メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

迷ったり悩んでいる時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から



  
                    
                 あっぱれ長屋のプラス話 第45号
  
                    〜何が残るか、残せるか〜             
                                        2005. 4.21    




  くるり
   みなさん、こんにちは!
   お花見は行かれましたか?
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   浪人、親又天之太助さんです。
  
  天之太助
   いやー、21世紀の桜も相変わらずきれいだなあ。
  
  くるり
   日本人と桜は、切っても切れないもんね。
   21世紀の花見も、江戸の花見と同じようなものでしょ。
  
  天之太助
   悪いけどな、一緒にしないでくれぬか。
   同じように飲んだり食べたり歌ったり踊ったりしても、
   我々の花見はもっと静かで、お行儀いいぞ。
   それに、あの終わったあとの、ごみの山。
   あーんな花見と一緒にされてもらっては困るな。
  
  くるり
   ただ酔っ払って、ただ騒いで、ただ食い散らかしてって輩が
   増えてしまったもんで。
   お恥ずかしい…。
      
  天之太助
   人が酒を飲むときの様子を表した言葉がある。
   「人、酒を飲む。
    酒、酒を飲む。
    酒、人を飲む。」
   と言うんだ。
  
  くるり
   うまいこと言うね。
   
  天之太助
   これは、お金に変えても合うんだぞ。
   「人、金を使う。
    金、金を使う。
    金、人を使う。
        作・天ちゃん」
  
  くるり
   どさくさにまぎれて、
   変な名前の入れ方しないでください。
   でも、それも言えるね。
   自分の使える範囲でお金を使っていたものが、
   借金をしてまで、お金を使うようになる。
   そして、最後にお金に使われるようになると、
   お金を手に入れるためなら、
   悪いことでも平気でするようになる。
  
  天之太助
   おー、春の陽気で頭の調子が変わったとみえて、
   冴えてるなあ。
  
  くるり
   どういう意味だ。
  
  天之太助
   そういう意味だ。
  
  くるり
   おぬし、可愛くないの。
  
  天之太助
   お酒もお金も、人にとって、
   多大な恩恵をもたらせてくれるものだが、
   付き合いかたを間違えると、害にしかならない。
  
  くるり
   諸刃の刃だね。
  
  天之太助
   いや、諸刃の刃にするのは、人間のほうだ。
   「酔っ払っていて、何をしたか覚えていない」
   「金に目がくらんで、つい…」
   なんて、お酒やお金に原因があるような言い方するが、
   お酒やお金からすれば、いい迷惑だ。
   恩恵を与えようとしているのに、
   人間から無茶な扱いをされたばかりに、
   悪者になってしまうんだからな。
  
  くるり
   そういうことになるのか。
  
  天之太助
   歯止めのきかぬ飲み方をするということは、
   お酒に対して、粗末な扱いをしているということ。
   いいかげんなことしてお金を手に入れるのも、
   お金をあなどったやり方、お金に対する侮辱。
   悪いのは抑制のきかなかった人間のほうだ。
   そうなって、恩恵なんて受けられるはずがない。
  
  くるり
   酔っているのも、
   お金があるのも、
   一時のことなのに、
   つい心の弱さに負けてしまうんだよね。
  
  天之太助
   いいところに気がついた。
   やっぱり、今日は冴えてるねー。
  
  くるり
   どういう意味だ。
  
  天之太助
   そういう意味だ。
  
  くるり
   おぬし、本当に可愛くないの。
   でもね、正しく楽しくお酒を飲んでも、
   酔いは一時、
   まともに手に入れたお金でも、
   いてくれるのは一時ということは、
   変わりないよ。
   はあ…。
  
  天之太助
   そこで、妙に実感のこもった、ため息つくな。
   確かに、人が主役の範囲内で飲んでも、
   酔いは醒めたら終わりだ。
   でも、その場合、恩恵は酔いだけではない。
   楽しい思いや、いい人間関係などに形を変えて、
   ずっと残って続くではないか。
   酒に飲まれてしまった場合は、
   失敗という事実が残るだけ。
  
  くるり
   お金の場合は?
  
