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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

迷ったり悩んでいる時向き編  





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                 あっぱれ長屋のプラス話 第59号   

                     〜前向き本性〜              
                                 2005. 12. 24




  くるり
   みなさん、こんにちは。
   寒さが厳しい今年の冬ですが、元気でお過ごしですか。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   浪人の親又天之太助さんです。
   
  天之太助
   こんにちは。
   しかし21世紀では、
   我々のところでは考えられないような、
   信じられない事件が次から次へとおきてるな。
   将来の日本では、心までお寒い人間が増えてるとみえる。
   
  くるり
   なんだか、自分が良ければいいんだって人間が、
   増えてね。
  
  天之太助
   それは、正確に言うとな、
   「自分が悪くなっても、自分にとって都合が良ければいいんだ」
   ってことだ。
   自分を大事にしてるなら、
   いくら自分にとっては都合がいいとしても、
   自分を悪い人間にするようなことは、
   思いとどまるんだがな。
   
  くるり
   悪いことする人ってのは、
   自分を大事にしてないんだよね。
   でも、そんなに自分が嫌いなら、
   そんな自分が都合の良くなることなんか
   しなければいいのに。
  
  天之太助
   そこが、悪い心の罠だな。
   よく、人間にはいい心と悪い心の二つがあるって言うだろう。
   悪いことするってことは、悪い心に従ったんだよな。
   でも、それは、人の道からはずれる状態。
   もしそれで、自分の都合のいいようになったとしても、
   その都合のよさを味わってるのは、
   人の道からはずれている自分だ。
   ということは、それはもはや人ではない。
  
  くるり
   そうか、悪いことして楽しんでも、
   どこか空しいってのは、
   楽しんでるのが本当の自分じゃないからだ。
   良心の呵責を感じるのも、本来の自分が責めてるんだ。
  
  天之太助
   だから、良心の呵責すら感じなくなったら、
   完全に自分を見失ってしまったってことよ。
  
  くるり
   でもね、これを読んでるみなさんは、
   悪人ではないので、
   そんなこと百も承知の方たちばかりですけど。
  
  天之太助
   よし、みんな、しっかり自分を持ってるな。
  
  くるり
   あたりまえだよ。
  
  天之太助
   だがな、魔がさすってこともある。
  
  くるり
   おめさ、何をいうてはりますえ。
   悪いがね、おいちゃん。
  
  天之太助
   出身地不明の日本語でしゃべるなって。
  
  くるり
   天さんがいきなり、とんでもないこと言うから、
   私の知性あふれる言語中枢が混乱してしまいましたわ。
  
  天之太助
   そうやって、思いがけないことがあると、
   人間は取り乱すことがある。
  
  くるり
   無理やりこじつけようとしてない?
  
  天之太助
   人間は本来、善良なものだ。
   ただ、世の荒波にもまれているうちに、
   自分を見失ってしまうことがある。
   そういうとき、
   悪い心がむくむくとわきあがってきて、
   惑わすことがあるんだな。
   
  くるり
   それは、人にもよるでしょ。
   どんなときでも、
   自分をしっかり持ってる人は大丈夫だよ。
   それに21世紀では、
   性善説はもはやないという見方をしなくてはだめだ、
   ってとこまで来てるんだけど。
  
  天之太助
   世も末だね。
   そんな見方をした世の中が住みやすいとはいえぬぞ。
   ますますぎすぎす、きつきつうつうつ…
  
  くるり
   遊んでるなって。
   でも、他の国では、
   性悪説をとるところもあるんだよ。
   まあ、性悪から、まともな人間になっていくために
   生まれてくるって見方もあるかもよ。
  
  天之太助
   でも、日本では、
   人間は肉体を離れる時がくると、
   仏になる存在なんだから、
   間違いなく本性は善だ。
   それにだな、
   いい人に悪霊がとりついて、
   悪い人になるなんて話はよくあるが、
   善霊が悪人をいい人にするなんて話は、
   ほとんどないだろう。
   それでいっても、人間の本性は善の存在だ。
  
  くるり
   説得力があるのかないのか、
   わかりませんが、
   まあ、確かにそうではありますね。
  
  天之太助 
   それに、日本では性善説の信頼関係に基づいた社会が、
   ある程度の形を整えて成り立ってきたのも事実。
   そうか、つまり我々は、くるりたちより優秀なんだな。
   はっはっはっ。ざまあみろ。
  
  くるり
   やっぱり、性悪説のほうが正しいかもな。
  
  天之太助
   いや性善説だ。
   ただ、悪い心に支配されてしまうだけだ。
  
  くるり
   じゃあ、どんな大悪人でも本当は悪くないと?
  
