メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 やる気を流し込みたい時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から



 
          
                 あっぱれ長屋のプラス話 第43号

                     〜迷惑は謙虚の素?〜             
                                        2005. 3. 9 




  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   どう造、おはぎ夫婦の一粒種で、
   奉公に出ている茶さじ郎ちゃんです。
  
  茶さじ郎
   こんにちは。
   また、お招きいただきまして、
   ありがとうございます。
  
  くるり
   こちらこそ、おこしいただきまして、
   ありがとうございます。
   相変わらず、謙虚だね。
   こっちまで謙虚になるわ。
  
  茶さじ郎
   主人には、謙虚な心を忘れたら、
   人間おしまいだと、いつも言われております。
   でも、主人のいうことは本当だ。
  
  くるり
   何が?
  
  茶さじ郎
   自分が謙虚な態度をとれば、相手も謙虚な態度になるって。
   くるりさんなら、相手の謙虚さをいいことに、
   もっと態度がでかくなると思ってたのに。
  
  くるり
   あのね、茶さじ郎ちゃん、
   一体、私のこと、どういう人間だって思ってるのか、
   後で、じっくり聞かせてもらいましょうか。
   その主人というのは、大家さんとこの、
   とんびが鷹を産んだような、息子さんだよね。
   茶さじ郎ちゃんも一緒だけど。
  
  茶さじ郎
   いやいや、鷹なんて、滅相もない。
   鷹に失礼ですよ。
  
  くるり
   ほんと、謙虚だよね。
   とんびの親も、安心だ。
  
  茶さじ郎
   いやいや、うちの親が、とんびなんて滅相もない。
   とんびに失礼ですよ。
  
  くるり
   そこは謙虚だと、まずいでしょ。
  
  茶さじ郎
   あはは、そうでした。
   つい、行き過ぎました。
   でも、とんびに失礼なのは本当ですよ。
   鷹はことわざでは、いつも良く言われるのに、
   とんびは悪く言われるばかりです。
  
  くるり
   そうだね。
   鷹は「能ある鷹は爪を隠す」なんてのもあるけど、
   とんびは、「とんびにあぶらげさらわれた」だもんね。
   だいたい、「とび」っていうかっこいい名前があるのに、
   「とんび」なんて、まぬけな言い方するのも失礼だね。
   でも、実際にとんびにあぶらげさらわれた人が、いるんだよ、
   きっと。
  
  茶さじ郎
   とんびは、人間に迷惑かけようとして、
   あぶらげさらったわけではないでしょ。
   それが、人間に対して迷惑な行為だとは、
   わからないだけです。
  
  くるり
   まあ、そんな迷惑がわからないのが、
   人間と違うところだけど、
   でも、あぶらげとられたら、腹たつけどね。
  
  茶さじ郎
   だけど、人間も、迷惑をかけていても、
   わからないことはあるのですよ。
   主人が、よく言ってることなんですが、
   「人に迷惑をかけないようにしなさい」
   ってよく言うけれど、それは無理だ。

  くるり
   って、言い切ってどうする。

  茶さじ郎
   最後まで聞いてくださいよ。
   どんな聖人君子だって、
   どんなに気をつけていたって、
   かけてしまう迷惑というものはある。
   たとえば、突然具合が悪くなって、
   迷惑をかけてしまうとかね。
   そういう自分の意に反した迷惑もあるし、
   また、自分では気づかないで、かける迷惑もある。
   迷惑は、そういうものでもあるからこそ、
   せめて少しでもかけないように、心がけるもの、
   そして、そのことを知れば、謙虚にもなれるはずです、って。
  
  くるり
   そういうことか。
   でも、最近の若者は、
   「人に迷惑かけなければ、何やってもいいだろ」って
   感じだけどね。
  
  茶さじ郎
   出ましたね、「最近の若者は…」が。
   江戸でも、お年寄りがよくこぼしてますよ。
  
  くるり
   お年寄り…。
  
  茶さじ郎
   自分の意に反してかける迷惑は、自分でもわかっている迷惑です。
   でも、自分が気がつかないで、かけている迷惑は、
   自分ではわかりません。
   たとえば、皆さんにわかりやすく、21世紀の話で言えば、
   あの車っていう乗り物がありますよね。
   あんな速いものを、お酒を飲んで、走らす人がいますね。
   その人は、今までも何事もなく走らせているから、
   自分は大丈夫と思っているわけです。
   「大丈夫なんだから、いいだろ。
   実際、何事も起きてないし、迷惑かけてないじゃないか。」
   でも、実際のところは、何事もなかったのは、
   その人の力ではなく、
   周りが危ないとよけてくれたり、
   止まってくれたりして、気をつけてくれたから、
   何事も起きてないということもあるわけですよ。
   そんなことは、永遠に本人にはわからないことです。
   なのに、自分は迷惑かけてないから大丈夫と思っているとしたら、
   滑稽でしょ。
   根拠のない自信過剰ほど、始末の悪いものはありません。
   だからこそ、謙虚な気持ちを忘れては、いけないのです。
  
  くるり
   そういえば、この間、歩いているときに、
   突っ込んできた車があって、
   危うくひかれそうになったのよ。
   こっちがよけなかったら、人身事故起こすところだったぞ、
   感謝せい!って、運転手をにらみつけてやったら、
   奴め、携帯電話に夢中で、
   全然、私のこと気がついてないの。
   お前、違反もしてるじゃないか!
   こんな奴に思い知らせるためには、
   ぶつかってやればよかったと思った。
  
  茶さじ郎
   くるりさんなら、本当にやりかねないですよね!
  
