あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義
やる気を流し込みたい時向き編 
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あっぱれ長屋のプラス話 第50号
〜結果を出すのはいつでもできる〜
2005. 7. 7
くるり
みなさん、こんにちは。
梅雨の季節は、気分まで冴えなくていやですね。
気分が冴えないときは、気分転換ということで、
料理などをしている、料理好きなくるりです。
今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
ご隠居のおかみさんのおふくさんです。
ふく
こんにちは。
あれ〜、くるりがおさんどんしてるよ。
熱でもあるのかい？
おまえ、やりつけないことしたら、
よけい雨が降るじゃないの。
くるり
しーっ！
あーあ、せっかく私が料理好きだ、
ということにしといたのにい。
ふく
くるりの料理好きってのは、
できた料理を食べるほうの、
料理好きじゃないか。
でも、いったいどうしたの？
くるり
梅雨空みたいに気分も、どよんだから、
気分転換にと思ってさ。
ふく
そういえば、どよんとした顔してるね。
何を、そんなにどよん、
じゃなくて、
よどんでいるのかい？
くるり
だってさ、自分では一生懸命がんばってるのに、
努力がむくわれないっつうか、
頑張っても頑張っても、
うまくいかないことばかりなんだよ。
努力した分の結果は必ず出れば、
頑張り甲斐もあるのに。
ふく
結果が出るかどうかわからなくても頑張れるってところにも
意味があるんだよ。
くるり
建前としてはそうだけど、
やっぱり、努力が報われないってのはね…。
私は、寝る間も削って、頑張ってるんだよ。
ふく
っていうのは、売買的考え方だよ。
これだけのものを払ったんだから、
見合うものが来ないのはおかしい、っていうところだね。
でも、自分が思う価値と、相手が思う価値が、
一致するとは限らないんだよ。
くるり
だから、無駄な努力に終わることもあるってこと？
ふく
無駄な努力っていうのは一つもないんだよ。
いつか、役にたつこともあれば、
知らないところで役にたってることもある。
本人にとっても、すべて経験になるんだからね。
くるり
そんなわかったようなわからないような結果より、
私は今すぐに、はっきり見える結果がほしい。
もう、やる気なくしちゃうよ。
ふく
結果、結果って、
そんなにあわてて結果を出したいなら、
今の状況を結果にすればいいじゃないの。
くるり
えー、そんな殺生なあ。
ふく
ってことは、まだやる気なくしてないってことじゃないの。
くるり
あれ？
ふく
一口に、結果がほしいというけどね、
ここで言う結果とは、
いいほうの結果のことだよね。
それを言うなら、成果と言ったほうがいいよ。
くるり
どっちにしろ出てなきゃ一緒。
ふく
困ったもんだね。
だいたい、「結果が出ないのであきらめる」ということは、
「ある経過の一部分を、結果とみなした」というだけのことに
すぎないんだよ。
つまり、どの時点を結果にするかは、
人間が勝手に決めてること。
ということは、いつでも結果を出せるってことでもある。
くるり
じゃあ、結果が出ないって言ってるうちは、
まだ結果とみなしてないってことだね。
ふく
そうだよ。
まだ、頑張れる力があるじゃないか。
それに、たとえいい結果につながったとしても、
そこで終わりにしてしまったら、
それもあきらめたのと同じ状態になってしまうんだよ。
だから、それ以上発展していかない。
くるり
だったら、結果を延々と先延ばしして、
死ぬときまでわからないってこともできるんだ。
あっ、死んでからも、わからないか。
生きてるときに芽の出なかった芸術家が、
死後名声があがったってこともあるしねえ。
ふく
えっ、おまえも、そのために、
寝る間も惜しんで頑張ってるのかい？
なんか、そんな才能があったっけ？
絵も書も文も赤子なみでしょ、
手先は不器用でしょ、
声もひどいでしょ…
あとは、他に何かあったかね？
くるり
そんな真剣になって、考えないでください。
私の場合は、おしごとを頑張ってるの。
だから、死ぬときまでにとか、
死んだ後を結果とするような、
悠長なことはしてられないの。
生きているうちに、結果が出ないと意味ないんだってば。
ふく
だから、さっきも言ったけど、
結果ではなく成果と思えばいいんだよ。
成果なら、出ているはずだよ。
たとえ、大きなものはなくても、
小さな成果はたくさんある。
少なくとも、頑張る前のくるりと、
今のくるりを比べたら、
今のくるりのほうが、経験を積んでいるし、
前にはできなかったことができるようになってたり、
前には知らなかったことを知ったりって、
それらは、みんな成果だよ。
その小さな成果を大きくしていくことが、
いい結果になるんだって。
くるり
だって、それを大きくさせるために頑張ってるんだけど、
うまくいかないのよ。
それに、結果の時期を決めるのは自分だというのは、
わかったけど、
私みたいに、時間的に許されなかったら、
やっぱり、不本意でも、
どこかで結果として決めなくてはいけないし。
ふく
じゃあ、もしいい結果を出せないようなら、
くるりはどこかであきらめるんだね？
くるり
仕方ないでしょ。
お金が入らないなら、生活できなくなってしまうし。
ふく
それでいいの？
くるり
よくないけど、仕方ないじゃない。
ふく
よくないけど、うまく行かないなら仕方ない。
その程度の思いだから、大きく育たないんだよ。
「頑張るけど、このままもし大きくさせられなかったら、
あきらめるしか、仕方ないのかなあ」
という人に育てられるのと、
「なにがなんでも、大きくさせるしかない」
という人に育てられる差だよ。
小さな成果しかないというのは、
自分では頑張ってるつもりでも、
まだ、それだけのことしかしてないか、
見当違いのことをしてるってことだよ。
植物の実を育てるのと、まったく同じことさ。
くるり
厳しいこと、おっしゃいますのう。
ふく
あせって、せっかくついた実を摘んでしまうことのほうが、
よっぽど馬鹿らしいこと。
「これは、まだ結果ではない」
そう思えば、もっと大きくさせなくてはと思うでしょ。
それを、結果としてしまったときに、
思うような結果が出なかったって、
落ち込んでしまうんだよ。
くるり
でも、結果がなかなか出ないのは、むなしいもんだよ。
ふく
時間をかけて頑張って作ったのに、
できた料理がまずかったら、やる気をなくすね。
でも、もし誰も作ってくれず、
出来合いのものも買って食べることができない、
という毎日になったら、どうする？
料理ができなければ、まともな食事にはありつけないとなったら、
やる気をなくすなんて、言ってられないよ。
とにかく、何かしらやらないといけなくなる。
そして、やってる限り、成果は積み重ねられて、
大きくなっていくんだよ。
そうしているうちに、うまくなってくる。
その速さは、人それぞれだけど、
その差は、
「おいしいものを食べたい。」
という思いがどれほど強いかによるんだよ。
くるり
たとえ、うまくできなくても、
料理をまるでしない頃の自分に比べたら、
経験を積んでいる、と思って、
あせらず、そして熱い思いを忘れずにだね。
ふく
そうそう、焦がれるくらいの熱意を忘れなければ大丈夫。
それを、くるりみたいに、ただ腐ってれば、
せっかくのこれまでの成果まで腐ってしまうよ。
道理で、なんか臭うのかねえ。
くるり
あっ、いけない！
鍋を火にかけてたのを、忘れてた！
ふく
馬鹿だね。
焦がすのは、熱い思いだけでいいんだよ。
（発行マガジンより、若干訂正して本文のみ掲載しております。）
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