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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

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               あっぱれ長屋のプラス話 第46号   

                〜知識を入れたら知恵を出せ〜          
                                     2005. 5. 5    




  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日は、大家の棚ぼた衛門さんです。
   ねえねえ、ご隠居さん。
   今度ご隠居さんが来たら、ぜひ話さなくては!と
   思ってたんだけどね、
   いつだったか、この世の自然や現象はすべて人生の暗示だって
   話してたでしょ。
   私も一つ、わかったよ。
   本当に、ご隠居さんの言ったとおりだね。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   この間ね、部屋の中に小さな虫が飛んでいて、
   外へ出て行きたくて、窓に何度もぶつかってたの。
   そこで、心優しいくるりさんは、
   風の強い日だったけど、
   窓を少し開けてやったんだ。
   でもね、その虫は横が開いてるのに、
   相変わらず同じところばかりにぶつかってるんだよ。
   何度、やっても同じとこばっかなんだから、
   出て行かれるわけないでしょ。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   馬鹿だねえ、おまえ。
   同じとこにぶつかっていては、外に出られないよ。
   ちょっとだけでいいから、横にずれてごらんよ。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   そこでひらめいたんだ。
   人間も何度やってもうまくいかないときって、
   これと同じことやってんじゃないかなあって。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   うまくいかないから、できないと思いこんでしまうけど、
   本当は道は開けてるんだ。
   ただ、見当違いのところに挑んでいるだけではないのか。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   ちょっと、目線を変えたりとか、
   常識をひっくりかえしてみるとか、
   とにかく、頭を柔軟にする必要性がよくわかったよ。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   ちょっと、ご隠居さん、さっきから、
   そうじゃ、そうじゃしか言ってないじゃない。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   ご隠居さん、ぼけました?
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
   あ!しまった…。
  
  くるり
   はー、ようやく、止まった。
  
  ぼた衛門
   そうじゃ、そうじゃ。
  
  くるり
   また、始めないでよろしい。
   人の話をきちんと聞いてよ。
  
  ぼた衛門
   くるりこそ、人の話をよく聞けって。
   「そうじゃ、そうじゃ」
   じゃなくて、
   「掃除や、掃除や」
   って言ってるんだよ。
  
  くるり
   どう聞いても、「そうじゃ」でしたっ!
   でも、なんで「掃除や、掃除や」なのよ。
  
  ぼた衛門
   今日は、お江戸はカラッといい天気。
   気候もいいしな、
   ばあさんや、ちょっと大掃除でもしようかという話になって、
   始めたとこだったんじゃ。
   そしたらな、みんな、いろいろと忙しくて、
   ここへ来られるのがいないってんだな。
   で、大家としては責任があるから、
   仕方なく来たけど、 
   早く戻りたいんで、
   さっきから「掃除や、掃除や」って、
   何べんも言ってるのにい。
  
  くるり。
   それはそれは、仕方なくお越しいただきまして、
   恐れ入りますことでございます。
   でもなんでそこだけ、
   関西風の言い方になるのでござーましょーか。
   わざと紛らわしい言い方になるので、ござーましょーか。
  
  ぼた衛門
   頭は柔らかくしとくもんだって、自分で言ってたろう。
   江戸っ子だって、関西弁を使うことがないとはいえないよーだ!
  
  くるり
   くー、くやしい…。
   まっこと、口の減らないじっさまだこと。
  
  ぼた衛門
   まあ、今日は急に来ることになったので、
   何を話そうかと思ってたけど、ちょうどいい、
   くるりのその話について、もう少しつけくわえることにしよう。
   その虫は、素通しの窓からなまじ景色が見えるだけに、
   惑わされたんだな。
   「景色が見えるのだから、間違ってないはずだ。」
   これが、「思い込み」の罠。
   一見、正しいように見えることが、
   実は、思い込みを招く罠だったりするってことだ。
   もし、わしらのところみたいに、
   木戸や障子で表と仕切ってあったら、
   表に通じるところの光とか風を感じて、
   探し当てることになろう。
   でも、そっちのほうが、へたなもんに惑わされず、
   確実に見つける方法だったりする。
   
  くるり
   虫だけでなく、私も惑わされてぶつかることがある。
  
  ぼた衛門
   そりゃ、ただ馬鹿なだけじゃろ。
   つまり、見てるようで、
   本質まで見ていないんじゃ。
   表の風を感じるか、
   という探り方もしてみることで、
   見えるものに惑わされにくくなるんだがな。
  
  くるり
   でもね、その虫も、そう思ったどうかは知らないけれど、
   いい位置に変わってきたんだよ。
   で、「おっ、出られるぞ!」と思った瞬間、
   さっきも言ったとおり、
   風の強い日だったでしょ。
   ぶわーっと風が吹き込んで、
   出るのに失敗したんだよ。
   つくづく、間の悪い奴で。
  
