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あっぱれ長屋の江戸っ子たちと現代人くるりのドタバタ人生談義

 幸せになりたい時向き編  





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              あっぱれ長屋のプラス話 第71号               
                                                                                          
                     〜 言葉と気持ちは器と料理 〜       
                                                            2006. 8. 29   
             



   くるり
   みなさん、こんにちは!
   今日のお江戸あっぱれ長屋のお客様は、
   浪人天さんのおかみさんのおとくさんです。
   おとくさん、69号の時は、
   天さんのお母さんに、
   薙刀でおっかけまわされて、
   大変だったんだよー。
    
  とく
   ふふふ、そうみたいですね。
   だんなさまから、伺いました。
   二人まとめて、根性を叩き直されたようで。
     
  くるり
   だいたい、長屋の人以外は、
   21世紀には来られないはずなのに、
   なんで来られたんだろうね。
     
  とく
   お義母さまの前に、
   できないことはないのです。
     
  くるり
   じゃあ、天さんはあれだけ頑張っても
   いつかは、お家再興で武士に復帰するはめになるかもね。
    
  とく
   さあ、それはどうでしょう。
   うちのだんなさまも、思ったことを実現させてしまうことでは、
   負けてませんから。
    
  くるり
   親子で勝負か。
    
  とく
   それより、ちょっと、聞いてくださいます?
   私は毎朝神社にお参りに行くのですけれど、
   最近よく会うおばあさんがいるのです。
   それで、お話を聞くところによると、
   ご子息のお嫁さんがきつい人でね、
   毎日、外に出されてしまうらしいの。
    
  くるり
   江戸時代にも、そういう話があるんだねえ。
    
  とく
   ある日そのおばあさんが、
   落し物をしていったので、
   聞いていた場所をたよりに、
   届けたのですよ。
   おばあさんはまだ帰ってなかったのだけれど、
   お嫁さんとおぼしき、女の方がいらしてね、
   わけを話して落し物を置いてきたの。
   でも、お礼を言うわけでもなく、愛想もないのよ。
   内心「おばあさんがおっしゃってたとおりの方だわ、お気の毒に」、
   と思って帰ったの。
   で、翌日会ったときに、
   おばあさんにお礼を言われたから、
   「本当に、きつそうな方ですね。」と言ったら、
   あれは娘です、っておっしゃるじゃないの。
   もう、決まり悪くって。
   うかつに悪口を言うもんじゃないと、
   つくづく思いました。
    
  くるり
   でも、その人が小姑ということは、
   実はお嫁さんも、けっこう気の毒だったりして。
    
  とく
   そこなんですよ。
   実は、もう一人、湯屋でよく会う若い方とも
   お話するようになったの。
   この方は逆の立場で、
   お姑さんが、家の中にとじこもってばかりなので、
   足が弱るからって、お散歩を勧めているそうなのです。
   おかげで、だいぶ足腰がしっかりしてきました、
   って、嬉しそうで。
   本当にお姑さん思いで、
   私も見習わなくてはと思いました。
    
  くるり
   いや、おとくさんのお姑さんは、
   足腰は充分丈夫だから、
   そこは見習う必要はないです。
     
  とく
   くるりさん、よほど懲りたみたいね。
   それでね、ある日この方が、
   そのお姑さんと湯屋にいらしたの。
   それがびっくり、
   なんと、あの神社で会うおばあさんだったんです。
    
  くるり
   うっかり、世間話で、
   可愛そうなおばあさんの話をしてなくて良かったね。
    
  とく
   本当ですわ。
   やはり悪口はいけないってことです。
   でも、そこでもう一つ、私はさとりました。
   人の話は、片方だけの話から、
   うのみにしてはいけないなって。
    
  くるり
   言葉には、話す人の主観が入るからね。
    
  とく
   それと他にもう一つ思ったことは、
   お嫁さんが善意で、
   「お外を歩いてきたら、いかがですか」
   と言ったことを、
   おばあさんは、家から追い出されてると、
   受け取ってしまうわけでしょ。
   言葉ってむずかしいってこと。
    
  くるり
   あのね、私達は、言葉という器に、
   気持ちという料理を載せて差し出してるようなもんなんだよ。
   変に受け取られてしまうというのは、
   その料理に気がついてもらえなかったってこと。
   だから、おばあさんが、
   自分の気持ちを盛ってしまったんだよ。
    
  とく
   まあ、くるりさん!
   お義母上に叩きなおされて、
   立派になられましたこと!
    