  くるり
   あ、あのねえ、茶さじ郎ちゃん、
   私のことどういう人間だって思ってるのか、
   やっぱり後で、じっくり聞かせてもらいますからね。
   話に戻りますが、つまりは、自分の髪の毛がなびいて、
   後ろの人の顔にあたってるのに、
   私は、誰にも迷惑かけないですからって、
   言ってるようなものだということね。
  
  茶さじ郎
   なんだか、くるりさんのほうが、
   古風なたとえですね。
  
  くるり
   おかげさまで、年寄りなもんで。
  
  茶さじ郎
   まだ、こだわってますね。
   ところでその、「お陰様」ですけど、
   偉大なものの影で、その庇護や恩恵を受けていることから、
   生まれたのです。
  
  くるり
   「親の七光り」みたいなものか。
  
  茶さじ郎
   そういう意味で、使われたのではないですけど。 
   主人は、この言葉について、さらにこう言います。 
   その偉大なものとは、
   自分が知ることなく受けている人様からの恩恵とか、目に見えない恩恵、
   そういう影ながら与えてもらっているもの、
   そういうものに、感謝を表す意味の、お陰様とも思いなさい。
  
  くるり
   なんだか、謙虚の極みだね。
   でも、謙虚も行き過ぎると、卑屈になるから、むずかしいんだよ。
  
  茶さじ郎
   謙虚すぎて、卑屈になるということは、
   ありえませんよ。
  
  くるり
   なんで?
  
  茶さじ郎
   確かに、自信過剰になると、謙虚さがなくなります。
   だからといって、自信過少になると、
   今度は、謙虚さが増えすぎると考えるのは安易です。
   自信のない隙間を埋めているのは、謙虚ではなくて、
   ただの弱気です。
   だから卑屈になるんですよ。
   
  くるり
   でも、さっき茶さじ郎ちゃん、親よりとんびが上みたいに言って、
   行き過ぎましたって言ったでしょ。
   あれ、謙虚の行き過ぎで卑屈になったんじゃないの?

 茶さじ郎
   本当に親をとんび以下と思っていたら卑屈ですけど、
   本当にはそう思ってないですからね。
   口先だけのものは、本当の謙虚とは言えませんし。
   行き過ぎたのは謙虚ではなく、謙虚らしく見せようとした思いです。
   謙虚そのものが過ぎて卑屈になることはなく、
   弱気や自信のなさを謙虚でごまかすから卑屈になるだけです。
   そこを間違わないようにすれば、安心して謙虚を極められるのです。
  
  くるり
   そう言われてもねえ。
  
  茶さじ郎
   さっき、言ったように、
   自分がいくらしっかりしているつもりでも、
   人間である限り、絶対ということはないのです。
   知らずにかけている迷惑を、知ることができなくても、
   そういうことがあるということを、
   知っていれば、いいのですよ。
   そうすれば、謙虚な気持ちにもなれるし、
   また、人から迷惑をかけられても、
   自分もどこかでかけているのかもと思えば、
   腹もたたないのです。
  
  くるり
   私の場合、どう考えても、迷惑かけてるより、
   かけられるほうが多いけどなあ。
  
  茶さじ郎
   根拠のない自信ほど、始末に終えないものはないって、
   言ったでしょ。
   それでは、ひとつ、教えてあげましょうか。
   くるりさん、この間、お店で買物していたとき、
   荷物で、商品をひっかけて落としたの、
   知らないでしょう。
   後ろの人が籠が通れなくて、直してましたけど、
   その人が落としたみたいに思われてましたよ。
  
  くるり
   そ、そうなの?
  
  茶さじ郎
   まだありますよ。
   くるりさんが、この間、お得意様に
   飛脚で送った書類ですけどね。
  
  くるり
   郵便って言ってよ。
   
  茶さじ郎
   あれは、重さによってお代が変わるんですよね。
   くるりさん、その重さを見間違えて、
   「切手」というのを勘違いして貼ってましたよ。
  
  くるり
   うそお〜!
  
  茶さじ郎
   あれは、お得意様にとっては、返してしまっても、
   なんの支障もないものでしたけど、
   お得意様が、自分も間違うことがあるかもしれないからって、
   負担してくれたんですよ。
   だから、人間、自信は必要ですが、
   根拠のない自信は持たないことです。
  
  くるり
   きゃあ、どうしましょ。
   どうせなら、そっちを、先に教えてよ!
 
  茶さじ郎
   だって、ほんとなら、これはわからないままのことなんですから。
   しかも、くるりさんったら、
   「ここは、いつもちびちび買うから面倒だ」とかなんとか、
   不遜なことを言ってましたよね。
   おめでた屋だったら、根性直しで、
   百叩きの上、市中引き回し、磔の上、打首獄門…、
   あれ?くるりさん、もういないですか?
   あらら、あんなとこをあわてて走っていきますね。
   くるりさんって、やっぱり
   単純でおもしろい変人だよなあ。
   
 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)


前←やる気を流し込みたい時向き編 やる気を流し込みたい時向き編→次

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