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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 幸せになりたい時向き編  





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               あっぱれ長屋のプラス話 第112号   

               〜 自分さえよければはこう使う 〜       
                                   2009. 6. 7


  
 
  くるり
   みなさんこんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   おめでた屋のご隠居のおかみさん、
   おふくさんの予定です。
   が、私はその前に、
   『本日の限定特売商品、お一人様2点まで』を、
   買ってきます。
   近くですからすぐ戻りますが、
   その前に、おふくさんがみえてしまったら、
   適当に時間を引き延ばしてください。
   よろしく!
  
  ふく
   何を勝手なことを言ってるんだろうね。
  
  くるり
   わ!特売商品が消えていく、
   じゃなくておふくさんこんにちは。
   仕方ない。
   お客さんを待たせていくわけにはいかないから、
   特売商品はあきらめよう。

  ふく
   くるりも、多少は常識があるようで。

  くるり
   当たり前でしょう。
   先に出てしまっていればこちらのもんだったけど、
   顔を見てしまった以上は、
   後で何を言われるかわかったもんでないからね。

  ふく
   どういう常識かは別だけど。
   まあいい、私も一緒に行くことにしようかね。
   そうすればくるりも、
   お客さんをほったらかしていくことにはならないよ。
  
  くるり
   きゃー、さすがおふくさん!ありがとう!
   それでは早くまいりましょう!
   とは言っても、もう売り切れてるかもしれないの。
   朝から忙しくて、なかなか行かれなかったから。 
   ほら、ここのお店。
   
  ふく
   信じられないくらい早く着いたんですけど。
  
  くるり
   あ、あった〜!
   しかも、ちょうど最後の二つ!
   間に合って良かった!
  
  ふく
   ちょいとお待ち!
   最後なんだから、一つは残しておく!
  
  くるり
   なんで?
   一人二つまでは買えるんだよ。
  
  ふく 
   江戸では、
   自分の欲しい数がそろわなくても、
   最後の一つは後の人のために残しておくものだよ。
  
  くるり
   ここは21世紀。
   早い者勝ちでいいんです。
  
  ふく
   早い者勝ちね。
   競争原理が優先しているくるりたちの社会らしいね。
   だからくるりも、
   当然の権利とばかりに二つとも手に入れて、
   ついてると喜べるんだね。
   
  くるり
   競争だから勝った方が優先して当然なのは、
   負けたほうも割り切ってるよ。
  
  ふく
   いかにも物質主義だけの競争らしいね。
   そんな貧しい考え方ではなく、
   こう思えないものかね。
   「一つは品物で買える、
    もう一つ分は豊かな心に変える。」
  
  くるり
   そう思って、あきらめて帰る。
   損した気分でひっくり返る。
   我に帰ると私は蛙。

  ふく
   誰が蛙になれと言ったかい。
   ごまかすんじゃないの。        
   譲る心のかけらもなく、
   自分さえよければいいなんて、
   味気ないねえ。冷たいねえ。野暮だねえ。
  
  くるり
   わかりましたよ。
   一つにすればいいんでしょ。
   それにしてもせっかく二つあるのに、
   置いていかなくてはならないなんて…。
   
  ふく
   いつまでも、未練たらしく、
   ごそごそやっているんじゃありません。
   さっさと買っておいで。
   さ、買ったかい。
   行くよ。
   ただ今。
  
  くるり
   いくらなんでも、そこまで早かったかな。
   それにしても、せっかく残ってたのにい。
  
  ふく
   まだ、未練たらしいことを言ってるね。
   くるりが心にして持ち帰ったからこそ、
   後の人が、最後の一つに、
   前の人の思いやりの心を感じられるんだよ。
   お互い様の意識が強い江戸では、
   そうやって、人とのつながりや心を、
   無意識のうちにでも感じられる。
   だから恩恵を与えたほうも、受けたほうも、
   心豊かになれる。

  くるり   
   江戸ではそうなるかもしれないけれど、
   21世紀では、
   一つ残したところで、
   前の人がわざと残していってくれたとは
   誰も思わない。
  
  ふく
   誤解のないように言っておく。  
   後の人が、そう思ってくれようとなかろうと、
   そんなことは、
   江戸でも関係ないことだよ。
   人のためにすることは、
   見返りを求めてすることではないんだからね。
   大事なのは、
   最後の一つを後の人のために残せる人間になってこそ、
   最後の一つを見たときに、
   そこに前の人の心があると思える人間になれるってこと。
   江戸にはそういう人が多いってだけ。
   
