
あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義



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あっぱれ長屋のプラス話 第119号
〜 七つの一日 〜
2010. 10. 10

くるり
皆さん、こんにちは。
お会いしたかったです〜!
今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
姉さんの茶屋を手伝うおとめちゃんです。
とめ
こんにちは。
ねえ、くるりさんはよく、
あと〇日乗り切ればって、
指折り数えてるでしょ。
あれは何を数えてるの?
くるり
なんで、来てもいないのに、
私のしてることがわかるの?
とめ
なぜかわかるのよ。
この間くるりさんが、
野良猫を追い払おうとしたら、
追っかけられて、
逆に追い払われてしまったってことも、
知ってるよ。
くるり
そんなことまで、
ばれているとは。
とめ
え、本当にそんなことしてたの?
今のは冗談で、
近所のまぬけな犬の話を
したんだけど。
くるり
やな人だね。
とめ
で、何を数えてるの?
くるり、
あと何日乗り切れば、
今週のお休みにたどりつくかを数えてるの。
江戸時代は週休制ではないから、
お休みの間隔も長くて、
この感覚もわからないだろうけど。
とめ
そこ、もしかして駄洒落?
くるり
と聞かれる駄洒落ほどむなしいものはない…。
とめ
下手な駄洒落にも一言言いたいところだけど、
その前に、七日単位の週という感覚がない江戸人として、
一言言いたい。
くるり
言わなくてもいいでしょう。
…い、いや、どうぞ。
今、おなかさんに見えた。
とめ
姉妹ですから。
私達のところでは、
七曜は、暦の中の一つの項目にすぎないからこそ、
くるりさんが見えなくなってるものがわかるんだ。
くるり
へえ、それは何?
とめ
くるりさんは、
七日を、
七つの一日ではなく
七日で一つとして見ている。
くるり
だって、それが週の単位だもの。
まさか、1週間を10日にしろと?
それは嫌だよ、お休みが減ってしまう。
とめ
なか姉ちゃんだったら、
今の言葉で、くるりさん百叩きね。
くるり
えー!
誰だってお休みが減るのは嫌だよ。
とめ
そう感じるのは、
休みでない日と、
休みの日との比重が違うから。
一日の価値は同じはずなのに、
向き合い方に差が出てる。
くるり
だって、普通の日と特別の日ほどの違いがあるんだもの、
差が出て当然だよ。
あのね、休日でない日は、
平日と言うんだよ。
誰だって盛り上がらないから、
平らな日と言うんだよ、絶対。
とめ
でも、どちらも
一度しかない日に変わりはないよ。
勝手に差をつけて、
平日を乗り切って休みにたどりつくというのでは、
平日に対して失礼じゃない。
たとえば平日を三日のりきれば、
という意識は、
三つの一日を、
ないがしろにするようなもの。
週単位で見ていると、
なおそういうことに鈍感になるのよね。
くるり
そう言われても、
やっぱり休日のほうが嬉しいの。
とめ
でもね、そういう感覚でいると、
逆に休みが終わった時などには、
がっかりする気分になるでしょ。
何かの用事でお休みがつぶれてしまっても、
損した気分になる。
くるり
そうなのよ。
あー、お休みが終わっちゃったって。
でも、大丈夫。
前向きな私は、
次のお休みはいつかな?
って考えることにしてるから。
とめ
どこが前向きなんだか。
ほんと今回が、なか姉ちゃんでなくてよかったこと。
でもね、七曜から離れて、
その日だけに向き合う意識があれば、
そんな憂鬱さもなくなるよ。
休日は休日として、
平日は平日として、
毎朝その日を迎えればいいだけであって、
昨日も明日も関係ないから、
比べることもない。
そうなれば、平日だって、
「今日も平日」という思いから、
「今日は平日」という感覚になってくるの。
くるり
でも、曜日を意識しないなんて無理な話。
とめ
と、自信たっぷりに言い切ってくれましたけど、
くるりさん、旅に出てるときとか、
お休みが続く時は、
見事に曜日の観念をなくしてるよ。
曜日どころか、日にちの観念さえなくなっている。
くるり
また、変なところを見透かしている。
だからそれは、休日だからだよ。
とめ
休日にできることが、
平日にできないわけがない。
くるり
おなかさんの妹らしく、
強引な論理できたね。
あのね、
旅で曜日の観念がなくなるのは、
それが楽しい特別の機会だからだよ。
旅となれば、
2度とない機会かもしれないし、
たとえ前に行ったことのある場所だって、
前とそっくり同じにはならない楽しさがある。
そういう貴重な機会を存分に生かして味わうためには、
自然とその日に全力投球になるでしょ。
だからこそ、毎朝期待も生まれ、
楽しく充実した環境になる。
だから、曜日がどうでもよくなるんだよ。
お休みが続いて観念がなくなるのも、
それが、貴重なお休みの時間だから。
とめ
2度とない機会、
前と同じ場所でも同じにはならないって、
普通の日でも、
全く同じことなんですけど。
毎日が特別の一日なんだよ。
つまり、違うのは、
環境ではなく、
気持ちなんです。
2度とない特別の機会に全力投球するから、
楽しく充実するんだって、
そこまでわかっていて、
どうして実践しないかなあ。
くるり
だけど、気持ちを変えるのは、
容易ではないもの。
とめ
だから、逆から入ればいいのよ。
まず曜日の観念をはずした生活にもっていくことで、
気持ちが変わっていき、
毎日も楽しく充実したものに変えていかれるの。
騙されたと思ってやってごらんなさいよ。
その日その日が、
くっきり見えてきて、
充実して過ごせるようになるから。
くるり
そんな単純にいくかなあ。
とめ
だって現に、
毎日が充実していると感じている人は、
もとから曜日やお休みにこだわらない生活をしているでしょ。
充実度が低いからこそ、
七曜が気になるようになるんだよ。
それがさらに、
日々を粗末に過ごすことにつながって
ますます充実からかけ離れる。
もうこうなりゃ悪循環。
くるり
そう言われてみると、
夢中で仕事してるときは、
今日が何曜日かなんて忘れてしまってるなあ。
とめ
え?