  天之太助
   自分が汗水たらして、まともに稼いだお金なら、
   どぶに捨てるような使い方はできないはずだ。
   だから、大切に使うし、ずっと残るものに使っても大丈夫。
   まっとうな金なら、その恩恵を、
   誰はばかることなく、受けることができる。
   でも、あこぎなことして手に入れた金は、
   思い入れもないから、
   湯水のように使ってしまうし、
   また、下手に形の残るものに使えば、足がつく。
   だから、しょーもないことして手に入れたお金は、
   しょーもないことに使って、すぐ消えてしまうんだ。
   後には、罪人となった自分が残るだけ。
  
  くるり
   長続きしない恩恵は、恩恵に見えて、
   実は、恩恵ではないということだね。  
  
  天之太助
   そもそも、一時だけしか残らないものに、
   たいしたものはない。
   21世紀にも、我々がよく知っているものが、
   たくさん残っている。
   もちろん、お酒もお金もお花見も、
   それは、人間にとって、
   恩恵のあるものだから、受け入れられて、
   長く残ってきたんだ。
   商売一つとっても、
   いい品を売っているからこそ、
   長く信用と実績を積んで
   老舗となっていくことができるんだしな。
  
  くるり
   そうだね。
   反対に、あこぎな商売なら、
   苦情が来る前に逃げなくちゃならないから、
   電話番号でも住所でも口座でも、
   一時のもので、長く使えないし、
   自分の居場所も、転々として、
   逃げまわらなくてはならないし。
   そうか、確かに正しくないことは長く残せないことだらけだな。
  
  天之太助
   よくわからぬが、いろいろな意味で、
   私の計り知れないところで納得したようでありますな。
  
  くるり
   とりあえず。
  
  天之太助
   だから、その後に何が残るかってことまで考えるのは、
   大事なことなんだな。
  
  くるり
   だけど、これまではどちらかというと、
   先のことより、今に全力で向き合うのが大事って
   話だったんだけど。
  
  天之太助
   それは、先につなげるための今のことだよ。
   今は花見を楽しむが、
   その後に残るごみのことまでは考えないってような、
   そういう関わり方ではないぞ。
   自分が今、向き合っているものの先に何が残るか、
   また、今は何が残っているのか、
   それを考えてみるのは必要なこと。
  
  くるり
   でも、何もいいものが残ってなかったら、
   愕然としちゃうね。
  
  天之太助
   そんなことはない。
   そこから、何が残せるかを考えればいいこと。
   そうやって考えてこそ、
   自分の進むべき方向も見えてくるんだ。
   ただな、問題は、人間はどうしても、
   心の感情に引きづられて、
   自分に都合のいいように考えてしまいがちということだ。
  
  くるり
   そりゃ、心があるこそ人間で、
   その心は感情で動くもの。
   だからこそ、人間は感情の生き物なんだもん。
   無理ないよ。
    
  天之太助
   でも、感情だけにひきずられると、
   どんどん道を誤まる生き物でもあるんだな。
   そこが、心の弱さでもある。
  
  くるり
   だから理性を失うなって言うんでしょ。
   そう言われてできれば、苦労しないんだけどね。
  
  天之太助
   理性なんて、そんなむずかしく考える必要はない。 
   すべて、自分を大事にする気持ちだよ。
   自分を大事にしてれば、
   自分をなくすほど、飲みすぎることはない。
   体だって、壊すことを思ったら、飲みすぎないようにするしな。
   お金にしたって、
   罪を犯して手に入れる人間にまで、自分を貶めるのは許せないはず。
   自然に、ほどほどの歯止めがかかって、
   自分という人間を、傷つけるようなことはしなくなる。
   心の弱さは、それで克服できるのだ。
     
  くるり
   お酒やお金に限らず、
   感情にひきずられる可能性のあるものは、
   みんなそうだね。
   喧嘩でも、泥沼の鯉でも。
  
  天之太助
   それを言うなら、泥沼の恋だろ。
  
  くるり
   あっ、まちがえた。
   
  天之太助
   もっと、言葉を勉強して、
   私みたいにな、
   「人、酒を飲む…」をもじって、
   「人、金を使う…」というような、
   本家をしのぐ名言を生みだしてみろ。
   
  くるり
   いつから、本家をしのぐ名言になってるんですか。
   でもね、今日の話のお金のことを、
   なんと言うかくらい、私だって知ってるよ。
   「悪銭身につかず」とか「あぶく銭」
   って言うのよ。
   
  天之太助
   さすがに、そういうことはよく知っているなあ。
  
  くるり
   どういう意味だ。
   
  天之太助
   そういう意味だ。
  
  くるり
   あのね、天さん、もうしつこいよ。
  
  天之太助
   なんで、いい方にとらぬか。
   まじめに人生に向き合っているくるりだから、
   そういう戒めの言葉をよく知っているなあと
   いう意味にもなるだろうが。
   言葉も、受け取り方一つで、益にも害にもなるぞ。
   
  くるり
   なんだ、そういう意味で言ったのか。
  
  天之太助
   違うけどな。
  
  くるり
   おい。





 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)


前←迷ったり悩んでいる時向き編 迷ったり悩んでいる時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