  くるり
   叩きなおされる前から、それは思ってました。
    
  とく
   あ、わかりました。
   ごちそうに出すというたとえだからね。
    
  くるり
   そこで納得されてしまっていいものか?
   でも、器は言葉、料理が気持ちというたとえは、
   わかりやすいんだよ。
   気持ちのない言葉を出すというのは
   何も載せないで、器だけを差し出すということ。
   だから、受け取ったほうも嬉しくない。
   言葉がなくても、通じる間柄というのは、
   器なんかに載せないで、じかに渡しても、
   問題の起きないほどわかりあえる間柄になってるから。
   汚い器にまずい料理は、汚い言葉と醜い気持ち、
   だから受け取れば不愉快になる。
   綺麗な器においしい料理は、美しい言葉と素敵な気持ち、
   だから幸せになれる。
     
  とく
   まあ、ほんと。
   今日、お義母上がいらしてたら、
   くるりさんも、薙刀で追い掛け回されないで
   すんだかもしれませんわね。
   相手に、おいしく味わっていただく思いやりがあれば、
   器選びも慎重になるし、
   のせる料理も、暑い時には冷たい料理で落ち着いてもらい、
   寒い時には、暖かい料理で元気になってもらう。
  
  くるり
   そうか、心がかっかとしてるとき、
   または落ち込んでるときに合わせて、
   そういうたとえもできるね。
   でも、そのおばあさんとお嫁さんみたいに、
   行き違いが起きてしまうのは困るね。
    
  とく
   それは、やっぱり心が通じ合って、
   信頼関係がきちんとできてるかどうかですわね。
   出されたものを、安心していただけるのは、
   作った人を信頼してるからでしょ。
   殿様がお毒見役を通したものしか召し上がれないのは、
   どこかで毒を入れる人間がいるかもしれない、
   という恐れがあるからです。
   どんなに立派な器に、おいしい料理が盛られていても、
   それをそのまま受け取れないのが、殿様の立場。
   信頼しきることが許されないのです。
   それも、言葉と気持ちのお料理にあてはまるわね。
    
  くるり
   そうなると、殿様もかわいそうなもんだね。
    
  とく
   先ほどのおばあさんは、
   お嫁さんから出される料理を信頼していないから、
   器だけしか見てない。
   お嫁さんは、
   料理には気を使っていても、
   器をおろそかにしていた。
   言葉が足りなかったのね。
    
  くるり
   言葉の行き違いから起きる誤解って、
   そういうことなんだね。
  
  とく
   そして、私がうっかり言ってしまった悪口は、
   汚い器に盛ったまずい料理だったのね。
    
  くるり
   おとくさんの場合、器はきれいだから、
   もっと強烈。
    
  とく
   まあ、どうしましょう。
   でもくるりさん、
   それでもう一つわかりました。
   もし、汚い器で、まずい料理を出されたら、
   いくら、くるりさんでも、普通は召し上がらないでしょ。
    
  くるり
   おとくさん、「いくら」は余分です。
   本物のお料理なら、「いくら」は
   たくさんあってもいいけど。
   なんちゃって。
  
  とく
   あら、洒落がお上手ね。
   つまり、そんなお料理だったら、
   とても食べる気はしないのですから、
   言葉と気持ちのお料理のときも、
   そういうものは食べないことです。
   そうすれば、不愉快になることも、
   おなかをこわすこともないの。
    
  くるり
   なるほどねえ。
   でも、食べなくても、
   こんなひどいもの出されて、食えるか!
   って、やっぱり腹たつよ。
    
  とく
   それは、最初から食べようと思ってなければ関係ないこと。
   食べようとする思い、
   いわゆる食い気があるから、腹もたつ。
   だから、思わず、食いついてしまうのです。
    
  くるり
   おとくさん、それもうまい!  
  
  とく
   あら、まずいのよ。

  くるり
   いや、そういうことでなくて…。

  とく
   食べたい気持ちが勝ってるのは、いやしい状態。
   つまり、それは卑しい人間に成り下がることにも通じるし。
    
  くるり
   なんだか、噺家のもへじさんより、
   私たちのほうが、洒落が上手かもしれないよ。
  
  とく
   今度、もへじさんに教えてさしあげましょう。   
   でも、今日は、
   言葉という器と気持ちという料理ということで、
   私がくるりさんに教えられました。
   あとは、くるりさんは実践することだけですね。
    
  くるり
   やはり、そこは見抜かれてたか。
    
  とく
   くるりさんも、大切な殿方にご馳走を作ってさしあげるときは、
   器にも料理にも、心をこめるでしょう。
   そもそも、器は料理を引き立てるもの。
   同じ料理でも、器次第で、
   おいしそうにもまずそうにもなりますわ。
   その感覚で、言葉を選び、気持ちをのせたらいいのですよ。
   あ、大事な殿方がいないから、わかりませんかしら?
    
  くるり
   う、毒を盛られた〜。

 (発行マガジンより、本文のみ掲載しております。)


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