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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

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               あっぱれ長屋のプラス話 第69号   
  
                〜 努力も苦労も固定観念 〜       
                                     2006. 7. 23
 



  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   浪人の親又天之太助さんです。
   天さん、今回は早いね。
   確か2,3号前に来たばかりなのに、
   またすぐやって来たなんて、
   さては私に惚れたな。
   でも、既婚者はおことわり。
  
  天之太助
   わー、今日はせっかく長屋から逃げてきたのに、
   こっちからも逃げたくなった。
  
  くるり
   逃げなきゃならないことでもやらかしてきたの?

  天之太助
   そんなことするわけなかろう。
   ただ、長屋に母上がやってくるってんで、
   またお家再興をうるさく言われるから、
   逃げてきただけ。
     
  くるり 
   ってことは、母上をおとくさんにまかせて、
   自分だけ逃げてきたの?
      
  天之太助
   急に大切な所用ができて出かけましたってことで、
   おとくには、使いに行ってもらったんだ。
   わしがいないとなれば、母上も、あきらめるだろう。
     
  くるり 
   へえ、そういうときだけは、
   ここに来るのは大切な所用扱いになるわけだ。
    
  天之太助
   まあまあ。
    
  くるり
   親又家って武士の中でも上級家系なんでしょ。
   こだわるのもわかる気がするけど、
   天さんは、なぜ上級武士の家柄に、
   こだわらないの?
    
  天之太助
   身分とか家柄なんてものは、
   人間が勝手に作った固定観念にすぎないからだ。
   殿様はえらいというが、
   殿様がいなくなっても、農民は困らない。
   でも、米を納める農民がいなくなったら、殿様は干上がっちまう。
   固定観念を捨てると、違うものが見えてくる。
   21世紀でも、人間が作り出した地位と、
   人格の地位とは一致してないだろ。
   だから、そういう固定観念だけで見てしまうと、
   人間までゆがんでいってしまうんだ。
    
  くるり
   つまり、お母上もゆがんでいると?

  天之太助
   そ、そういうわけではないがな。
   ただ、お家再興と言っても、別に親又家の血筋が絶えたわけではない。
   藩のおとりつぶしと共に、そこに仕えた親又家も、
   武家ではなくなっただけだ。  
   だが、母上がこだわるのは、社会的固定観念に縛られた
   武家としての親又家再興なんだ。 

  くるり
   親又家は武家でなければならぬ。
     
  天之太助
   それそれ。
   いくらそう思っても、
   武家社会が消えれば、何の意味もないことなのは、
   くるりたちのほうがよくわかるだろう。
   そういう考え方は、社会的固定観念だけでなく、
   自分を見るときの観念でも、間違いの元。

  くるり
   自分はこういう性格だから、どうせこの程度のもんだとか、
   自分はこういう人間だから、こうあらねばならないとか、
   自分で自分をがんじがらめにしてしまうみたいな?

  天之太助
   そうだ。
   そもそも人間ってのは、あらゆる要素を持っていて、
   どの部分の傾向が強く出てるかってだけのこと。
   その証拠に、人間はいくらでも変わるであろう。
   それなのに、今出ている部分が自分のすべてなんだ、
   という固定観念を作り上げて、そこにはまってしまう。
   なぜなら、そうすることで自分が見える気がするからだ。
   だが、そういう固定観念にはまると、苦しむことにもなる。
   だから、はずしとけばいいだけのこと。
    
  くるり
   と、簡単に言うけど、
   それはなかなかできないもんでね。
    
  天之太助
   それも固定観念だ。
   はずせないと思うからはずせない。
    
  くるり
   それに、社会的固定観念のほうは、
   自分の力だけでは変えられない面もあるから、
   なおむずかしいよ。
    
  天之太助
   それと比べたら、
   自分を見る固定観念は、自分だけの問題だぞ。
   そして、自分を見る固定観念から自由になれる人間が増えた時に、
   社会の固定観念も変わってくる。

  くるり
   なぜ?

