あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義
幸せになりたい時向き編 
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あっぱれ長屋のプラス話 第16号
〜心の耐寒対策〜
2004. 2.12
くるり
今日はご隠居のおかみさんのふくばあさんです。
ふく
くるり、「ばあさん」は余分。
くるり
はいはい、それでは、ふくさん、冬は寒くて嫌だね。
ふく
なんのなんの、江戸の寒さに比べたら、
２１世紀の冬なんて、生ぬるいもんだよ。
くるり
今より暖房がない時代に、
今より寒いんだから、
つらいよね。
ふく
人間なんて、厳しい環境にあれば、
それに合わせた体ができてくるもんだ。
ぬくぬくになれちまった２１世紀の人間には耐えられないだろうがね。
そりゃ、しもやけ、ひび、あかぎれなんてのは、
２１世紀より多いかもしれないけど。
くるり
私なんて、今でもしもやけだらけだよ。ほら手も足も。
ふく
あらほんとだ。
おやまあ、顔まで、ひどいしもやけだらけじゃないか。
くるり
あのー、顔にはできてないんですけど、一応…。
ふく
どっちにしろ、くるりが江戸に来たら、全身しもやけだらけだね。
くるり
でも、どうやったら寒さに負けないでいられるんだろ。
ふく
寒くたって、体があったまってれば、あまり寒く感じないもんだ。
寒さに立ち向かうのにいい方法は、体自体をあっためること。
くるり
だいたい、寒さに強い人っていうのは、
体の発熱能力が高いんだもんね。
ふく
体の発熱能力が高ければ、寒くても寒く感じないように、
心の発熱能力が高ければ、困難も困難に感じない、
何事にも張り切って立ち向かえるんだよ。
反対に、寒いと縮こまってしまって動くのが嫌になるように、
心が寒くなると、心が狭くなって何もしたくなくなる。
くるり
だから心の寒い人間は、冷たいんだ。
ふく
どちらも冷えきってしまったら、
待っているのは死！
くるり
脅かすか。
ふく
でも、大丈夫。
心の場合の死はあっためることによって、
よみがえらすことができるんだ。
くるり
どうやって？
ふく
まずは「愛」。
愛が生まれた心は、熱く燃えて前向きになれる。
くるり
余計冷え込んだ。
ふく
そうか、くるりこのあいだ失恋したとかで、長屋でみんなの笑い話になって
たっけ。
くるり
なぬ？
ふく
だけど、立ち直ったって、たて太郎が言ってたけどね。
まだだめなのかい。それは悪かったね。
でも、愛ったって、恋愛だけじゃないよ。
愛らしいものを眺めて、愛を心に沸き立たせるという手もある。
くるり
じゃあ私の場合は、自分の顔を眺めてればいいから楽だわ。
ふく
思いっきり、立ち直ってるじゃないか。
まあ、くるりの顔はくるりしか通用しないだろうが、
何か愛らしいものを見ていれば、心が和んできたり、慰められたりする。
そうなると、あったまってきてるね。
冷え切ってゆとりのない心になると、子供の笑顔とか可愛い動物見たりしても、
何も感じないくらい、無感動になってしまうから、そうなる前に予防だよ。
次に「感謝」。
くるり
あのねえ、おふくさん、なんか愛とか感謝とか、ありきたりすぎ。
そんなことくらいでは、みんな驚かないよ。
ふく
まったく、２１世紀の人間は刺激の多い生活をしているせいか、
ありきたりのことだと感動しない。
だけどくるり、ありきたりってわかっているんなら、
もうとっくにやってるんだろうね。
くるり
ギクッ…
ふく
ねっ、実際にやっている人間は、そういないんだ。
ありきたりだって決め付けた段階で、もうやろうとしない。
でも、それだけ効果があるから、ありきたりになるんだよ。
騙されたと思ってやってみな。
くるり
そういえば、おふくさん、この前のときも言ってたよね。
どんなについてない日でも、悪いことよりいいことのほうが
たくさん起きているんだから、
いいことだけに目を向けて、感謝の念を頭に刻んで眠りなさいって。
ふく
そうだよ。
いいことのほうが、実はたくさん起きているから鈍感になって、
ありがたみを忘れてしまう。
悪いことは少ないから、起きるとそこばかりに目が行って囚われてしまう。
それだけのことなんだから、そんな悪いことはほっといて、
とにかく感謝できるものを片っ端から見つけて、
感謝しまくる。
腐ってないごはんに、ありがとう。
歩いているときに、鉄砲玉が飛んでこなくてありがとう。
水汲みに行かないでもすんでありがとう。
くるり
すごい感謝の仕方だね。
ふく
だけど、実際にこういうことが起きている場所は、
２１世紀になっても地球上に残っているじゃないか。
くるり
ついにこのメルマガも社会問題に進出か。
ふく
とにかく、感謝できる自分に感謝したっていいくらい、
なんでもかんでも感謝しまくるんだよ。
扉が開いたことでも、歩けたことでも、無事に階段を登りきったことでも、
とにかくなんでもいいんだ。
これはこの前の話と、同じこと。
くるり
いくつ感謝できることを見つけられるかって、
遊びみたいにやってみたら、おもしろくなってくるかもね。
でも、まず、その気にならないといけないんだよね。
ふく
寒い朝、着替えるときのことを考えてごらん。
寒いよーって、着替えるのをぐずぐずしていたら、
寒さは増すばかり。
でも、その寒さに立ち向かう覚悟を決めて、
一瞬寒いのを我慢して、ぱっぱっと暖かい服に着替えたら、
寒いよーって感じている時間は結果的に短いんだ。
くるり
まず、着替える気になる。
ふく
心が死ぬか生きるかってところまで、冷えきってしまうのは、
常にあっためていないから。
体は冷えきると命の危機を感じて、なんとかしなくてはって気にもなるが、
心が冷えきるだけなら、体は生きているから、
生きる屍になるだけですんじまうんだね。
くるり
生きる屍も、いやだよ。
ふく
だから、ここまでいかないうちに、常にあっためとくんだよ。
やる気がおきない、感動できない、何をやってもおもしろくない、
気分が晴れない、思いやりが持てない、いらいらする、
そういう陰にこもった気分になったときは、心が冷えてきている。
体をあっためるのに、お酒を体内に流し込んだり、
お風呂に漬かったりするように、
心をあっためるのには、愛を心に流しこんだり、感謝に漬かってみる。
くるり
いつも心に、愛と感謝。
わかっているなら、馬鹿にする前にまず実行！
ふく
くるりみたいに顔がしもやけだらけも困るけど、
心にしもやけ作ってしまうのも困るからね。
くるり
だからあ、顔にはできてないってばあ…ばあ…ばあ…ばあ…。
ふく
わざと言ってるね、こやつめは。
（発行マガジンより、若干手直しして本文のみ掲載しております。）
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