたそうです。
   その貴重な時間を、
   黒い気分で塗りつぶすなんざ、
   愚の骨頂。
   いや、そもそもそんなことしてる暇はねえじゃねえか。
   それからは、
   くよくよ思い悩むと、
   「つまらねえことで悩んでいるこの時間が、もったいねえ。」
   腹がたてば、
   「怒りを思い出したり、悪口言ってるこの時間がもったいねえ。」
   悲しい時も、
   「ただ悲しみにくれているだけの、この時間がもったいねえ。」
   自然と、そう考えられるようになっていったそうです。
   「今日も憂鬱」
   なんて日が続いてる人も多いと思うけど、
   師匠に言わせりゃ、
   それは最大のもったいねえだと。
     
  くるり
   でも、憂鬱になるのは、
   外部的要因がほとんどだよ。
   なるのではなく、させられてるって場合が多いんだよ。
    
  もへじ
   確かに憂鬱な気分になるのは、
   外因が元という場合が多い。
   あっしも、くるりと話してると、
   憂鬱にさせられる。
   だが、気分を決めるのは、
   あくまでも自分なんだ。
   憂鬱な気分にさせられたと思ってるが、
   実は自分でその気分を選択してるんだ。
   師匠曰く、
   つまらねえ気分に囚われそうになった時、
   すぐに気持ちを切り替えられるようになってからは、
   そのことが実によく見えるようになったそうだ。
   だから、どういう事情があろうと、
   そこだけは勘違いするなと。

  くるり
   でもね、
   たとえば私の心は、
   普段は鏡のように静かで美しく、
   澄みわたる湖の水よね。
    
  もへじ
   よね、と同意を求められても、
   返事に困る。
    
  くるり
   そこへ、風が吹けば、嫌でも波立つ。
   水面に風が当たらないように、
   豪華設備で囲ってある湖ならいざしらず。
   また寒さにさらされたら、湖は凍る。
   水中に温泉でもわいているならいざしらず。
   そんな普通の湖を、
   波立たせるな、凍らせるなと言われても、
   不可抗力でしょ。
    
  もへじ
   師匠流ではこうなる。
   波立ったり、凍ったりすることを問題視して、
   困ったとグチを言う方向に持っていくから、
   ただ時間を無駄にすることになるんだ。
   そういう状態になってるからこそ楽しめることも出てくる。
   そこに目をやれば、
   同じ時間が楽しめる有意義なものになる。
   それを決めるのは、風でも寒さでもなく、
   自分次第じゃねえかと。
     
  くるり
   なるほどね。 
   でも師匠の見方でいったら、
   21世紀人は寝る時間が減ってるから、
   寝てるのも四分の一くらいだよ。
   しかも、寿命も延びてるから、
   けっこう使える時間は増えてると思うよ。  

  もへじ
   なんかまだ、すとんと落ちてねえな。
   では、もっとわかりやすく言おう。
   たとえば、今は年が明けて、
   一年が始まったところだ。
   その一年は十二月あると思っているだろ。
   だが、たとえ寝る時間を四分の一として計算しても、
   三月分は寝ている時間になるから、
   実質は九月分しかねえんだ。

  くるり  
   そうか。
   だからあっという間に終わってしまうんだ。
   いつも暮れには、
   こんなはずじゃなかったと思ってたけど、
   騙されてたんだ。   

  もへじ
   別に騙してるわけじゃねえ。
   勝手に思い込んでるだけだ。
   しかも、それは普通の人の場合で、
   くるりなんか半年は寝てるな。
   そんな一年の積み重ねが人生だぞ。
   それに、いくら時代が下がって、
   実質時間が増えているとしても、
   心を変えられなければ、
   増えたのは無駄な時間のほうだけとなる。
   実際、暗い気分で無駄に過ごすことを選択してる人は、
   あっしらのところより多いと思う。
   心が生き生きできない状態では、
   いくら実質時間が増えてもないのと一緒。
      
  くるり
   だけど、あけてみたら七掛けしかないって、
   巧妙な詐欺みたいだよ。
   なんだか、寝るたびに損する気がするし。
   そうか、わかった。
   前向きな師匠って言うけど、
   基となるその考え方自体が、
   前向きではないからそうなるんだよ。
   本当に前向きな考え方だったらこれだよ。
   我々は、本来の寿命に、
   寝てる時間が加算された寿命をもらってきてる。
   
  もへじ  
   それもけっこうだが、
   それで師匠ほど前向きになれるか?

  くるり
   なれるよ。
   寝れば寝るほどお得感が増すから、
   寝る時間が増える。
   寝る時間が増えるということは、
   つまらないことを考える時間もなくなる。
   すべて安心して、
   前向きに眠れるようになるじゃない。
  
  もへじ
   寝るときだけ前向きになってどうする。
   人生は寝ることだけが主役か。
   まったくおめえは…いやまて。 
   そのとおりだ、くるり!
   どんどん寝て、
   どんどんお得な人生にしたほうがいい。
   これからは、
   好きなだけ安心して寝ていていいぞ。  
   そして、
   あっしらが来るときには、
   必ず寝ていておくれ。

         
   


 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)

    
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