メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

迷ったり悩んでいる時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から




 
               あっぱれ長屋のプラス話 第70号   

                  〜 個性は使いよう 〜       
                                   2006. 8. 12




   くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   噺家のへのへの亭もへじさんです。
   もへじさん、夏だけはひっぱりだこだね。
  
  もへじ
   夏「も」、ひっぱりだこ!
    
  くるり
   しかし、その怖い顔での怪談噺は、
   個性の生かしがいがあるよね。
  
  もへじ
   万に一つ、あっしの顔が怖かったとしてもだな、
    
  くるり
   一つに万じゃないの?
    
  もへじ
   化け物じゃねえやい。
   確かに個性を生かすことも芸のうちだが、
   あっしの怪談噺が人気があるのは、
   顔の力ばかりじゃねえ。
  
  くるり   
   でも、落語って、聞かせるだけでなく、
   ある意味、見せる芸でもあるから、
   視覚的効果は大事だよ。
   扇子と手ぬぐいだけで、
   いろいろな小道具を表現しちゃうのも芸だし。
   考えたら、お客さんだって、
   ただぼけーっと聞いてるんじゃなくて、
   噺家の仕草を見ながら、自然と頭の中で想像を膨らませて、
   聞いてるんだから、すごいよね。
   あれは、右脳にもいいんだろうな、きっと。
   娯楽でも、頭使うようにできてるなんて
   日本の文化は、やはりすばらしい。
    
  もへじ
   その想像力をどれだけ引っ張り出せるか、
   噺に引き込めるかが、腕のみせどころ。
    
  くるり
   だけど、頭の上に手ぬぐい置いたら、
   外人は「なんだろう、帽子かな?」
   って思うかもしれないけれど、
   日本人ならお風呂に入ってるんだなって、
   すぐわかってくれるでしょ。
   けっこうなあなあで成り立つところもあるから、
   大丈夫だよ、もへじさん!
    
  もへじ
   変な慰め方を、ありがとさん。

  くるり
   もへじさんは、人をひきつけるより、
   ひかせることのほうが得意そうだもん。
   せめて、もう少しひきつける魅力があれば良かったね。

  もへじ
   たとえ、そういう魅力があったとしても、
   その魅力に頼っては、芸の力は育たない。
   でも、個性を生かすなら、芸の力を伸ばすことができる。
    
  くるり
   魅力も個性も、その人独自のものだから、
   似たようなものでしょ。
    
  もへじ
   「魅力」というのは、長所的な捉え方。
   だが、「個性」という言葉には、
   長所、短所という概念が入らない。
   あるがままが個性。
     
  くるり
   でも、どうして魅力ではだめなの?
  
  もへじ
   もし、役者みたいないい男が噺家だったら、
   女のお客さんは、顔に見とれて噺に入り込めねえ。
   それでも、そいつの魅力が目当てとなれば、
   芸が伴わなくても、満足はしてくれる。
   魅力を生かしてるだけのこととなれば、
   そうなってしまう。
   そんな二枚目が、与太郎をやったところで、
   噺の中にすんなり入れるか?
   だがその二枚目に、魅力ではなく、
   個性を生かした芸の力があるとしたら、
   そいつにしかできねえ与太郎が現れる。
   そうなれば、お客さんも、
   自然にその世界に入り込める。
    
  くるり
   逆に、もへじさんが二枚目の噺をしても、
   入り込めないもんなあ。
   それに、もへじさんが二枚目に見えるようになるには、
   芸の力だけでは絶対無理な気がするし…。
    
  もへじ
   何か、おっしゃりたいことがおありのようで?
   あのな、あっしの師匠は
   へのへの亭へのかっぱと言うんだがな。
  
  くるり
   気が抜けそうな一門だ。
    
  もへじ
   こう言っちゃあ、失礼だが、
   師匠は本当に顔もかっぱみてえなんだ。
   だから、出て行くだけで、
   かっぱ!かっぱ!へのかっぱ!って、
   あちこちから声がかかって、お客さんは大喜び。
   それだけで、最初から雰囲気が盛り上がるんだな。
    
  くるり
   もへじさんは、
   もへじ!もへじ!へのへのもへじ!
   って言ったら、ぶんなぐられそうだもんね。
    
  もへじ
   だから、あっしも、
   楽しい雰囲気作りができることを考えて、
   どうしたら笑ってもらえるのかを気にするようになった。
   そうしてたら、だんだん、
   お客さんの顔色をうかがうような、
   媚びるような芸になっていってしまってな。
    
