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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 幸せになりたい時向き編  





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             あっぱれ長屋のプラス話 第122号   
 
               〜 布が教えてくれる幸せ 〜      
                                  2012. 2. 26   


  
 
  くるり
   みなさん、こんにちは。
   今日のお江戸あっぱれ長屋からのお客様は、
   異色の易者、どう造さんです。
   どう造さん、お会いしとうございましたわ。
   今か今かとお待ちしておりました。  
  
  どう造
   ぶるるっ!
   ろくでもない予兆だ。
   帰ろ。
  
  くるり
   こ〜ら待ちやがれ〜い。
   うら若き美女にこう言われたら、
   素直に喜びなはれ。
   もし、どう造さま、
   待たぬか、待たぬと斬るぞ。
   知恵をお貸しくんなまし。
  
  どう造
   おめえ、何か悪いもんに取りつかれてるんか?
   もし、そこのあなた、
   21世紀人らしく普通にお話しなさい。
  
  くるり
   では話します。
     
  どう造
   変わるのはやっ。
  
  くるり
   もし、そこのあなた、
   江戸人らしく普通にお話しなさい。
   実はね、この姓名判断の本見たら
   私の名前良くないみたいなの。
   これはどう造さんに
   見立ててもらわなくてはと思って。 
  
  どう造
   そりゃ無理だ。
  
  くるり
   そんなこと言わないで。
   江戸のお金では払えないけど
   私の手料理くらいはごちそうするから。
   
  どう造
   そこまで言われては、
   無理では通せねえなあ。
  
  くるり
   ありがとう!
  
  どう造
   そんなもの食わされるとなれば、
   「絶対に嫌だ」もつけ足しておかねえと
   危ねえ、危ねえ。
  
  くるり
   けち。
  
  どう造
   なんと言われようが無理だから無理なんだ。
   なぜならな、
   21世紀に残っている姓名判断ってのは、
   我々の時代より後に
   まとめられてるものだ。
   それ以前の姓名判断もあるにはあるが、
   あまり浸透してない。
    
  くるり
   。ちけ
  
  どう造
   なんだそれ?

  くるり
   先ほどの発言を回収させていただきました。

  どう造
   ややこしい取り消し方をするな。

  くるり
   しかし、そんな落とし穴があったとは。
         
  どう造 
   だいたい庶民に姓がない江戸の世に、
   ここにあるような姓名判断が
   流行るわけがねえ。
   まあ易者として言うなら、
   占いがすべての人生を決めるのではない、
   と教えてさしあげましょう。
  
  くるり
   それって、易者として言うことじゃないよ。
   それに、教えてさしあげましょうと言われても、
   ここには名づけで運命が変わる証拠が
   書いてあるんだよ。
  
  どう造
   ほう、どんな証拠だい。
  
  くるり
   ここに1枚の新しい布があるとするでしょ。
   この布に「ふきん」と名づけたら、
   きれいなところばかりを拭く布となる。
   「ぞうきん」と名づけたら、
   汚いところばかりを拭く布となる。
   ね、名づけで確かに運命が変わるんだよ。
   
  どう造
   ちょっと待てや。
   それでいくと、
   雑巾となってしまったら不幸というのが
   前提になってるが、そりゃ変だろ。
   他の布では拭けない汚れを拭き取ってきれいにするのは、
   雑巾だからできること。
   それが役にたってることを知ってる雑巾は、
   誇りや喜びを感じこそすれ、
   不幸なんて思うわけがねえ。
   そのおかげで、
   我々も気持ちよく過ごさせてもらう。
   逆に布巾になっても
   食べこぼしは拭きたくねえとか思ってたら
   そいつは不幸だ。
   布巾だとか雑巾だとかということよりも、
   自分の存在価値に気づいてるかどうかで
   幸せは決まるもんだ。
   だから生き方が大事だって言うんだ。

  くるり
   一気に反論された。
    
  どう造
   まだ終わってねえや。
   そもそもその話には最初から無理がある。
  
  くるり
   なんで?
  
  どう造
   新しい布をいきなり雑巾にするなんてこたあ、
   ありえねえ。
   雑巾になるのは、
   使い古した布と相場が決まっている。
   つまり、布の一生でいえば、
   雑巾にまでなれたというのは、
   それだけたくさん役にたってきた証。
   その歴史があってはじめて、
   普通の布ではできない汚れも、
   拭うことができるようになるんだ。
    
  くるり
   雑巾は布のなれの果てではなく、
   雑巾になれたら究極に行き着いたってこと?
   そんな見方したことなかったな。
  
  どう造
   布を使い込んでいけば、
   自然に見えることだがな。
   大切に使いまわしてお世話になってる布だからこそ、
   雑巾までにして使いこむんじゃねえか。
   そういうものに愛着と感謝があっても、
   なれの果てと思うわけがねえ。      
  
