メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」より 気分で読むバックナンバー


あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 幸せになりたい時向き編  





バックナンバー総覧へ


メルマガ登録はのほ本屋から



  
 
              あっぱれ長屋のプラス話 第93号   

              〜 人のふり見て我がふりを見ず 〜       
                                      2007. 12. 10     


  

  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客さまは、
   おなか姉さんの茶屋を手伝うおとめちゃんです。
  
  とめ
   こんにちは。
  
  くるり
   おとめちゃん、聞いてくれる?
   この間のことなんだけど、
   道でどこかのおばあさんが、
   うっかり小銭をばらまいちゃって、
   あたり一帯に転がってしまったの。
   そうしたら、その瞬間、まわりを歩いていた人たちが、
   いっせいに腰をかがめて、拾いだして
   子供までが、遠くにころがっていく小銭を、
   追ってったりしたんだよ。
  
  とめ
   それでみんな、そのまま逃げたの?
  
  くるり
   失礼な。
   いくら21世紀でも、そこまでは荒んでないよ。
   みんなおばあさんのところに持っていきました!
   私もね、世の中、まだまだ捨てたもんじゃないって、
   感動したのよ。
  
  とめ
   そんなの、感動するもなにも、
   人として、当たり前のことじゃない。
   わざわざ聞いてくれる?なんて言うから、
   そうでない展開があったのかと思って、
   逃げたのかって言ったんだよ。
  
  くるり
   あらま。
  
  とめ
   それと、くるりさん、言ってることが矛盾してるよ。
   21世紀はそこまで荒んでないって言うわりには、
   世の中、捨てたもんじゃないって感動した、って、
   変じゃない?

  くるり
   あれれ?

  とめ         
   つまりくるりさんは荒んでないと口では言いつつ、
   誰も拾ってあげないだろうって思ってたわけよ。
   だからこそ、拾ってあげてる姿を見て、
   感動したわけでしょ。
  
  くるり
   一番荒んでるのは私?
  
  とめ
   くるりさんが、誰も拾ってあげないと思ってる何よりの証拠が、
   くるりさん自身、その光景を見ていながら、
   拾うのを手伝ってない。
        
  くるり
   あっ、それはね、
   私は少し離れたところにいたからよ。
  
  とめ
   江戸だったら、そんな光景を見たら、
   離れていたって、
   助太刀にかけよったり、
   知らないで通りかかった人も、
   一緒になって拾ったり探したりしてくれる人はたくさんいるよ。

  くるり
   またまたあ。
   私がわからないと思って、
   そんな見栄はらなくたっていいって。
   いくら江戸だって、
   そこまでやってくれる人は、なかなかいないって。

  とめ
   ほらほら、本性が現れだした。

  くるり
   私は化け物か。
   ええ、ええ、確かに私は拾いにいきませんでした。
   でも、私だって、そばにいたなら、
   絶対に拾ってあげるくらいのことはしてる。
      
  とめ 
   だったら、なおさら、
   そばにいる人は拾ってあげないだろうって考えは、
   人を見下してない?
   
  くるり
   あ。

  とめ
   思ってたよりいい人だった、
   ってことは、
   もっと悪い人だと思ってたってことだもんね。
   
  くるり
   拾ってない私が、拾ってあげてる人たちより、  
   上の位置から見てたってこと?
   わー、どうしよう。

  とめ
   まあ、そんなに落ち込まないで。
   21世紀も江戸の日本も、
   戦のない平和な世だから、こんなことも言えるけど、
   もし、これが皆が貧困にあえいでいる世の中だったら、
   それこそ、ばらまいてしまった途端に、
   あっというまに持ち逃げされてしまう、
   ってことにもなるかもしれないんだから。
  
  くるり
   いつか、天さんが、
   殺人はしないと思えるのが普通の人間だけど、
   戦場で殺されそうになったら、
   そういう人だって、人を殺めてしまうかもしれない、
   って言ってたのと同じことだね。
  
  とめ
   人の心を、どこまで保てるかってことよね。
   そういう荒んだ世の中で、
   同じような光景が展開したら、
   くるりさん式での感動も、
   ありえるかもしれないけど。
  
  くるり
   くるりさん式ってのは、
   やめてもらえません?
   じゃあ、おとめちゃんが同じ光景を見たら、
   あたりまえのことだから、感動しないわけ?
  
  とめ
   拾ってくれてる人がえらい、
   って思いより、
   「おばあさんが、お気の毒。」
   ってほうが、先に来るでしょ。
   そう思うから、何か手助けできないか、
   ってことで駆けつけることになる。

  くるり
   おばあさんの立場に立った見方から入れば、
   自然とそれに合わせた行動ができるってことだ。

  とめ
   そうだよ。
   くるりさんの見方は、しょせん他人事なのよ。
   
  くるり
   でもね、私の名誉のために言えば、
   21世紀には、持ち逃げするまではいかなくても、
   足元に転がってきたのを避けて歩いていく人がいても、
   ちっとも不思議じゃないよ。   
   だから、感動したってこともあるんだよ。
  
  とめ
   そういう人を増やさないためにも、
   これが当然の人の道、
   ってところは大切でしょ。
   拾ってあげないのが普通になってしまえば、
   それが当然と思う人も増えていってしまうんだから。
   悪い基準が普通になるということは、
   相手の立場に立って考えられない人が増えるってことよ。
   
