あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義
憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き編 
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あっぱれ長屋のプラス話 第68号
〜心がだめなら体があるさ〜
2006. 6. 29
くるり
みなさん、こんにちは。
今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
おなか茶屋のおなかさんです。
なか
こんにちは！
みなさんに大人気のなかでーす！
くるり
いや、特にそういうことはないです。
なか
♪あこりゃ、楽しい、楽しい、楽しいな！はいはい！
くるり
はいはい！はいいけど、本当に今日はやけにハイだよ。
おなかさん、いきなり唄いまくり、踊りまくりで、
何かいいことでもあったの？
なか
何かいいことなきゃ、
楽しく唄って踊ったらいけないのかい？
くるり
別にそういうわけでもないけど。
なか
何も楽しいことがないからこそ、
唄って踊って、楽しい気分になってるんじゃないの。
体を動かせば、うつうつした悪い気分も吹き飛ぶんだから。
ほらほら、ひっかかるよ。
くるり
わぁ、ひっかけないで！
なか
何言ってるの、この間は、あんたにひっかけられたんだからね。
でも、心配しなくて大丈夫。
あんたも楽しくしてたら、悪い気なんて消えちゃうよ。
やってみなって。
くるり
そう急にテンションあげろと言われても…。
なか
誰が天井あげろなんて言ったのさ。
そんなのは、たて太郎にやらしときゃいいんだよ。
くるり
そうじゃなくて…
…でも、なんか楽しそうかな…。
なか
ほら、あんたにも楽しい気分がうつってきたよ。
あ、こりゃ楽しいなったら楽しいな。
くるり
あ、こりゃ楽しいなったら楽しいな、はいはい！
はは、これは楽しいかも…。
でもおなかさん。
なか
なんだい。
くるり
これではなんだか、怪しい宗教みたいなんだけど。
なか
いいかい、気持ちが腐ってるときは、
じっとしてたら、ますます腐るんだよ。
物だってそうじゃないか。
暗くてじめじめしたところにずっと置いといたら、
腐るわ、かびがはえるわ、
ろくなことがない。
くるり
でも、きのこくらいは育つかも。
なか
きのこが育つには、適温も必要だよ。
でも、そういうときの心は、
冷えちまってる。
生えるとしたら、へそまがりの毒きのこくらいだね。
だから、まず温かくするために、
体を動かす。
くるり
だって、冷えてるのは心なのに、
体を温めても仕方ないじゃない。
なか
悩みやうつうつ気分で冷え切った心を温めるより、
体を温めるほうが簡単にすぐできるじゃないのさ。
くるり
それだけのことか。
なか
そんな馬鹿なわけないでしょ。
いいかい、心が冷えちまうっていうのは、
心自体が冷たくなるのではなくて、
冷えた思いを抱きかかえてしまうからなんだよ。
それで、冷えて動けなくなる。
だから、それを放せばいいだけなんだ。
でも、実際はそれだけのことが、
なかなか大変だったりするよね。
そこで、体を意識して動かす。
その時は、余分なものを抱えていたらできないよ。
時に危険になることもあるから、
関心は体にいく。
つまり、心を冷やしている思いも、
ひとまず放さざるをえない。
だから、心が温まってきて、楽しくなってくるんだよ。
くるり
そこで、きのこが生えてくる。
きのこが収穫できたら、
今度は野菜がほしい。
だから、明るいところに出てくる気になれる。
そうなると、暗いところに行ったのは、
きのこを得るためだったということになる。
なか
本当にあんたは、
食べ物にたとえると、
みょーに飲み込みがよくなるんだよね。
くるり
飲み込みがいいとは、よく言われますの。
なか
みんなが言ってるのは、
その前の部分だって。
くるり
でも、あこりゃこりゃして、体を温めても、
問題自体が解決できるわけではないからなあ。
なか
だから、そのためには、
まず、元気を取り戻さないとはじまらないじゃないか。
元気っていうのは、元の気ということだよ。
つまり、人間はそれが標準の状態なんだ。
その元気をなくす、つまり普通でない状態になるのは、
どんなとき？
くるり
心が落ち込んだときとか、
体の具合が悪いときだね。
なか
でも、体の具合が悪くても、
心が元気なら、回復も早いでしょ。
だから、逆に心が落ち込んだときは、
体を元気にすれば、回復も早いんだよ。
くるり
本当に元気をなくすというのは、
どちらも元気をなくしてしまう時をいうんだね。
だから、体が病気になって、心が気落ちしたり、
心が落ち込んで、体を動かさなくなったり、
壊したりすると、
にっちもさっちもいかなくなる。
なか
だからこそ、どちらかでいいから、元気にすること。
今すぐに心を元気にするのは無理なら、体だけでも、
今すぐに体を元気にするのは無理なら、心だけでも。
くるり
でも、両方の元気をなくしたら、
なかなかむずかしいよね。
なか
それは、落ち込ませる要因に囚われてしまうから。
そして、けっして居心地がよいとはいえない場所から、
出られなくなる。
くるり
心が、牢屋に入れられてしまうようなもんだ。
でも、さっきの冷えた思いで言えば、
抱きかかえさせられてるんではなくて、
自分が抱きかかえているってことになるはずだけど。
なか
だから、その牢屋にも、鍵がかけられてるわけではないんだよ。
自分が出ようと思えば、いつでも出られる。
どんなに落ち込んでも、そのことを忘れなければ絶対に大丈夫。
それでも、そこにい続けてしまうということは、
自分が、好きでそこにいるのを選んでいるということ。
それも、忘れないようにすれば、
必ず立ち直って、自分の足で歩いて出てこられるよ。
くるり
あ、こりゃこりゃをやってたら、
はずみで出てしまうということもあるかもね。
なか
心と体は、二つで一つ。
心がだめなら、体で元気を、
体がだめなら、心で元気を出すことで、
道は開けるから。
くるり
それで、おなかさんも踊りまくっている。
ということは、こう見えておなかさんにも、
いろいろ苦労があるということだ。
なか
こう見えるから、大変なんだって。
なにせ、いくつになっても衰えないこの美貌。
言い寄る男をふるたびに、
あー、また人の心を傷つけてしまった、
私ってなんて罪深い女、
うつうつうつうつ…。
くるり
ねえ、おなかさん、
落ち込む以前に問題があるときは、
どうしたらいいの？
（発行マガジンより、本文のみ掲載しております。）
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