メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から





              あっぱれ長屋のプラス話 第19号
      
                 〜自殺が頭をよぎるとき〜    
                                   2004. 3.28
      

 

 くるり
   ごめんなさい。
   ちょっと発行が遅れてしまいました。
   さてさて、今日のお江戸のお客さまは、大家のぼた衛門さんです。
   ぼた衛門さん、お久しぶり!
   創刊号以来だね。
  
  ぼた衛門
   いやな、あの創刊号では、わしゃただの助平じーさんだって、
   長屋連中に、ひんしゅくもんでな。
   おまけに、おふくには3日間口をきいてもらえないし。
   それで、ずっと出させてもらえなかったんじゃ。
   確かにあれでは、わしはただの助平おやじと思われちまうかな。
  
  くるり
   えっ、ただのスケベおやじじゃなかったの?
   それなら、もっと特別なスケベおやじ?
  
  ぼた衛門
   ……おふくが言ってたけど、
   本当におまえの発想は、時として思いもしないほうへ行くんだな。
   まっ、いいや。
   そこでだ!
   今回はうって変わって、重い話をするぞ。
   聞くところによると、21世紀は自殺者が3万人もいるってな。
   人口100万人の、わしらのお江戸でいったら、100人に3人!
   こらびっくりしちゃうねえ。
   21世紀はもっと人が増えてるといっても、割合が高いことに違いはない。
  
  くるり
   これはまた、すごい話を出してきましたね。
   そうなんだよ。
   安易に死に急ぐ人が増えちゃった。
   一人で死ぬ勇気がないからって、自殺友達を探してまで死んだりね。
  
  ぼた衛門
   21世紀の闇を見ていると、
   自然と文明の比率といい、心と物の豊かさの程度といい、
   わしらの時代が一番良いと思えるなあ。
   260年以上も平和が続いた時代はないし。
   くるりたちもわしらと同じ生活すれば?
  
  くるり
   そっ、それは、ちょっと今さら無理でしょう。
   見習うとことろは見習うべきだとは思うけど。
  
  ぼた衛門
   それにしても、おびただしい人の命を犠牲にして、
   たどりついた平和で豊かな時代に、
   自らの命を安易に散らしてしまう人が増えるなんて、
   なんで、そういうことになるのかな?
  
  くるり
   豊かになっても、その豊かさを享受するには、
   お金がなくちゃできないんです。
   だから、お金や物を手にいれることのみに目がいって、
   心が置き去りにされてしまっているのも、ひとつの要因では?
  
  ぼた衛門
   以上、評論家くるりさんでした。
  
  くるり
   心のゆがんだ人も増えてるし。
   大体ね、子供が子供を殺す時代なんだよ。
  
  ぼた衛門
   ひぇー!こわっ!
   わしゃ帰る。
  
  くるり
   ちょっと、帰らないでくださいよ。
   自殺者はどうなるんですか。
  
  ぼた衛門
   自殺はいかん!
  
  くるり
   それはわかってます。
   でも、死ぬ権利もあるという人もいます。
  
  ぼた衛門
   死ぬ権利だとお!!!!!!!!!!
   そんなもんはなあい!!!!!!!!
  
  くるり
   ひぇー、こわっ!
   私も帰る。
  
  ぼた衛門
   帰っちゃだめ。
   人間はこの世で生きる権利と義務を持って生まれてくる。
   でも死ぬことに関しては義務だけだ。
  
  くるり
   ?
   それなら、自殺も、死ぬ義務を果たしてるよ。
  
  ぼた衛門
   まあ、最後まで話を聞け。
   生まれてきた以上、死なないですむ人間などいない。
   だから、生きる義務と死ぬ義務はこの世に生まれた時からある。
   そして、生まれてきた以上はこの地球上で生きる権利がある。
   だからこの3つはあるの。
  
  くるり
  それはわかるよ。
  
  ぼた衛門
   でも、死ぬ義務をいつ果たすかは、自分では決められないことなんじゃ。
   死ぬ時が来たら、まだ生きていたくても、死ななくてはならない。
   それが死ぬ義務というもんだ。
  
  くるり
   じゃあ、死ぬ権利がないのは?
  
  ぼた衛門
   まず最初に、もしみんなが、死ぬ権利があると言って
   自分で勝手に死んでいったら、
   命はとても軽々しいものになってしまう。
  
  くるり
   確かに、生きたくても生きられなかった人たちからしたら、
   許しがたいことだよね。
  
  ぼた衛門
   その人が乗り越えられない苦境というものは絶対来ない。
   だからどんなにつらくても、絶対打破できる。
  
  くるり
   正統派の理論ですね。
   でも、苦しんでいる人には、そういうこと言っても、
   上滑りに聞こえちゃうんじゃないかなあ。
  
  ぼた衛門
   くるりは、自殺を考えたことあるか?
  