  くるり
   そういう人は、すでに増えてるよ。

  とめ
   ほら、やっぱり悪い基準で見てる。
   いくら増えても、相手の立場に立って動ける人だって、
   まだまだたくさんいるから、
   くるりさんが見たような光景もあるんでしょ。
   そういう人たちの行動を見習えばいいだけのこと。
   悪い人の行動が目立つのは、
   いい人のほうがずっと多いからよ。  
   くるりさんだって、
   さっき21世紀はそこまで荒んでないって言えたのは、
   それはわかってるんだよ。
   でも、悪い基準に合わせてるから、
   矛盾してしまったんじゃないかな。 
    
  くるり
   そうか!
   私も、本来はいい人なんだけど、
   悪い基準に合わせて見てるから、
   おかしなことになってしまったんだね。

  とめ
   自分でいい人と言うのもどうかと思うけど、
   ここは聞き流しておこう。
   ほら、「人のふり見て我がふり直せ」って言うでしょ。
   人の悪い素行を見て、自分はしないようにする。
   それだって、悪いところに合わせるなってことだし、
   逆に、人様の立派な行いを見て、
   自分も真似るって意味でもある。
   まさに、くるりさんのためのことわざだよね。

  くるり
   やったー!
   私のために用意されたことわざがあったなんて!

  とめ
   どうして、そっちに行く。
   ここも聞き流しておこう。          
   だいたい、世の中捨てたもんじゃない、ってのは、
   くるりさんじゃなくて、おばあさんが思うことだよ。
   落としたのはおばあさんの失敗であって、
   おばあさんが一人で拾い集めるのが、本筋なところを、
   皆の温かい心に助けてもらったことで、
   おばあさんがそう感じるのは、おかしくない。
   反対に、もしおばあさんが、
   拾うのは人として当然、と思ったら変でしょ。
   そっちは、それを見ていた人が思うべきことだからよ。
   
  くるり
   ということは…
   私もおばあさんの立場に立ってたってことだね!

  とめ
   だから、どうしてそうなる。

  くるり
   でも、ちょっと待って。
   第三者だって、人の温かさを感じた光景ということで、
   素直に感動する場合だってあるでしょ。

  とめ
   もちろん、それはあるよ。
   でも、本当に感動したのなら、自分も見習おうということで、
   即座に行動もできるはず。
   感じて心が動くから感動。
   心が動いたら、体も動くでしょ。
   
  くるり
   私のは上っ面だけの感動だったか。
   私は傍観者でいながら、
   世の中捨てたもんじゃないって、
   えらそうに思ってる場合じゃなくて、
   自分も手伝ってあげようと駆けつけるべきだったのね。
   わかりました。
   今度からは、そういう場面に遭遇したら、
   まっしぐらに走っていって拾います!

  とめ
   あれ?くるりさんにそう言われると、ちょっと不安が…。
   そうか。
   もし、くるりさんが、
   遠くから走ってきて拾い出したら、
   持ち逃げしそうな雰囲気いっぱいで、
   怪しまれちゃうんだ。

  くるり
   おとめちゃんこそ、思いっきり人を悪く見てません?

  とめ
   いや、悪く見てるわけじゃなく、
   実際にそうなのよ。   
   これはくるりさんの立場に立って、
   どうしたらいいのか考えなきゃ。
   どうしたら、そう思われないかなあ…。
   うーん、何かいい方法ないかなあ…。

  くるり
   そんなことを、真顔になって真剣に考えてもらっても、
   素直に喜べませんてば。      
   

 

   
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


前←幸せになりたい時向き編 幸せになりたい時向き編→後

ランダムで読まれる場合は、以下よりお選びください。

バックナンバー総覧へ

1 気分がのらない時向き一覧 2 失恋や希望を失ってる時向き一覧
3 憂鬱で毎日に嫌気がさした時向き一覧 4 迷ったり悩んでいる時向き一覧
5 やる気を流し込みたい時向き一覧 6 幸せになりたい時向き一覧

メルマガ登録はのほ本屋から

このページのTOPへ





あっぱれぷらすサイト HOME TOP
 あっぱれ長屋へいらっしゃい案内  ぷらっとぷらす小路入口案内
 ・あっぱれ長屋のご隠居大家夫婦 
 ・あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則
 ・おなか茶屋
 ・ある日のあっぱれ日誌
 ・メルマガ「あっぱれ長屋のプラス話」気分で読む バックナンバー
 ・のほ本屋
 ・松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋
 ・和・は・は
 ・オリジナル&メモリアル
 ・やる気元気癒しのCD伝言板
 ・楽して楽しく覚える英語
 ・SOHOやる気まん店
 ・はっけよい八卦良い占い部屋
 ・七福神占い
 ・潜在おみくじ










和・は・は ぷらっとネットショップ
あっぱれ長屋へいらっしゃい!

HOME あっぱれぷらすサイト案内


ご隠居大家夫婦

あっぱれ長屋流悩みに出会ったら


あっぱれ長屋の住人たち

あっぱれ長屋流明るい悩み方の鉄則


おなか茶屋

あっぱれ長屋流人生の進み方


メルマガ 「あっぱれ長屋のプラス話」
気分で読むバッグナンバー総覧


おまけ
ある日のあっぱれ日誌


ぷらっとぷらす小路

のほ本屋


松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋


和はは


オリジナル&メモリアル


やる気元気癒しのCD伝言板


楽して楽しく覚える英語


SOHOやる気まん店


はっけよい八卦良い占い部屋


七福神占い


潜在おみくじ



サイトマップ