  くるり
   今は新しい布で作った雑巾が
   売られてる時代だから。
  
  どう造
   なんとまあ、とんでもないことをしやがる。
   ご隠居だったら
   「ばかもん!」と怒鳴られてるところだな。
   
  くるり
   あ、布の一生を人間の一生にあてはめたら、
   ご隠居が雑巾ってことにもなってしまうよ。
  
  どう造
   だから江戸では
   お年寄りは尊敬されているぞ。
   容姿や体力では勝る若者でも、
   人生を生き抜く間に
   身についてくるものだけは
   どう逆立ちしても
   手に入れることは無理だからな。
   公方様や殿様を助ける大切な役職名をみても、
   わかるじゃねえか。
   大老、老中、若年寄、家老など
   老人を意識したものばかりだ。
   いかに老人に敬意が持たれているかが
   わかるだろう。
   
  くるり
   本当だ。
   
  どう造
   古くなれば見た目は悪くなるが、
   あ、これはご隠居のことではないぞ、
   古くなったからこそできることがまた役に立つ。  
   その世話になっておきながら、
   蔑むとは言語道断。
   厠の掃除を汚がるくせに、
   厠の世話には平気でなってる恥知らずと同じ。
   
  くるり
   確かに厠、いやトイレがないと困る。
   そしてそう思うと
   感謝して掃除ができるようになる。   

  どう造
   雑巾だってそうだ。
   雑巾が汚いのは、
   汚れを移しとってくれたからだ。
   そうさせたのは誰だ。
   そうして助かるのも誰だ。
   それがわかってれば、
   感謝の心が生まれるから、
   きれいに洗う。
   そうなっていれば、
   雑巾は必要なものであって、
   汚いものと思うはずがねえ。
   だから雑巾をなれの果てとか、
   汚いとか蔑むことは、
   そういう存在にさせた自分を蔑む
   ことと同じだ。
     
  くるり
   雑巾って、  
   年取るほど、
   いい顔になっていく人のようなものなんだね。
   容姿が衰えていくのと反対に、
   積み重ねてきた歴史の重みが出てきて、
   容姿では出せなかった魅力が備わるような。

  どう造
   だから、雑巾は決して
   なれの果てではねえんだ。
   そういうものが本来の雑巾なのに、
   見た目だけしか見てないから、
   新しい布の雑巾が売られるようなことになる。

  くるり
   でも売るとなったら、
   やはり新しい布にせざるを得ないでしょ。
  
  どう造
   では百歩譲って、
   売るほうがそうなるのは目をつぶろう。
   だが、そんなもんが疑問なく買われる世、
   売れてしまう世になってることはもっと問題だ。
   そんな見た目だらけになってるから、
   一見もっともらしい布の名づけ話にも
   簡単に納得しちまうんだ。
   
  くるり
   でも名前がよくないとなると
   やはりいい気はしない。
  
  どう造
   親が愛情こめてつけた名前を、
   運が悪い名だからと嫌う、
   その心持が悪運を招きよせるってこともある。
   そんなこと考える暇があるなら、
   親が真剣に考えてくれた愛情こそが
   何よりのお守りと信じ、
   その名前を傷つけぬように、
   一生懸命生きることの方がよほど大事。
    
  くるり
   自分に関係ない占いだと思って、
   言いたいこと言ってる。
   でも、江戸では簡単に名前を変えられるんだから、
   姓名判断がもっと根付いてたら、
   どう造さんも商売になったのに、
   そういう世では、
   あまり気にされてないんだね。
   
  どう造
   簡単に名前を変えられない世になったからこそ、
   姓名判断を気にするようになる。
   人間の信じる信じないなんてそんなもんだ。
  
  くるり
   つくづく占いを否定するようなことばかり言う易者だね。
   でもどう造さん、
   たとえばここに来る地のどう造さんは
   とても易者とは思えない、
   がらがらで柄の悪い江戸っ子でしょ。
  
  どう造
   ちゃきちゃきの江戸っ子と言え。
  
  くるり
   これが易者のどう造となると一転別人、
   言葉も口調も
   いかにも当たりそうな易者らしくなる。
   まあ、格好は怪しいけど。
    
  どう造
   二言余分。
  
  くるり
   単に上に着く言葉が変わっただけでも、
   人格が変わっているんだよ。
  
  どう造
   それは字画ではなく、
   立場をわきまえた自覚。
  
  くるり
   でも…。
  
  どう造
   なんだ、まだ納得できねえのか。
   
  くるり
   おはぎさんの亭主であるどう造になると、
   おかみさんに頭のあがらないどう造になり、
   茶さじ郎ちゃんの父親であるどう造になると、
   できてる子供にたしなめられるどう造になり、
   あっぱれ長屋の店子のどう造になると、
   大家に意見されるどう造となり…
   
  どう造
   そこはみんな叱られるどう造で一緒じゃねえか。
   これっぽっちも変わってねえぞ。
   
  くるり 
   それ、胸張って言いきるところじゃないですけど。
   
  


   
 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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