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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

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             あっぱれ長屋のプラス話 第52号   

                  〜とくの徳と得の話〜            
                                     2005. 8. 2    

 


くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋のお客様は、
   浪人天さんの奥方、おとくさんです。
  
  とく
   「かかあ」でけっこうです。
  
  くるり
   それは、いくらなんでも、くだけすぎでしょう。
   「ての字のかかあ」なんて、そんなこと…。
  
  とく
   もっと、くだけておりますけど。
   あのね、易者のどう造さんが、おはぎさんのことを、
   「うちのかかあがよー」ってよく言うでしょ。
   それがなんか、「夫婦」って感じで、とってもいいのよね。
   「だんなさま、私もかかあになりたい!
   今度からは人様の前では、うちのかかあと言ってくださいね。」
   ってお願いしたの。
   
  くるり
   でも、そしたら、おとくさんも、
   だんなさまなんて呼ぶのは変でしょ。
  
  とく
   ええ、だから、
   「今日から、だんなさまも
   人様の前では、うちの宿六って、
   申し上げますからね」
   って。
  
  くるり
   普通は、人様の前で、丁寧になるものだけどね。
   でも、天さんも、面食らったでしょう。
  
  とく
   いいえ、大喜びでした。
  
  くるり
   よくわからん夫婦だ。
   もっとも、浪人になったのを、
   これ幸いと喜んでいる夫婦だから。
  
  とく
   ほんとは、「おまえさん」とか「あんた」とかって、
   大っぴらに言ってみたいんですけど、
   お家再興命のお義母さまがいらしている時に、
   つい出てしまったら、大変ですので、
   これはひそかな楽しみで。
  
  くるり
   「おまえさん」が、そんなに怪しいものになるとは
   思わなかった。
  
  とく
    でも、その点、だんなさまの場合は、どっちにしろ、
   「おとく」で済むのですから、ずるいわ。
   そこで、今日は、私の名前にあわせて、
   「徳」と「得」の話にしました。
  
  くるり
   ずるいからって、どうしてそうなるのかが、
   よくわからないけど、ともかくは、
   おとくさんのおとく話というわけだね。
  
  とく
   はい。
   21世紀の方たちは、
  「徳」の話となると、敬遠するでしょうけれど、
  「得」の話は大好きでしょう。
  
  くるり
   大好き大好き!
   だって、徳は目に見えないけれど、
   得は、はっきりわかるもの。
  
  とく
   徳を積むことだって、目に見えるのよ。
   雰囲気や顔つきに現れてくるもの。
   だけど、そもそも目に見える得があっては、
   徳にならないのです。
   自分の心が、損得抜きでそうしたい、
   と自然に思えてくることでなくては。
   
  くるり
   だからこそ、徳を積むのは大変なんじゃない。
   損得抜きで、自然体でできるようにならなくては、
   積めないものだからこそ、なお、むずかしい。
   
  とく  
   その「徳を積む」って言い方ですけど、
   なんで積むって言うのでしょう。
   「得」は、具体的なものにも、抽象的なものにも使われるけど、
   「徳」は、抽象的なものだけでしょ。
   その抽象的なものを、積むというのは、なぜでしょう。
  
  くるり
   さあ。
  
  とく
   少しは考えなさいな。
   積むということは、それまでのものが
   なくなっていくようでは積めません。
   つまり徳は、蓄積されて、積み上げていくことが前提なのです。
   これに対して、得る得は、ずっとあるものばかりとは限らないから、
   積むわけにはまいりません。
  
  くるり
   なるほど。
   「経験を積む」って言うのと同じだね。
   段階的に、積み上げていかなくては、
   意味がないものなんだ。
   そうか、最初から、
   ご大層な徳を積まなきゃいけないと思うから、
   敬遠してしまうけど、
   そんな無理しないで、
   小さなことでも、自分ができることを
   すればいいんだね。
   初心者ですからって。
  
  とく
   もちろん。
   そういうことから、大きなことも
   自然にできるようになるのよ。 
   そもそも、人間は徳があるから、
   人間として生まれてくることができたのよ。
   だから、できないことはないの。
  
  くるり
   そういえば、徳をなくすようなことをするのは、
   非人道的なことをした場合だもんね。
   ということは、逆に徳を積むことは、
   人間を極めるってわけだ。
   生まれた時に持ってきた徳を、
   さらに積むも、減らすもその人の生き様しだい。
  