  ぼた衛門
   それそれ、それじゃよ。
   せっかく、風を感じるところまで来ても、 
   一度そういう目にあうと、
   本当は正解の道なのに、
   そこは違うと勘違いしてしまう。
   これも、落とし穴じゃ。
   でもな、そこで、
   ここは風が強いから行かれないと思うか、
   風があるということは、
   ここが間違いなく、表に通じる道だと思うかが、
   大事なことだろう。
  
  くるり
   そうか。本質を見なくてはね。
  
  ぼた衛門
   うまく行ってもいいはずなのに、
   うまく行かない時ってのは、
   余分な知識にふりまわされて、
   どこかそういう思い込みにはまったり、
   本質を見落としているところがあるんだな。
   何かをするときにはな、
   知識だけではだめなんだよ。
   知恵がなくては。
  
  くるり
   なんだか、似たようなもんだと思うけど。
  
  ぼた衛門
   全然、違う。
   知識は、外から入ってきて身につくものだが、
   知恵は自分の中から生み出されて、身につくものだ。
  
  くるり
   知識は教えられて、取り入れるもので、
   知恵は自分で考えて、実にするものということみたいな。
  
  ぼた衛門
   おー、くるりにしては、いいたとえだ。
   たとえばな、よく「ぼた衛門の知恵」と言うだろう。
  
  くるり
   言いません。
  
  ぼた衛門
   だから、本質を見ろ。
   つまりは、「昔の人の知恵」だ。
  
  くるり
   そこまで、わかるか。
  
  ぼた衛門
   これはだな、考えついたわしにとっては知恵だが、
   それを教えられたくるりにとっては、知識だ。
  
  くるり
   知恵はあくまでも、それを考えた人のものなんだね。
   それを教えるから、知を恵むと書くのかもね。
  
  ぼた衛門
   成功するためには、この自ら知恵を生み出し育む力、
   というのが、必要なんだ。
   21世紀には、何とかをする方法とかいう書物が溢れているけどな、
   それでいくら知識を身につけても、
   自分の知恵を育まない限り、意味がないんじゃよ。
   だから、行き詰るんだな。
  
  くるり
   知識を入れることばかりでなく、
   自分で考え、自分で知恵を生み出さないと
   成功しないってことだ。
   
  ぼた衛門
   当たり前と言ったら当たり前のことなんだが、
   けっこう、わかっているつもりで、
   わかっていないのが多いんだ。
   で、なかなか成功できないんだな。
   その虫は、けっきょく成功して、
   出て行かれたのか?
  
  くるり
   うん、時間はかかったけど、
   その子も、知恵がついたのか、
   風のやんだ隙を狙って、ひゅっと出てったよ。
   でも、おかげで、部屋中ほこりだらけで、
   後の掃除が大変だったけど。
   
  ぼた衛門
   おー、そうじゃ、掃除や。
  
  くるり
   だから、その言い方が、
   紛らわしいっていうの。
  
  ぼた衛門
   干した畳をしまわなくては。
  
  くるり
   えっ、畳まで干したの?
   なんで、こんな季節外れに、
   そんな本格的な大掃除するの?
  
  ぼた衛門
   いけない?
   
  くるり
   いや、そう正面きって言われると、
   否定する理由もないけど…。
   でも、年寄り二人なんだから、
   畳干しなんて、無茶しちゃだめだよ。
   重たいんだから。
   腰でも痛めたらどうするの?
   骨が折れたらどうするの?
   血管切れたらどうするの?
   そういうのを、
   年寄りの冷や水とか、年寄りの力自慢とか、
   老いの木登りって言うんだよ!
  
  ぼた衛門
   おまえな、心配して労わってるのか、
   脅しながらけなしてるのか、どっちだ?
   人を、そんなぼろくそに年寄り扱いするなって。
   わしゃ、こう見えても、体力には
   自信があるんじゃからな。
   だいたい、足腰の鍛え方が違う。
   軟弱な21世紀人と、一緒にはしないでくれ。

  くるり
   本質を見ることも大事なんでしょ。

  ぼた衛門
   何を言うか。
   こちとら、ちゃきちゃきの江戸っ子の血が、
   まだまだこの体中に、沸々とたぎってるんでえ。

  くるり
   また、急に若ぶって。

  ぼた衛門
   おっと、あまりゆっくりはできねえんだ。
   すぐけえらねえと、まだ掃除の途中なんでい!
  
  くるり
   最初っから、そういう言い方したらええねん。





 (発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。)


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