  くるり
   そんなのは、見るほうもおもしろくないよ。
    
  もへじ
   そうなんだよ。
   で、師匠に怒られた。
   おめえは怖い顔だから、
   怖いと思わせないように、
   隠そう隠そうとしてるだろ。
   それは自分の個性を消してしまうことだ。
   ということは、自分を認めていないことでもある。
   だから、自信が持てねえんだ。
   そんな状態で、芸の力が伸びるわけがねえ。
    
  くるり
   さすが、へのかっぱ師匠!
   名前は力が抜けるけど、言うことはさすが。
    
  もへじ
   師匠曰く、自分は子供の頃から、
   この顔のせいでからかわれて、
   嫌で嫌でたまらなかった。
   だが、ある日ふと気がついた。
   これは、欠点ではなく、自分の個性なんだ。
   他の人にはないものだとわかったら、
   噺家になろうという道が見えたという。
   だから、おめえもその怖い顔を個性と認めて生かしてみろ。
   それがきっかけで、あっしも噺家には向きそうもない、
   この怖い顔を生かして、笑いを引き出せるようになったんだ。
   言っとくがな、あっしの得意は、怪談噺だけではねえよ。
  
  くるり
   そういうことにしときましょ。
   そうか、個性に良し悪しはないとなると、
   それを、いいものにしてるか悪いものにしてるかは、
   自分しだいということになるね。
   でもそれって、性格でも?
   たとえば、短気なんていうのは、
   個性と認めて、自信を持ったら、単なる開き直りでしょ。
  
  もへじ
   おめえのことだな。   
  
  くるり
   違うって!    
   つまり、性格的な個性の場合は、
   良し悪しはないとは言いきれないでしょ。
 
  もへじ
   いや、良し悪しはねえよ。
  
  くるり
   あっさり、言いきるか。
   でも、短気は損気って言うくらいだよ。

  もへじ
   同じように、
   その個性を生かせばいいんだ。

  くるり
   生かすったって、短気をどう生かす?
  
  もへじ  
   それも同じやり方。
   「個性を認める」ことと
   「個性の使いよう」だ。
   だから、この場合も、まず短気であることを認める。
   認めたか?
   
  くるり
   だから、私はそこまで短気じゃないの。

  もへじ 
   そうやって、認めようとしないから、
   「個性を使える」立場ではなく、
   「個性に仕える」立場になってるの。

  くるり
   認めたとしたら、どういう使い方をするの?

  もへじ
   自分は短気だから、
   それで失敗しねえよう気をつけよう、
   という使い方をする。
   それを身につけることが成長だ。
   あっしらで言ったら、芸の力が伸びたということと同じ。
   短気をそうやって生かせば、決して悪いものではなく、
   むしろあって得したものにさえなる。
   それをしねえから、自信も出てこない。
   自信がなければ、短気にも簡単にふりまわされて失敗を重ねる。
   損気なのではなく、損気にしているんだ。
   
  くるり
   そう考えたら、どんな個性でも、
   生かしようがあって、
   その人にとっては意味があるものになるね。
   
  もへじ
   人それぞれに皆違う個性があるのは、
   その人の人生で生かすために必要なものを、
   神様が、持たせてくれたからだ。
   だから、もし自分の個性の中に、
   好きになれない部分があったとしても、
   そういう感情はまず捨てて、
   それをどう生かすかを考えてみる。
   否定したり、無視し続けているだけの個性は、
   個性という宝の持ち腐れ。
     
  くるり
   そういえば、個性を生かしきってる人間は、
   光って充実してるもんね。
   それも、自分を信じて、
   認めることができてるからこそのことだ。

  もへじ
   個性は生かさなきゃ、意味がねえのよ。
   だから、おめえも短気だってことを、素直に認めな。
 
  くるり
   あのね、さっきから人のことを短気短気って、
   だから、私はそんなに短気じゃないって、
   言ってるでしょ!!
            
  もへじ
   ほら、それが短気じゃないなら、なんてーの?     

  くるり
   この程度では、短気の部類には入らないって!

  もへじ
   ひょっとしておめえ、短気の基準が個性的?
     
  (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


前←迷ったり悩んでいる時向き編 迷ったり悩んでいる時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