  天之太助
   自分を決めつけている固定観念から自由になれたら、
   常に自分を認め、自信が持てるようになる。
   そういう人間になったら、
   社会的地位で、自分というものを評価しようなんて考えない。
   自分に自信が持てなかったり、自分を把握してないから、
   社会的地位の固定観念で、自分の価値を決めようとか、
   決めなくてはいけないという方向に向かうんだ。
         
  くるり
   身分より自分!というわけだ。
    
  天之太助
   そうそう。
   実はな、以前の社会的地位の伝手を利用すれば、
   仕官先の一つや二つくらいはみつかる。
   事実、そういう話も来る。
   だからこそ、母上もあきらめないのだ。
   だが、せっかく自分の力で自分の価値をはかれる機会を得たのに、
   なんでまたそういう社会的地位の力を利用しなくてはならぬのだ。
   今のほうが、よほど充実しておるのは、
   まぎれもない事実。
    
  くるり
   本当に固定観念が、はずれまくりの人だ。
   でもね、あまりはずれすぎると変人扱いされるのも、
   また事実。
    
  天之太助
   人の道からはずれず、自分を信じられれば、
   はずし方は間違えてないから大丈夫。
   変人扱いされることが気になるうちは、
   固定観念からはずれていないってことだ。
      
  くるり
   だけど、地位にこだわる人間が減らないのは、
   社会的地位と収入が比例するからってこともあるよ。
   天さんだって、浪人となってから、
   生活は大変だし不便になったでしょ。
   実際問題、誰だって、
   貧乏より裕福なほうがいいじゃないの。
    
  天之太助
   だからこそ、頑張ろう、
   って気持ちがわいてくるのではないか。
   そして、それが楽しくて張り合いがあるものになったのではないか。
   自分らしく生きて、裕福になるための苦労や努力ができる、
   ということだけでも、
   それさえできない状態から見たら、
   ずっと幸せなことに思えるくらいだ。
    
  くるり
   いつまでもうまくいかなくて、余裕がなくなったら、
   そんなことも言えなくなるよ。
   苦労の連続をしたあげく、
   努力がむくわれないってこともあるんだから。
   そんなつまらないことするより、
   楽してのうのうと暮らせる、
   仕官の道を探したほうがいいんじゃない?
   せっかく、それができるところに生まれたんだから、
   そのほうが、お母上も喜ぶでしょ。
     
  天之太助母
   この、馬鹿者が!
    
  天之太助
   ぎょえ!
   はっ、母上!  
  
  くるり
   えっ、母上?  
  
  母
   こら、くるりとやら!
   楽してのうのうと暮らせるために、仕官の道を探せじゃと?
   親又家は、そんな腑抜けた家ではござらぬ!
   努力と苦労をすることで、
   結果が後からついてきたというのが親又家なのですぞ。

  天之太助
   そうです、母上。
   だからこそ、私は、その家風を受け継いで、
   これを機会に、今度は町人として頑張る道を選んだのです。 

  母
   よいか、くるり。
   だいたい、おまえの言い方だと、
   苦労はつらいもの、努力はしたくないもの、
   と決めつけておる!
   それも、固定観念じゃ!
    
  天之太助
   そう、そのとおりです!
    
  母
   苦労というのは、そう思ってしたときに苦労となるものです。
   努力というのは、そう思わないでしたときに努力となるものです。
    
  天之太助
   まさに名言!
   さすが母上、いいことをおっしゃる!
    
  母
   裕福になるには、
   努力と苦労なくしてはありえない。
   そして、たとえ裕福になっても、
   子孫が努力と苦労を嫌って遊びほうけていたら、
   財産を食いつぶす。
   裕福になることばかりでなく、裕福であり続けるのにも、
   努力と苦労は不可欠のものなのですぞ。
   ただそれを、つらい努力や苦労と感じるかどうかは別、
   という話じゃ。
   そして、そういうところから、
   成功者は出るものじゃ。
   わかったか!!
     
  くるり
   は、はい!わかりました!
   あの…その前に一つだけ、言ってもよろしいでしょうか…。
    
  母
   なんじゃ。
    
  くるり
   その薙刀は21世紀では、
   むやみに持ち歩きますと銃刀法違反になると思いますんですが…。
      
  母
   私は江戸の人間だから関係ない!
    
  くるり
   はい!わかりましたっ!
      
  母
   それから天之太助!
   母は、確かに社会的固定観念に縛られたゆがんだ人間ともとれる。
    
  天之太助
   え、そこも聞いてた?
   いや、ええ、じゃなくて…、
   しかし母上、これまでのお話、
   やっと私の気持ちをわかってくれたようで、
   ありがたく思います。
    
  母
   誰がそんなことを言ったか。
   お家再興を果たさぬうちは、おまえも、
   ご先祖さまの徳と心を食いつぶしてしまった子孫も同然じゃ!
   だからこそ、それを取り戻すために、努力と苦労をせい!

  天之太助
   えー、なんでそういうところに落ち着くのー。

  母
   黙れ!  
   固定観念の話の最後に、今度は観念して二人ともそこへなおれ!
   まず、その根性をたたきなおしてやる!
   やー!!  
  
  天之太助、くるり
   わー、助けてー!


 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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