  とく
   そのとおり。
   これに対して、得る「得」は、
   人生のなかで、後天的に得ていくものに対して、
   主に使われるの。
  
  くるり
   なんだか、今日は法話みたいだな。
  
  とく
   たとえば、「お徳用」って書かれた品物。
   あれ、なぜ「お得用」ではないんでしょ。
  
  くるり
   と思ったら、突然、生活感あふれる話になってしまった。 
   でも、そういえばそうだね。
   本来なら「お得」だよね。
  
  とく
   これは、たとえばね、こういうことではないかしら。
   「くるりさん、こちらはお徳用になっております。
   徳のあるあなただから、
   これにめぐりあえたのです。」
  
  くるり
   いやー、何をおっしゃいますの。
  
  とく
   「くるりさん、徳のあるあなただから、 
   私はこれをご奉仕価格でさしあげたいのです。」
  
  くるり
   またまたあ。
  
  とく
   「くるりさん、徳のあるあなたにご奉仕させていただくことで、
    私にも徳を積まさせてください。」
  
  くるり
   そっ、そう?
   では、ひとつ、もらいましょうか。
  
  とく
   私、商いの才能があるかしら。
   これも、手ね。
  
  くるり
   どこから、商売の話になってるんだよ。
  
  とく
   あのね、いろいろな説はあるんだけど、
   私の見解は、こうよ。
   「得る」となると、
   現実的に得るものという意味合いが強くなるから、
   「お得用」は、いかにも直接的。
   それを、心のありかたに置き換えて、
   現実的な売買も、心があるものにしたいという思いが、
   「お徳用」に表れているのだと。
  
  くるり
   でも、お買い得のときは、得のほうだよ。
  
  とく
   「買う」と言う言葉自体が、もう現実的なことですから、
   そこに「徳」をつけたら、かえって変でしょう。
   やっぱり現実的な「得」でないと。
  
  くるり
   そこで、一番最後に目立たないように、
   こっそりつけるわけだ。
  
  とく
   別にこっそりつけてるわけではないと思いますけど。
  
  くるり
   私は、とにかく安ければ、
   「得」だろうが「徳」だろうが、
   どっちでもいいけどね。
  
  とく
   くるりさんの場合は、安いとつい買いすぎちゃって、
   「お買い毒」。
  
  くるり
   たしかに…。
  
  とく
   生きていく上では、たびたび、
   徳をとるか、得をとるか、
   ってことに遭遇すると思うの。
   そのとき、つい現実的な得のほうに、
   目がいってしまうけど、
   思い出してほしいのは、
   目先の得をとって、徳を逃すことはよくあるけれど、
   目先の徳をとっても、得を逃すことはないってこと。
  
  くるり
   「損して得とれ」みたいなもんだね。
  
  とく
   それは、現実的な「得」についての場合ね。
   「徳」の場合は、「尊して徳とれ」。
   つまり、自分という人間を尊んで徳をとって、
   自分という人間を貶めないってこと。
  
  くるり
   でも、精神的な徳だけでは生きていけないからね。
  
  とく
   徳狐ならず必ず隣あり。
  
  くるり
   は?
  
  とく
   徳のある人は、まわりに感化を与え、
   また人が集まってくるってこと。
  
  くるり
   でも、つきあって得のある人も、気になるよ。
  
  とく
   では、得はなくても徳のある人と、
   徳がなくても得のある人と、
   同じような気持ちでおつきあいできる?
   損得だけのおつきあいしかできない人より、
   心からのおつきあいができる人が、
   まわりにたくさんいるほうが、
   自分も幸せでしょ。
   徳を積むということは、
   人も自分も幸せな気分でいられることよ。
   そして、積むというからには、
   蓄積されなくてはできないことだ、
   ということを忘れずに。
  
  くるり
   はい。
   私は、まだまだ、そんな積めるような、
   立派な生活をしておりません。
   まだまだ初歩の域ですが、頑張ります。
  
  とく
   そんなことないわよ。
   くるりさんは、だいぶ蓄積されているもの。
   なかなか、いい生活しているようだわ。
  
  くるり
   え?そう? 
   へー、やっぱり、見えるもんなんだ。
   そんなにわかる?
   
  とく
   ええ、だってこんなに蓄積されてますもの。
   ほら、このお肉。
  
  くるり
   だから、どこから贅肉の話に変わったんだよ。 

 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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