  天之太助
   いや、悪い!
  
  くるり
   どっちだよ。
  
  天之太助
   その悪い心に支配されてしまった原因は、
   自分にある。
   自分本来の善の心を見失った責任は、
   自分の弱さにある。
   厳しいようだが、これは事実だ。
  
  くるり
   でもさ、おなかがすいて寒くて死にそうなときに、
   目の前にあったか〜いうどんが現れたら、
   つい手を出してしまうかもしれないじゃない。
  
  天之太助
   うどんにたとえるのが、くるりらしいところだが、
   でも、そのうどんには、
   どう見ても毒が入ってるのがわかるとしたら、
   普通は手を出さない。
   でも、この毒は大したことではではないって、
   都合のいい理由をつけて食らってしまうのが弱さだ。
   そうして、こんなのを出した方が悪いって言うんだ。
   でも、食べた責任は本人にある。
   悪い心に惑わされるってのは、そういうことだ。
   もし、みんながこうやって、自分を棚にあげて、
   人のせいにするようになったら、世の中大混乱。
   掟無視の誰も信じられない社会になるだろが。
  
  くるり
   そんな社会はどう考えても、
   ますますぎすぎす、きつきつうつうつ。
  
  天之太助
   おぬしも遊んでるではないの。
   人間が性悪なもんなら、
   生まれたばかりの赤子は悪の塊だ。
   だけど、あんな純真無垢なものはないだろうが。
   それが、成長するにつれ、こんなになっちまう。
  
  くるり
   誰の顔見て言ってるんだって。
   ともかく、今日は道徳的な話なんだね。
  
  天之太助
   いや、それだけではない。
   性善説は、前向きにもなれるんだ。
   「おまえの本性は悪である。
    だから、それをなくすように生きていかねばならぬ。」
   と言われるのと、
   「おまえの本性は、ほんとによくできたいい人なんだってば。
    だから、そういう本来の自分を忘れないで
    生きていけばいいだけだよ。」
   と言われるのでは、
   かなり受けとめ方が違うではないの。
  
  くるり
   言葉の雰囲気も、かなり違うんだけど。
  
  天之太助 
   人間、弱さが出た時に、
   まともな判断ができなくなったり、
   自信をなくしたり、
   自暴自棄になったりするような時もある。
   そういう自分を見失いかけそうになった時に、
   本来の自分は限りなく善の存在であることを思い出せれば
   自分という人間に対する勇気と信頼がわいてくる。
   これは、自分を見失わないための強い味方になること請け合い。
   人間同士の間だって、
   おまえは悪い奴だと言われるより、
   いい奴だと言われたほうが、
   嬉しく感じて、前向きになれるだろうが。
   
  くるり
   それが、自分を信じられる原動力になるんだね。
   性善説には、そういう力もあるんだ。
  
  天之太助
   もちろん、道徳的に、
   「自分が悪くなることで、
    自分の都合がよくなるようなことはしない」
   ってことも大切だけど、
   それは、もうここで言うまでもない。
   みんなもう、しっかりご承知だろうから。
  
  くるり
   まあ、それは最初からしないに限るけど、
   自分が悪くなることで、
   他の人がよくなることなら、
   時に美談になったりするよね。
   武士の世界にはよくある話じゃない?
   殿様の命や名誉を守るために、
   家来が責任をとって切腹するとか。
  
  天之太助
   美談という名の悲談だな。
   だがな、それは自分が悪くなるといっても、
   形の上でのことで、
   人の道を踏み外しているという悪さは、
   どこにもない。
   むしろ極めている時もある。
   だからこそ、美談となるんだな。
   そうだ、くるりもそのくらいのことやってみ…
   
  くるり
   それではみなさん、良いお年を〜。
  
  天之太助
   あやつめ、逃げおった。
   くるりは確か、昨年の暮れも逃げてしまって
   茶さじ郎に締めをさせていたなあ。
   本当に、締めのできない奴だ。
   仕方ない。
   それでは、みなさま、
   くるりに代わって、
   そして僭越ながらあっぱれ長屋を代表して、
   この天之太助が締め申す。
   みなさま、今年も1年ありがとうございました。
   どうぞ、元気に良いお年をお迎えくだされ。

 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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