くるりさんでも、
そういう時があるっけ?
くるり
だから、人の生活を、
見張ってないでくださいって。
ええ、ええ、どうせないですよ。
とめ
冗談で言ったのに、
まさか本当にないとは。
くるり
またまた、やな人だね。
あっ、そういえば一つ思い出した。
ずーと前の12号で、
おとめちゃんが後回し戦法の話をしたことがあって、
そのとき私が、
曜日を利用してこう考えれば?
みたいな話をしたら、
その時は、おとめちゃん、
曜日も便利なもんねって言ってたよ。
とめ
よく覚えているね。
でも、あの時、くるりさんが言っていた七曜活用法は、
その日と向き合うところは、
きっちり押さえていたもの。
そこを忘れないことが大事ってことは、
あの時も言ったよ。
くるり
そうだったかな。
とめ
都合のいいとこだけしか覚えてないんだから。
まさに、休日目指して綱渡りと一緒で、
都合のいいとこだけにしか目が向いてない。
だから、それ以外のところがすかすかになってしまうの。
くるり
だけど、次の楽しみを目標にしていくのも、
悪くないと思うけどなあ。
とめ
あのね、命あるものは
その命がいつまであるのかを、
わからないまま生きているのが宿命なんだよ。
だからこそ、今日を迎えられたことに感謝して、
その日一日を大切にして向き合う。
それが本来の生きる姿勢であって、
先ばかりに目を向け、今日がすかすかなのは、
不自然なわけよ。
七曜にとらわれずに、
今日という一日に向き合うと、
気も楽になるし、充実もしてくるのは、
それが本来の生き方だから。
くるり
だけどね、
生まれる前から、
七曜がしっかり根付いた社会で育った人間に、
忘れよと言われても。
とめ
忘れよと言うのは、
別に完全に無視することではないよ。
くるりさんたちの、
六曜に対する感覚程度でいいの。
くるり
六曜って、大安とか仏滅とかの?
とめ
そうそう。
普段は気にもかけていないが、
必要な時にちょっと目を向けることもある。
私たちにとっての七曜が、
ちょうどくるりさんたちにとっての六曜の感覚かも。
その程度でいいってこと。
くるり
そうか。
でも、できるかなあ。
とめ
七曜から離れるだけでいいんだから、
たとえば、
何歳の何月何日とか、
何歳と何日目という捉え方にするだけでも、
だいぶ、その日に対する意識が変わるよ。
くるり
ということは、今日は私にとって、
22歳の10月の…。
とめ
ちょっと待った。
かなり前も22歳だったよね。
まあ江戸では22歳でも充分年増だからいいか。
くるり
ではなく、
10歳と2,000日。
とめ
悪あがきはおよしなさい。
しかも、どさくさにまぎれて、
さっきより若くなってるし。
こうなったら、
くるりさんの場合は、
「今日は生まれて何日目」くらいまで、
暦から離れてみないとだめみたいね。
それを出すのが大変そうだけど。
くるり
いいえ、そんなにないから簡単に出せます。
それに、21世紀には、
こういう自動そろばんがありますので。
とめ
それ、電卓って言うものでしょ。
くるり
またまたまた、やな人だね。
ちょっと見てなさい。
すぐ出すから。
とめ
江戸の暦と21世紀の暦が多少違うからって、
ごまかしてもすぐわかるし、
ごまかしたら、意味もなくなるからね。
くるり
わかってます。
まずは、
今年の誕生日以後の日数と、
生まれてからの閏年の回数を調べて…。
とめ
あら、本当に、
きっちりと始めてくれたわ。
くるり
当たり前です。
さて、こうして先に面倒な半端部分を出しておけば、
あとは単純に、
365に22をかけて足すだけ。
とめ
後が、かなりいいかげんなんですけど。
(発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)
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