  くるり
   まあね、一つだけ残ってた時に、
   前の人が残していってくれた物と思えば、
   確かに心が和む気はする。

  ふく
   自分さえよければいいという考えは、
   自分がそう思えばいいという形にして、
   使いなさい。
   自己満足と思えるかもしれないけれど
   買い占める自己満足より、
   ずっとまし。
   心を豊かにするための自己満足なら、
   どんどんしなさい。
     
  くるり
   21世紀に心がないと言いながら、
   自分も人に心を与えてるかというと、
   怪しいものなんだね。
   心が貧しければ、
   人に与える心の余裕がなくなるのも当然だ。

  ふく
   社会というのは、人間の心の鏡だよ。
   だからこそ、一人一人が心を豊かにすることが大事なの。
   江戸にお互い様の心があふれているのは、
   心が豊かな結果、共存共栄意識も強いからだよ。
   
  くるり
   その割に、貧富の差や、身分の差は今よりある。

  ふく
   人間の作ったものだけで競争する社会のくるりは、
   やはりそこだけで見てしまうんだね。
   江戸の共存共栄は、
   財産で計る共存共栄ではないよ。
   貧しい者であろうが、富める者であろうが、
   お互い様で譲り合い、助け合っていく心で、
   共存共栄をするということ。 
   江戸では、競争原理がつきものの商売にも、 
   共存の精神があって、
   「あまり自分だけが儲けてしまうと、
    他の人の儲ける分がなくなる。」という意識がある。
  
  くるり
   それは良し悪しでしょう。
   儲けるほど自分のことしか考えてない人に思われたら、
   自分で枠をせばめてしまうことになるし、
   足の引っ張り合いにもなりかねない。
     
  ふく
   また物だけで計る見方をしている。
   心の面から見てごらん。
   こういう心が根底にあれば、
   手段を選ばぬえげつない手法を使っても儲かればいい、
   自分だけが儲かればいい、
   という心にはなりにくい。
   同じ枠でも、心を踏み外さぬためのものであることが、
   見えてくるはず。
   共存共栄意識があれば、
   自分と人の関係に目がいくから、
   一人でも多くの人に喜んでもらって儲ける、
   という発想の商売となる。
   おめでた屋もその精神で頑張ってるけど、
   仮にその心ゆえに大店に成長することがあったとして、
   文句の出てくるわけがない。
  
  くるり
   物質優先の今は、一つでも品物を多く売ってお金を儲ける、
   という発想の商売の方が多いかも。
   だから、儲け優先で道を踏み外すところもたくさんあるんだ。

  ふく
   買う側の意識も、
   21世紀では、
   自分の働きで手に入れたお金で、
   自分に必要な物、欲しい物を買うということになるけど、
   江戸の共存共栄精神では、
   人のためになることをして手に入れたものは、
   人のためになるように使うということになる。

  くるり
   それで、江戸っ子には、
   宵越しの銭を持つのは恥という発想が、
   生まれたのかな。
 
  ふく
   言われてみると、そういう面はあるかもしれないね。
   共存共栄、お互いさまの意識が根強く、
   会うこともない人の心にも触れているほど、
   心豊かな社会だから、
   お金のゆとりがなくても、
   心のゆとりで安定している。
   21世紀なら、心のゆとりだけじゃ食べていけない、
   なんて言うんだろうけど、
   そういう社会にしたから、そうなってるだけだよ。
     
  くるり
   共存共栄も21世紀には、
   共損狂栄に成り果てたってわけだ。
   そして、私もそうなっていたんだわ。
   おふくさん、私に最後の一つを、
   無理矢理残させてくれて、
   ありがとう。
  
  ふく
   無理矢理とはなんだね。
   でも、本当にそう思ってくれたなら、
   これは捨てていいね。

  くるり
   あ、それって…。
   
  ふく   
   さっき、くるりが買っていたときに見つけたんだよ。
   未練たらしく、棚の前でぐずぐずしてると思ったら、
   こんな紙を置いていたとは。
  
   『二つ買えるところを我慢して、
    あなたのために一つ残してあげます。くるり』 
   
   なんだろうね、これは。
 


   
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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