  くるり
   死にたいって思うことは、多かれ少なかれ誰でもあるでしょ。
   でも、実際に自分で命を絶つなんて怖いから、
   たいていは、そこまではやらないだけで。
  
  ぼた衛門
   それが第2の理由。
   人間は、普通は死ぬのを恐れる。
   もし死ぬ権利があるなら、どうして恐れるか?
   自ら命を絶つことも怖く感じるわけがない。
   それから、まだあるぞ。
   人間が自殺を考える時ってどんなときかな?
  
  くるり
   苦境に立ったとき、嫌なことがあったとき、
   自分の生きる意味がわからなくなったとき、
   気力をなくしたとき、逃げたくなったとき…
  
  ぼた衛門
   すべてこの世に嫌気がさした場合だろう。
   満足した人生を築いて幸せな暮らしを手に入れたから、
   私はそろそろ自殺するというものはいない。
  
  くるり
   確かにそうだね。
  
  ぼた衛門
   もともと、人生を満足できるものに完結させて旅立てる人は少ないだろう。
   それでも、寿命がくるまで一生懸命生ききった人たちは、
   達観してあの世へ旅立てる。
   もし、死ぬ権利があるなら、そういう心境で旅立つ自殺者がいても
   いいはずだ。
  
  くるり
   うーん、でも、たとえそういう人がいても、まわりがそう認めるかは、
   はなはだ疑問だね。
   自己満足にすぎない形になってしまうもんね。
  
  ぼた衛門
   そっ、だから権利なんてないの。
  
  くるり
   でも、自殺も寿命がないから成功してしまうんじゃないかな。
   寿命があれば、自殺しても死ねないでしょ。
   自殺って勇気がいるよ。
   そこを乗り越えちゃうんだよ。
   その勇気があれば生きられると思うんだけど、
   それを死ぬことに使ってしまう。
   これは、もうまともな状態ではないよ。
   いわゆる病死と同じではないかなあ。
  
  ぼた衛門
   確かに、自殺という形で命が尽きる人もいるかもな。
   でも、いたとしても、それはごくわずかなはずだ。
   こんなにいるのは、絶対何かが狂っておる。
  
  くるり
   でも、権利がないなら、なぜ人間は自分で命を絶つことができるの?
  
  ぼた衛門
   もとから人間は、常に死と隣り合わせで生きてるもんだ。
   今は絶対死なねえ、という保証はないじゃろ。
   いつだって、死ぬ可能性はある。
   それを逆にとれば、死ぬ気になれば、いつでも死ねるってこった。
   でも、それは死ぬことはいつでもできるから、
   安心してそこで死んだ気になって生きてみろ、ということだ。
  
  くるり
   ややこしいね。
  
  ぼた衛門
   でもな、ここだけの話、わしはこれは、死神という神様のわなだと
   思っておる。
  
  くるり
   神様のわな?
  
  ぼた衛門
   人生のつらいときに、もうやめちゃえば?
   っていう甘い誘惑をちらつかせる。
   それに、ついのせられちゃったら、
   死神のわなにはめられてしまう。
  
  くるり
   たとえばさ、元気なときは海を眺めて心が癒されるのに、
   死ぬことに目を向けてしまうと、
   そこは死の世界の入り口に見えて、
   そこに癒しを求めてしまうみたいな。
  
  ぼた衛門
   そうそう、それこそが、死神のわな。
   その時は、思いっきり「あっかんべえー」をしてみな。
   たちどころに元気がわいてくる。
  
  くるり
   もうちょっと、ましなもんないですか。
   でも、自殺するときの人の頭は異常な状態だもんね。
   そうでなきゃできないのが自殺だもん。
  
  ぼた衛門
   だから、自殺が頭をよぎったら、
   今自分の頭はまともな状態ではないということを
   すぐ自覚しないといけないんじゃ。
   何があろうと、自殺だけは絶対だめ!
  
  くるり
   そこで気がついてくれると、いいねえ。
  
  ぼた衛門
   もっと社会全体に人の心を通わせなくてはだめだ。
   人の心を救うのは人の心。
  
  くるり
   なんか、今日はとってもまじめな会話になりましたね。
  
  ぼた衛門
   これで、わしがただの助平じいさんではないことがわかったろ。
  
  くるり
   うん、まじめな話もできるスケベじいさんだった。
  
  ぼた衛門
   あのな…。
  
  くるり
   でも、ご隠居さん、ひとつだけ大きな問題があるよ。
  
  ぼた衛門
   なんじゃ、言ってみな。
  
  くるり
   このメルマガの読者は、苦境に立っても自殺なんてしないで
   頑張れる人たちだよ。
   そういう人たちにこういう話をしても、意味ないでしょ。
  
  ぼた衛門
   しもたー!
  
  くるり
   江戸っ子なのに、上方言葉になってるやん。
  
  ぼた衛門
   あんたもや。
  
  くるり
   しもたー!



 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)

ぼた衛門より
万一、気の迷いで自殺を考えている方がこれを読んでいたら、
うちのおふくが話す、
 92号 自殺が頭をよぎるとき その2も読んでほしいな。

                                       ぼた
 



前←憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